Liverpool pre-season W+Ls GFXGetty/GOAL

リヴァプールのプレシーズンの勝者と敗者:16歳はトップチームへのデビューの準備が整った。スロット監督に必要なのはCB

イングランドの王者が戦いの舞台に戻る準備が整った。リヴァプールは今週末、ウェンブリーでクリスタル・パレスとコミュニティ・シールドを争う。

レッズが狂喜乱舞するサポーターたちの前でプレミアリーグのトロフィーを掲げたのは、ついこの間のことのように感じられるが、あれ以来、多くの変化があった。何より、クラブ全体が今なおディオゴ・ジョタの悲劇的な死を受け入れようとしている最中である。

「もちろん、私たちは非常に苦しい時間を過ごしている」と、月曜、キャプテンのフィルジル・ファン・ダイクは、A・ビルバオとの親善試合を前に、自身のプログラムに書きこんだ。「正直なところ、まだ少し現実と思えないところがあるが、チームとして最善の方法を模索しながら乗り越えようとしている。皆、この本当に難しい時期を乗り越えるために精一杯のことをしている」。

プレシーズン中ずっと、リヴァプールはジョタへの哀悼の意を示し、特に毎試合20分に、追悼の時間を設けているが、それは感動的な光景であり、「毎日ディオゴを偲ぶ」というチームの努力は明らかだ。

基本的な数字を見ても、リヴァプールは悲しみに包まれたプレシーズンをうまく乗り切ったと言える。6試合中5試合に勝ち、20得点を記録。唯一の敗北はミランに2-4で負けた試合だった。

しかし、スロット監督にとって良かったこともあった一方で、悪かったことも存在する。以下、リヴァプールのプレシーズンで目立った勝者と敗者を詳しく分析しよう。

  • 勝者:リオ・ングモハ

    今年1月、リヴァプールのファンは、クラブ史上最年少でトップチームの試合に先発出場した16歳のリオ・ングモハを初めて本格的に見る機会を得た。スロット監督はFAカップのアクリントン・スタンリー戦で大勝した後、「今日の試合を見たファンは気に入ってくれただろう」と述べている。

    2024-25シーズン、ングモハがトップチームの試合に出たのはこれっきりだったが、今シーズンは何度も出場するに違いない。実際、今や、この左ウイングがチェルシーからリヴァプールへ移籍してしまったことにジョン・テリーががっかりした理由は明白である。

    ングモハは、レッズのプレシーズンで間違いなくスターだった。ストーク・シティとの非公開の試合で得点を挙げた後、横浜F・マリノスとの試合では30分もプレーしなかったものの、DF陣を何度も翻弄し、ひとりで見事な得点で決め、誰よりも目立って皆の話題を独占した。

    さらに月曜に行われたA・ビルバオとの最初の親善試合では、60秒余りでまたも素晴らしいシュートを決め、アンフィールドを熱狂の渦に巻き込んだ。

    スロット監督は、このイングランドU-17代表選手に対する過大な期待を賢明に抑えようとしているが、プレシーズンでのングモハの輝かしいパフォーマンスは、それをまったく不可能なものにしてしまった。ルイス・ディアスは去ったが、リオが後を継ぐ準備は整った。今では、誰もがそれを知っている。

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  • Joe Gomez Liverpool 2025-26Getty Images

    敗者:スロット監督のセンターバックの選択肢

    昨シーズンのリヴァプールの最終戦、1-1で引き分けたクリスタル・パレスとのアンフィールドでの試合で、結局出場はかなわなかったものの、ケガに悩まされ続けてきたDFジョー・ゴメスがベンチ入りに復帰したことはクラブの関係者全員を喜ばせた。プレシーズンをフルに消化したことで、ゴメスが、フィルジル・ファン・ダイクとともにスロット監督の4バックの先発に名を連ねることを、イブラヒマ・コナテと争うことになるだろうという期待が高まった。

    ところが、1月にハムストリングの故障で離脱した28歳のゴメスは、アキレス腱のケガでアジアツアーからの早期帰国を余儀なくされ、A・ビルバオとの2連戦も欠場。現在、スロット監督は、ゴメスが金曜のボーンマスとのプレミアリーグ開幕戦に間に合うかどうかは時間との戦いだと述べている。これは、ジャレル・クアンサーがレヴァークーゼンに移籍して正規のセンターバックが不足しているリヴァプールにとって、全く良いニュースではない。月曜の試合でトレイ・ナイオニと遠藤航が起用されたことがその証拠だ。

    そのため、移籍市場の最終盤に、来年クリスタル・パレスとの契約が満了するマルク・グエイや、パルマの10代選手のジョヴァンニ・レオーニを獲得しようとする動きが見られるかどうか、気になるところである。

  • FBL-ENG-LIVERPOOL-BILBAOAFP

    勝者:コーディ・ガクポ

    アレクサンデル・イサクが加入すれば、コーディ・ガクポをはじめとするリヴァプールの複数の選手の状況が変わることは間違いない。このスウェーデン代表FWを起用するために、ウーゴ・エキティケがワイドに追いやられる可能性がある。しかし、現状では、プレシーズンを非常に好調に過ごしたオランダ代表のガクポは、2025-26シーズンに向け、これ以上ないほど良い位置にいると言える。

    ガクポは、アンフィールドでのA・ビルバオ戦で2の得点を含む、合計4得点を記録し、左ウイングの先発の座を争っていた主なライバルであるディアスがバイエルン・ミュンヘンへ移籍した。ガクポは昨シーズン、全公式戦で18得点を記録したが、今年、その記録を更新してもまったく驚くことではないだろう。

  • Virgil van Dijk Liverpool 2025-26Getty Images

    敗者:守備陣

    スロット監督も認めているように、リヴァプールは6試合の親善試合で素晴らしい攻撃的サッカーを披露したが、守備面では多くの課題が残った。7月26日には凡庸なミランにカウンターで打ちのめされ、4日後の横浜F・マリノス戦でも、Jリーグの下位チームに素早いカウンターで何度も決定的なチャンスを作られた。

    さらにリヴァプールは、A・ビルバオとの2試合目でセットプレーでの不安定さを露呈した。守備の要のファン・ダイクが体調不良で不在だったことがその大きな要因であることは明らかだが、試合全体で鋭さを書いていたことを見逃してはならない。

    日曜のクリスタル・パレスとのコミュニティ・シールドの試合では、スター選手が揃うFW陣に注目が集まるだろうが、スロット監督にとっては、守備陣がどう機能するかの方がより大きな問題だろう。というのも、ファン・ダイクが離脱した場合、リヴァプールのシーズンは崩壊するのではないかという懸念が残っているからである。

  • Preston North End v Liverpool - Pre-Season FriendlyGetty Images Sport

    敗者:不安定なコナー・ブラッドリー

    トレント・アレクサンダー=アーノルドがレアル・マドリーへの移籍を決定した瞬間、当然ながらリヴァプールには新しい右サイドバックが必要となった――先発の座を争える能力のある選手が。コナー・ブラッドリーにそのポジションにつく能力があることは全く疑いの余地がなかったかもしれないが、彼のこれまでのケガの履歴には正当にして十分な懸念があった。

    この北アイルランド代表選手は、リヴァプールの最初の4試合の親善試合に出場し、プレストン戦で先制点を挙げたものの、練習中に負傷して、月曜の試合の出場を見送った。スロット監督は、これは大きな問題ではないと主張したが、ブラッドリーがケガをしやすい傾向にあることは、彼自身だけでなくチームにとっても、繰り返し発生する問題となっている。

    22歳のブラッドリーは、リヴァプールの右サイドバックのレギュラーの座を獲得して新シーズンをスタートできると楽観的に考えていたかもしれないが、ボーンマスとの開幕戦の出場が危ぶまれており、印象的なパフォーマンスを見せたジェレミー・フリンポンが、早い段階で実力を示すチャンスをほぼ確実に手にしたと言える。

  • Liverpool v Athletic Club Bilbao - Pre-Season FriendlyGetty Images Sport

    勝者:新加入選手

    昨シーズンのプレミアリーグで優勝したリヴァプールは、クラブ史上最高の夏の大盤振る舞いをしなかったとしても、多大なプレッシャーにさらされていたことだろう。そして、一連のワクワクするような移籍により、スロット監督のチームに対する期待は最高潮に達している。サポーターにとって幸いなことに、新加入選手たちは、その期待に応えられる能力があるようだ。

    勝利した横浜F・マリノス戦で得点を挙げたフロリアン・ヴィルツは、昨シーズンのリヴァプールに欠けていた、創造性あふれる背番号10であり、我々が知っているとおりの実力を発揮した。一方、エキティケはプレシーズンの2試合に出場したものの得点を挙げることはできなかったが、月曜の試合では、モハメド・サラーへの見事なアシストで、美しいステップと一瞬の爆発力が特徴である自身の実力をアンフィールドで存分に披露した。

    そのほか、スピードのある新加入のサイドバック、ミロシュ・ケルケズとフリンポンは、サイドでダイナミックなプレーを披露し、ギオルギ・ママルダシュヴィリも、素晴らしいシュートセービングで、家族の問題でブラジルに戻ったアリソン・ベッカーの穴を埋めた。

    まだプレシーズンではあるが、リヴァプールが昨シーズンよりも強力な布陣で新シーズンをスタートすることはほぼ確実である。レッズのライバルたちにとっては朗報ではないだろう。

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