毎年、大勢のブラジルの才能ある10代の選手がヨーロッパに向かい、同じような型にはまっていく。素晴らしいテクニックの持ち主で将来性豊かな彼らは、全員が早々にブラジルのレジェンドと比較されるようになるのが普通だが、その多くがそんな比較は間違いだったと判明する。ネイマールやロナウジーニョ、ロナウドほどの高みに到達できる選手はほんのひと握りなのだ。たいていの場合、ごく平凡な選手になっていく。
だが、ロッキは彼以前の選手たちの幾人かよりは、レジェンドのひとりに少し似たところがあるようだ。バルセロナと個人的な契約を交わしたばかりのロッキは、驚くほどロナウドに似た経歴の持ち主で、まさにR9を彷彿とさせる選手なのである。
ロナウド同様、ヴィトールは10代ながらクルゼイロで華々しいデビューを飾り、16歳で初ゴールを決めた。特徴も似ている。直線的だがクライフ・ターンやシザーズ、鋭い切りこみを自分なりに織り交ぜてパフォーマンスをすることができるのだ。ボールを奪われないための体幹の強さももっている。
だが、本当にロナウドに「なる」ことはできない。ではヴィトール・ロッキとは何者で、なぜバルセロナはヨーロッパ最高のチームのいくつかを負かして彼と契約することを喜んでいるのだろうか。






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