2018-08-12 Kagawa DortmundGetty Images

ドルトムントで岐路に立つ香川真司、現在の立ち位置と残された選択肢とは?【サムライたちの現在地】

●立ち位置

インサイドハーフ/トップ下のバックアッパー​

●個人目標

以下に続く

レギュラー奪取&個としてのレベルアップ​

●ポジション争いのライバル

アクセル・ヴィツェル、トーマス・ディレイニー、マリオ・ゲッツェ、ラファエウ・ゲレイロなど

■昨シーズンのプレータイムは“最少”の1165分

2018-03-30 Kagawa DortmundGetty Images

ピーター・ボスを新監督に招へいした昨シーズンのドルトムントは好スタートを切り、第9節まで首位に立っていた。躍進の原動力はピエール・エメリク・オーバメヤン(現アーセナル)やマキシミリアン・フィリップで、指揮官が標榜する攻撃サッカーの仕上げ役として存在感を誇示。一方、香川真司は準レギュラーという立場ながら、先発した2試合でそれぞれゴールを挙げるなど、限られた出場機会の中でアピールしていた。しかし、チャンピオンズリーグのレアル・マドリー戦(ホーム)やシャルケとのダービーなど重要な一戦では出番なし。ボスから全幅の信頼を寄せられず、主役に躍り出ることはなかった。

風向きが変わったのは、ペーター・シュテーガーが新監督に就任してからだった。序盤の好調が嘘かのように大スランプに陥ったチームをボスから引き継いだ指揮官は、香川をトップ下/インサイドハーフのレギュラーに固定。この期待に応えるように、日本代表MFは新体制下でのリーグ戦5試合で3得点・2アシストと気を吐いた。だが、好事魔多し。第22節のハンブルク戦で左足首を痛め、シーズンの佳境を迎えるタイミングで無念の戦線離脱を強いられた。最終節に復帰したものの、ブンデスリーガでのプレータイムはドルトムント在籍6シーズンで最も短い1165分と、満足できる結果を残せなかった。

それでも香川のクオリティーに疑いの余地がないのは、ロシア・ワールドカップでの活躍からも明らか。現在29歳と老け込む年齢ではなく、むしろフットボーラーとして脂が乗っている。新シーズンも出場機会さえ得られれば、ブンデスリーガで輝きを放つ可能性は小さくない。

■ベシクタシュが年俸400万ユーロを用意とも

2018-01-28 Kagawa DortmundGetty Images

ただ、肝心の出番を得られるかが不透明だ。シュテーガー政権が続いていれば、おそらく今季も香川は有力なレギュラー候補と見なされていたに違いない。だが、ドルトムントの監督はリュシアン・ファーヴルに代わった。香川がこのスイス人指揮官から高く評価されていないのは、DFBポカール1回戦(対グロイター・フュルト)の遠征メンバーから漏れた事実から窺えるだろう。さすがに1試合だけで構想外とは言い切れないものの、8月26日に控えるブンデスリーガ開幕戦(対RBライプツィヒ)で香川のスタメン出場を予想している現地の有力メディアは見当たらない。

4-2-3-1もしくは4-1-4-1を基本システムにしそうなファーブルは、新戦力のアクセル・ヴィツェルとトーマス・ディレイニーを中盤センターの軸に据える考えを持っている。もう一人のレギュラー候補はDFBポカールで出番を得たマリオ・ゲッツェ、マフムード・ダフード、ラファエル・ゲレイロで、ここに負傷離脱中のユリアン・ヴァイグルも加わりそうだ。また、喫緊の課題である一流のストライカー獲りが実現した場合は、現在センターフォワードを務めているマルコ・ロイスが中盤センターで起用される可能性もある。

文字通り厳しい立場に置かれる香川が、ドルトムントに残留するかは定かではないところだ。トルコメディアの『ファナティック』によれば、かねてから新天地候補と噂されるベシクタシュが年俸400万ユーロ(約5億円)の待遇で、日本代表MFの引き抜きを画策しているという。今年6月に広州恒大へ移籍した攻撃的MFアンデルソン・タリスカの後釜として考えているようだ。もし、トルコの強豪からドルトムントに魅力的なオファーが届き、本人も環境の変化を望むようなら、8月31日までに移籍が成立してもおかしくない。

■残留を決断した場合のターニングポイントは?

2017-12-06-kagawashinji.(C)Getty Images

今年1月に慣れ親しんだインテルを離れ、ガラタサライで躍動した長友佑都の例を見ると、トルコへの移籍は決して悪い選択ではないように映る。ただ、昨シーズンのトルコリーグで4位だったベシクタシュはチャンピオンズリーグ出場権を有していない。ロシア・ワールドカップ後に催された『タグホイヤー』のイベント出演時に「もっともっとレベルアップして成長していきたい」と目標を口にした香川が、そうした環境をどう考えているか。移籍に関する具体的な言葉は、まだ本人からもクラブからも聞こえてこない。

仮にドルトムントで戦い続ける決断を下した場合は、前述した面々との定位置争いに勝たなければならない。ヴィツェルとディレイニーの加入に伴い、昨シーズン以上に激しくなった中盤の競争でリードを奪うには、香川が数年前からこだわっている目に見える結果を残すしかないだろう。チームはチャンピオンズリーグが始まる9月中旬から週2ペースで試合をこなすことになる。現時点ではベンチ入りできるかどうかという立場の香川にも、そのあたりで先発のチャンスが訪れるのではないか。その際にどれだけアピールできるか。レギュラー返り咲き、そしてさらなる成長に向けた重要なターニングポイントになりそうだ。

文=遠藤孝輔(サッカージャーナリスト)

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