なぜ歴代最強のイングランド代表は成功をつかめなかったのか?当時の代表監督が明かしたこととは…/インタビュー

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2001年から2006年まで率いたイングランド代表を率いた経験を持つエリクソン氏が独占インタビューに応じる。タレントに恵まれながら、なぜイングランド代表で大きな成功をつかめなかったのか。当時の思いを振り返る。

イングランド代表を2001年から2006年まで5年にわたって率いたスウェーデン人指揮官スヴェン・ゴラン・エリクソン氏が、『Goal』の独占インタビューに応じてくれた。

エリクソン氏はイングランド代表指揮官として2度のワールドカップを経験した後、オイルマネーが注ぎ込まれる前のマンチェスター・シティを指揮。2012年からはアジアを活動の拠点とし、2017年に深圳市足球倶楽部との契約を終えてからはフリーとなっている。

70歳となった老将だが、「またいつか仕事に戻る」と明言し、いまだ監督業へのモチベーションを失っていないことを明かす。

「まだ引退するときではない。私はフットボールを愛している。そして、毎週日曜のプレッシャー、ストレスもね。勝つか? 負けるか? それとも引き分けるのか? 今も昔もその全てが私の好物さ」

エネルギッシュにあふれる白髪の指揮官は中国サッカーへの思いやイングランド代表時代の記憶を回顧しながら、明かしてくれた。

■なぜイングランド代表で成功をつかめなかったのか?

Carragher, David Beckham, Sven-Goran Eriksson, Lampard, Crouch_England,加歷查,碧咸,林柏特,艾歷臣,高治

――あなたは監督キャリアの中でイングランド代表を最も長く指揮していました。一番光栄に思えた仕事だったんでしょうか?

恐らく、イングランド代表は私が指揮してきた中で一番大きな仕事だっただろう。あの国ではフットボールが信じられないレベルで全てのこととつながっている。そこにいられたことはとても誇りに思う。多少は成功をつかめたが、今は新しい選手、新しいスタッフがいる。私は今もイングランド代表のサポーターであり、彼らがW杯で結果を残すのを祈っている。

――多くの人々の意見では、あなたが率いていたときが最強の世代と謳われていました。あなたはそうだと思いますか? そのチームと栄光をつかめなかったことに後悔はありますか?

確かに素晴らしいチームだった。それに疑いはない。ただ、最強だったかどうかはわからない。イギリス国内では、「優勝もできた」と言われている。しかし、私が代表から去って2年後、彼らはユーロへの出場権を逃した。私だけでなく全選手がさらなる先へと行けると思っていて、チーム全体がベスト8よりも上へ行けると考えていたのに、それは起こらなかった。

――何がイングランド代表を妨げたのでしょうか? 運に恵まれなかったのもあると思いますが、それ以外にも何かありましたか?

もう一度全ての試合を戦えるのであれば、何かを変えられるだろう。ただ、そう考えていても人生は進まない。私たちはもっとやれただろうが、悪くはなかった。実際、私たちは2度ベスト8に行っている。そして2002年はW杯王者のブラジル代表に負けた。

――最も辛かった敗北はなんでしょうか?2002年のブラジル戦でしょうか? 2006年のポルトガル戦でしょうか?

間違いなく2006年のドイツ大会で、ポルトガルにPK戦で敗れたときだね。。

――現在のイングランド代表についてはどうお考えですか? 今までよりもタレントには乏しいと思いますが…。

そうは思わない。彼らは良いチームだ。多くの若く才能あふれる選手がいる新しい世代。疲労もなく、ケガもなければ、W杯で結果を出すはずだ。そう望んでいるし、そう考えている。

■祖国スウェーデン代表のロシアW杯は…

Sweden celebrating against Italy

――あなたはスウェーデン人ですが、祖国を率いたことはありません。後悔はありますか?

そうかもしれない(笑)。しかし、私は1983年にはスウェーデンを離れた。代表監督に就任間近のときもあったが、ある理由でそれは起こらなかったんだ。

――次のロシア・ワールドカップではスウェーデンとメキシコが戦います。ともに指揮した経験のある、よく知っている2チームです。それぞれの強みは何でしょうか?

メキシコは走力とテクニックに優れ、スウェーデンはフィジカルに優れたチームだ。ともにとてもよく組織されている。両極端なスタイルを持ったチームの激突となるだろう。このグループリーグの行く末を見るのはとても面白い。もちろん、スウェーデンが勝ち抜けると思っている。しかし、難しい戦いになるだろう。

――スウェーデンは近年で初めて(ズラタン)イブラヒモビッチ抜きで戦うことを決めました。あなたはイブラヒモビッチが抜けることを良い影響だと思いますか? それとも、彼のような選手こそがチームを底上げすると思いますか?

難しい質問だ。なぜならズラタンはズラタンだからだ。どこにも第2のズラタンはいない。彼は何年も代表のトップを走り続けていた。しかし、彼抜きで戦ったW杯予選とプレーオフのイタリア戦を忘れてはいけない。そのときにズラタンはいなかった。他の選手たちが勝ち取ったんだ。ズラタンは納得しないかもしれないけどね。

■キャリアの思い出は…

――あなたは2013年から中国へ渡りました。中国サッカーの進化、進歩についてどう考えていますか?

中国で働けたことを光栄に思っている。その理由の一つは、ここ中国が成長過程にあるからだ。地域ごとも進歩していて、良い指導者、良い選手たちが集まってきている。それも高いレベルで急速にね。彼らはサッカーの基盤を整えるのに多くの費用を投資し、その結果として次世代の若き選手たちもその恩恵を受けるだろう。きっと中国サッカーはこれからも成長していく。近年ここで成し遂げられたことを見て、私はそう確信している。中国はサッカーにおける一大勢力になるはずだ。

――キャリアで断って後悔した仕事はありますか?

キャリアのピークのときは成功にあふれたものだった。とても良いチームが来ていたよ。私は恵まれていた。良いフットボールキャリアだったと言う以外に話せることはないね。

――あなたの指導者キャリアで一番の思い出は何ですか?

話した通り、イングランド代表を率いていたときが一番誇りに思える経験だった。ただし、重要なものを勝ち取れたときは嬉しいものだよ。例えば、1982年にイェーテボリでUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)を制したときもあったし、スウェーデンのクラブとして初めてのことだった。ラツィオという決してビッグクラブとは言えないチームで、セリエAを制覇したとき(2000年)も格別だった。そうそう起こることではないからね。

――最悪の思い出は何ですか?―

繰り返すが、2006年W杯のポルトガル戦での敗北だね。まったく予想できなかったし、私のイングランド代表の監督としての最後の試合でもあった。不幸な日だったよ。

インタビュー・文=ナイーム・ベネドラ/Naim Beneddra

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