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【随時更新】ウクライナ情勢|ロシアの軍事侵攻でどうなる?スポーツ界に影響は?
Getty Imagesロシアがウクライナに軍事侵攻
2022年2月24日、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が開始された。
ウラジミール・プーチン大統領の命令により始まった軍事侵攻により各地で爆発や銃撃戦が起こっている。米『CNN』によると、25日中にもロシア軍が首都キエフに到達する見込みで、両国間でのさらなる対立が懸念される。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は声明で、民間人の犠牲者も出ていることを明かし、しばらく混乱は収まりそうにない。
本記事では、今回のウクライナ侵攻によるスポーツ界への影響、そしてサッカー関係者の最新コメント・談話を紹介していく。
(C)Getty Images【サッカー】シャフタールがユースコーチの死亡を確認
ウクライナの名門クラブであるシャフタール・ドネツクで、クラブスタッフが悲劇の死を遂げた。
シャフタールCEOのパルキン氏は同クラブのユースコーチが「ロシアの砲弾の破片」を受けたことで亡くなったと公表した。
「ロシアは、ウクライナに対して恐ろしく卑劣な軍事攻撃に出た。皆さん一人ひとり訪れたことがあり、いつも歓迎され、親戚や友人、知人がいる国だ。皆さんの中には、生まれた国であるという人もいるだろう。その国の人々が、今現在、ロシア軍のあらゆる種類の武器で破壊されている。あなた方は世界から追放されつつある」
「我々のスタッフが殺された。ロシアよ、ウクライナ人を殺しているんだ。この狂気を止めろ!」
「黙っていてはいけない。声を上げなければ! そうしなければ、一個人としての敗北だ。世界の歴史から消えることのない敗北なんだ。あなた方の一人ひとりが、犯した罪と責任を持つことになってしまう」
Getty Images【サッカー】ロシアと政治的関係の強い中国、プレミアリーグを放送せず
中国では、3月5~6日に開催されるイングランド・プレミアリーグを放送しないようだ。イギリス『BBC』が伝えている。
プレミアリーグは今週初め、2月24日からロシア軍による侵攻が始まったウクライナを支援することを表明。すでに各スタジアムではウクライナ国旗やロシアに反戦を訴えるメッセージボードなどが掲げられているが、さらに今週末の一戦では各チームの主将がウクライナカラーのアームバンドを着用する予定となっている。
『BBC』によると、ロシアと政治的な関係性の強い中国の放送局が今週末のプレミアリーグを国内で放送しないことをリーグ側に伝えたようだ。中国での同リーグの放映権は、昨年から『iQiyi Sports』により管理されている。
なお、中国では2019年に『CCTV』がアーセナル対マンチェスター・シティの放送を取り消した過去がある。当時、アーセナルに所属していたメスト・エジルがウイグル地区のイスラム教徒への迫害についてソーシャルメディアに投稿したことを受け、決定が下されていた。
プレミアリーグのCEOであるリチャード・マスターズ氏は、ウクライナへの侵攻を続けるロシアとの放映権の契約を停止したり、取り消す可能性があることを示唆している。
EA【サッカー】『FIFA 22』からロシア代表・ロシア全クラブを削除
EAスポーツは3月2日、サッカーゲーム『FIFA 22』からロシア代表チームとすべてのロシアクラブを削除することを発表した。
先週行われた同国のウクライナ侵攻は、世界中で怒りを呼び、多くのサッカークラブや選手が犠牲者への支援を表明している。そんな中、EAスポーツは、紛争が激化する中、平和を訴えるために、すべての製品から同国のチームを抹消する決断をした。
「EAスポーツは、ウクライナの人々と連帯し、サッカー界の多くの声と同様に、平和とウクライナへの侵攻の終結を訴えます」
Getty【サッカー】エヴァートン、ロシア3企業とのパートナーシップ停止
3月2日、今度はエヴァートンがロシア企業の『USM』、『Megafon』、『Yota』とのパートナーシップを一時的に停止したことを発表した。
先日、クラブと強い関係性を持つアリシェル・ウスマノフ氏がウクライナ侵攻を主導するロシアのウラディミール・プーチン大統領と親しい間柄であることから、EU内での資産が凍結。これを受けての決断となる。
エヴァートンは声明の中で「クラブは、ロシア企業のUSM、Megafon、Yotaとのすべての商業的スポンサーシップの合意を即座に停止することを発表する」と伝えた。
続けて「エヴァートンの全員がウクライナでの終息しない恐ろしい事態に衝撃を受け、悲しみに包まれている。この悲劇的な状況は即座に終焉すべきであり、これ以上の生命の損失は避けられるべきだ。エヴァートンの選手、コーチングスタッフ、関係者全員がヴィタリー・ミコレンコとその家族に全面的なサポートを提供し、これからもそうし続ける」と綴っている。
Getty Images【サッカー】ウクライナ出身2選手が死亡
ロシアのウクライナ侵攻により、ウクライナの2名のサッカー選手が死去した。
亡くなったのは、ウクライナクラブであるカルパティ・リヴィウのユースチームでゴールキーパーとしてプレーしたヴィタリー・サピロと、地方アマチュアクラブのホストメルでプレーしていたドゥミトゥロ・マルティネンコ。サピロは21歳、マルティネンコは25歳だった。
従軍していたサピロはキエフ近郊のロシア軍との戦闘で死亡。マルティネンコは母親と滞在していた自宅を爆撃されたことで命を落としたという。2人の死去により、ついにスポーツ界から犠牲者が出る結果となってしまった。
(C)Getty Images【サッカー】ロシアクラブが外国人選手との契約を一時停止
ロシア・プレミアリーグのクラスノダールは3月3日、外国人選手8人の契約の一時停止を発表した。また報道によれば、ポーランド代表MFグジェゴシュ・ クリホビアクとの契約は解消されたという。
クラスノダールは2日に、1月中旬に就任した元ノリッジ・シティのドイツ人指揮官ダニエル・ファルケ氏がロシア軍のウクライナ侵攻を受け退団。そして、その翌日にはワンデルソン(ブラジル)、MFカイオ(同)、エリック・ボートハイム(ノルウェー)、クリスティアン・ラミレス(エクアドル)、ジュニオール・アロンソ(パラグアイ)、ジョン・コルドバ(コロンビア)、ビクトル・クラション(スウェーデン)、レミ・カベラ(フランス)8人の申し出に応じ、契約の一時停止を認めたことを発表した。
Getty Images【サッカー】アディダスがロシアサッカー連合とのパートナーシップ停止
アディダスは、ロシアサッカー連合とのパートナーシップを停止を発表した。
同社は声明の中で「アディダスは即座にロシアサッカー連合とのパートナーシップを停止する」と発表している。
アディダスは、2009年からロシアの男女代表チームへキットの提供を開始。ワールドカップが開催された2018年には契約が更新され、今年の年末に現行契約が満了を迎える予定となっている。
Getty Images【サッカー】FIFAとUEFAがロシア代表&クラブチームの出場停止を発表
2月28日、国際オリンピック委員会(IOC)が全競技にわたってロシアとベラルーシの国際大会への出場停止を推奨したことを受け、FIFAはUEFAとの協議を経て、より重い措置を取る決定を下した。
両組織は共同声明の中で「FIFAとUEFAは本日、代表チームやクラブチームに関わらずすべてのロシアチームに対してFIFAとUEFAの主催大会への出場を今後の通知があるまで停止することを決定した」と発表した。
これを受け、ロシアサッカー連合はこの厳しい措置を不服とし、FIFAとUEFAを相手取って裁判を起こし、CASに処分撤回を求めることを発表している。
同連合は声明の中で法的措置に至った理由について「FIFAとUEFAが法的根拠を持たずして、ロシアチームを排除する決断に至ったと強く考えている」と綴り、両連盟からの決定に反発した。
「ロシアサッカー連合は我々の立場を明確にする権利も与えられず、守られるべき基本的な権利を侵害された。加えて、FIFAとUEFAは、ロシアを大会から完全に除外することを除き、他のオプションを検討することなく決断を下した」
Getty Images【サッカー】ベラルーシ代表&クラブにも中立地開催命じる
欧州サッカー連盟(UEFA)は、ベラルーシ代表と同国のクラブチームに対して制裁を科した。
3月3日、UEFAはベラルーシの代表チームとクラブチームに対して主催大会のホームゲームを中立地開催とし、さらに無観客で行うことを命じた。ベラルーシのアレクサンデル・ルカシェンコ大統領がロシアのウラディミール・プーチン大統領と非常に親しい中であり、今回のウクライナ侵攻の片棒を担いだとされることがこの制裁に至った理由のようだ。
Getty【サッカー】スパルタク・モスクワをELから排除
ロシア軍のウクライナ侵攻を受け、UEFAは国際サッカー連盟(FIFA)と共同して、ロシア代表チームと同国のクラブチームの主催大会への出場停止を決めた。
この措置により、ヨーロッパリーグでラウンド16に進出していたスパルタク・モスクワは、ライプツィヒとの戦いを行うことなく、大会を去ることとなった。
今回の措置についてクラブは「UEFAとFIFAは我々をヨーロッパリーグから排除する決定を下した。これは我々のラウンド16RBライプツィヒ戦が予定通りに行われないことを意味する」と綴り、この決定への失望をあらわにしている。
Getty/Goal【サッカー】FIFAがロシアへ「国名、国旗、国歌」使用禁止措置
FIFA(国際サッカー連盟)は2月27日に、ロシアの「国名、国旗、国歌」を使用禁止とする声明を発表した。
「ホームゲームは中立地で観客なしで行われ、国際試合をロシア領内で開催しない。ロシアを代表する組織のメンバーは“ロシア”ではなく“フットボール・ユニオン・オブ・ロシア”の名前で大会に参加する。フットボール・ユニオン・オブ・ロシアが参加する試合での国旗と国歌の使用を禁止する」
なお、FIFAに対しては、各国の連盟からロシア代表のワールドカップ出場資格を取り消すように求める声も上がっている。
Getty Images【サッカー】チェルシーのロシア人オーナーが管理・運営を手放すと発表
チェルシーのロシア人オーナーであるロマン・アブラモヴィッチ氏が2月26日に声明を発表。オーナーとして残るとしつつも、管理・運営はチェルシー・チャリタブル・ファウンデイションへ委ねることになるという。
「20年近くチェルシーのオーナーを務めてきた中で、私は常に自分の役割を管理者だと捉えてきた。地域社会の中で積極的な役割を果たして将来へ向けた構築をしつつ、クラブが今日できる最大限の成功を確実にさせることが仕事であった」
「常にクラブの利益を第一に考えて決断をしてきた。この価値観は今も変わらない。だからこそ今日、チェルシー・チャリタブル・ファウンデイションの評議委員会へ管理・運営を委ねることにした。クラブ、選手、スタッフ、そしてファンの利益を守るため、今の形が最適だと考える」
Getty Images【サッカー】W杯欧州予選プレーオフでロシアとの対戦を拒否
ポーランド、スウェーデン、チェコのサッカー協会は2月24日、連名でカタールW杯欧州予選のロシア開催反対の声明を発表した。
共同声明では「プレーオフの試合はロシアの領土で行われるべきではないという確固たる立場を表明する。軍事的拡大は深刻な結果と、われわれのサッカー代表チームと代表団の安全レベルを著しく低下させる」と語っている。
さらに、ポーランドとスウェーデンは26日にロシアとの対戦をボイコットすると表明。2国に続く形でチェコも「中立地であったとしてもロシア代表と試合するのが不可能」と声明を発表した。
W杯欧州予選プレーオフは、3つのパスに分かれており、ロシアと同居するのがポーランド、スウェーデン、チェコだ。同パスではロシアホームでの試合開催が予定されている。
Getty【サッカー】イングランド代表もロシアとの試合を拒否
FA(フットボール・アソシエーション)は、イングランド代表が当面の間、ロシア代表との試合に出場しないことを発表した。
欧州予選プレーオフでロシアと対戦予定のポーランドが試合拒否を表明。イングランド代表はすでにW杯出場権を獲得しているものの、ウクライナでの「残虐行為」を非難する形で、ロシアとの試合拒否を表明した。
「ウクライナとの連帯のため、そしてロシア指導者による残虐行為を心から非難するため、FAは当面の間、いかなる国際試合でもロシアと対戦しない。これには、シニアエイジグループやパラサッカーのどのレベルの試合でも適用される」
Getty Images【サッカー】フランスサッカー連盟会長がW杯でのロシア除外を提案
フランスサッカー連盟(FFF)のノエル・ル・グラエ会長は、ロシア代表をワールドカップから除外することを提案した。
ル・グラエ会長が『ル・パリジャン』に対して「他の連盟とはまだ協議していないことだが、私の中では次のワールドカップからロシアを除外することに傾いている。これが私がとっさに思ったことだ」と主張。
さらに「通常、スポーツは人々を仲裁し、緊張を和らげるものだと信じている。しかし、今回のは度が超え過ぎている。スポーツ界、特にフットボール界では、今回の場合中立の立場を保つことはできない。私はロシアの除外に絶対に反対しない」と自身の考えを強調している。
Getty【サッカー】CL決勝の開催地がフランスに
2022年5月28日にロシアで予定されているチャンピオンズリーグ決勝の開催地がロシア・サンクトペテルブルクからフランス・パリへ変更された。欧州サッカー連盟(UEFA)が2月25日、正式に発表している。
チャンピオンズリーグ決勝は当初、ロシア・サンクトペテルブルクにあるガスプロム・アレナで予定されていたが、2月24日にロシアによるウクライナ侵攻が始まったことを受け、UEFAは25日より臨時会合を開催。その結果、CL決勝の開催地はパリのスタッド・ドゥ・フランスに変更となった。5月28日、現地時間21時キックオフの日程に変更はない。
なお、UEFA大会に出場するロシアとウクライナのクラブおよび代表チームは、さらなる通知があるまでホームマッチは中立の会場で実施することが決まっている。
Getty Images【サッカー】ウクライナ国内リーグは再開中止
ウクライナ・プレミアリーグは2月24日、当面の間リーグ戦を開催しないことを発表した。
同リーグは冬の中断を経て2月25日のFKミナイvsゾリャ戦から再開予定だったが、ロシアの軍事侵攻による影響で当面の間の開催を断念することになった。
Getty & Man Utd【サッカー】マンチェスター・U、ロシア航空会社との契約を解消
マンチェスター・ユナイテッドは、ロシア企業の『アエロフロート』との契約を解消したことを発表した。
2013年にスポンサーシップを結んだマンチェスター・Uとロシアの連邦機関が筆頭株主である航空会社『アエロフロート』。2017年には4000万ポンド(約62億円)とされる額で契約延長を行ったが、2月24日から始まったロシア軍のウクライナ侵攻を受け、関係を終了することになった。
イギリスのボリス・ジョンソン首相が同社の国内への乗り入れを禁止したことを受け、マンチェスター・Uは25日に声明の中で「ウクライナでの現状を受け、私たちはアエロフロートのスポンサーシップ権を取り消した。私たちは世界中のファンと同様に懸念し、影響を受ける人たちと気持ちを共有している」と発表した。
Getty Images【サッカー】シャルケはロシア企業との契約を解消
ドイツ・ブンデスリーガ2部に所属するシャルケは、ユニフォームメインスポンサーであるロシア企業『ガスプロム』がのロゴを取り除くことを発表した。
クラブは2月24日に発表した声明で「ここ数日間の状況を受け、FCシャルケ04は、ユニフォームからメインスポンサーの“Gazprom”の文字を取り除くことを決めた。ガスプロム・ゲルマニアとの協議の後に下された決定だ」と理由を説明した。
今後については「“Schalke 04”がロイヤル・ブルーの胸に入ることになる」と伝えている。
さらにクラブは28日、公式ウェブサイト上の声明で執行役員会が『ガスプロム』との「パートナーシップを早期に打ち切る決断を下しました」と発表。「この決断はクラブの財政力に影響を及ぼすことはありません。クラブ幹部は近々に新たなパートナーを紹介できることに前向きです」とも伝えている。
Getty Images【F1】ロシアGPの開催中止を発表
F1は25日、2022年9月23日~25日に開催予定だったロシアGPについて、中止とすることを発表した。
ロシアは現在、軍によるウクライナ侵攻を行っており、世界中から避難の声が上がっている。
中止に至った理由としてF1は「(2月)24日の夕方、F1と各チームは方向性について協議した。すべての関係者が現在の状況ではロシアGPの開催が不可能であるという結論に至った」と説明している。
その上で「F1世界選手権は、人々を団結させ、国々を結びつけるという前向きなビジョンを持って、世界中の国々を訪問している。我々は現在ウクライナで起こっていることに深い悲しみとショックを受けており、迅速かつ平和的な解決を望んでいる」と述べている。
【ラグビー】欧州選手権一部試合が開催中止に
ラグビーではジョージアで2月27日に開催予定だった、欧州選手権ジョージアvsロシアの延期が決定した。
【スキー】ロシア開催のW杯はすべて中止
国際スキー連盟は2月25日、3月後半に開催予定だったノルディックスキー・ジャンプ女子の2大会、ロシアで予定していた残りのW杯をすべて中止とし、代替地開催を検討すると発表した。
【クライミング】W杯開催地変更を発表
国際スポーツクライミング連盟(IFSC)は、2022年4月1日から3日にモスクワで開催予定だった、IFSCワールドカップ ボルダリング&スピードの開催地変更を発表した。
IFSCのマルコ・スコラリス会長は「ウクライナでの紛争が迅速かつ平和的に終結することを望んでいる」とコメントしている。
IOCはロシアとベラルーシを糾弾
国際オリンピック委員会(IOC)は2月25日、ロシアならびに侵攻拠点の一つとなったベラルーシで予定されていた国際競技大会の中止、または代替地での開催を求めると発表した。さらにIOCは国際大会において両国の国旗や国歌を使用しないことも求めている。
IOCはロシア軍によるウクライナ侵攻について、北京オリンピック・パラリンピック期間中の休戦決議に違反すると主張。24日の声明で「IOCはロシア政府による五輪休戦違反を強く非難する」と非難していた。
休戦期間は、オリンピック開幕の7日前からパラリンピック終了の7日後までとされていた。
Getty Imagesオレクサンドル・ジンチェンコ
マンチェスター・シティ(イングランド)/ウクライナ代表サッカー選手
「英国時間で真夜中に妻が泣きながら僕のことを起こしたんだ。ウクライナで何が起こっているかをビデオや写真で教えてくれた。とてもチョックだったよ。一番似ている感覚は、身近な人の死じゃないかな。この感覚は、心の中がとても嫌な気分になる。今までで最もひどいものだったよ」
「もうただ泣いているだけだよ。一週間も経っているからちゃんと回数を覚えているわけではないけれど、練習場に向かう車の中とか、どこでもいいから何もないところで泣いている」
「想像してほしい。生まれた故郷、自分が育った街。そしてそこが何もない荒地になっていることを」
(C)Getty Imagesアンドリー・シェフチェンコ
元ウクライナ代表|サッカー指導者
「2月24日から毎日毎晩、このことだけを考え続けている。どうすれば私の母国と同胞たちを救えるのか、どうすればこの戦闘を可能な限り早く止められるのか。どうすれば資金を集められるのか、どうすればウクライナの悲劇的な情報を絶えず世界へ伝えることができるのかとね」
「8日前まで、侵攻が始まらないことを願っていた。ところが、キエフやマリウポリ、スムイやハリコフといった街が包囲されている。人々は子どもも含めて地下へ避難して暮らしている。常にミサイル攻撃におびえながら、日常生活がままならない。言葉では描写しきれない状況だ。ウクライナは平和だけを求め、自由を守ろうとしている。寄付金が必要だ」
「非人道的なことが起きている。伝えることを止めてはならない。(ウクライナの人々は)どんな時も国際社会から支援があることを感じている必要がある。私は国のために必要なあらゆることをするつもりだ。状況を理解した上で、スポーツ界も含め外交団と話ができるよう模索している。また避難民のための資金や食料、医療品なども集め、赤十字と協力していきたい。スポーツにはとてつもない力がある。世界を変えることができるはずだ」
イタリア紙『レプブリカ』のインタビューより
Getty Imagesアンドリー・ヴォロニン
ウクライナ出身元選手|現サッカー指導者
ディナモ・モスクワでアシスタントコーチを務める元ウクライナ代表のアンドリー・ヴォロニン氏が、契約解除に至ったことを明かしている。
「私の故郷を爆撃する国でこれ以上働くことはできない」
「完全に閉鎖される前にモスクワから出てきた。父や義母、妻、子供たちとここにいる。この4日間体調がすぐれない。本当に悪い気分だ。故郷の写真やニュースを目にした。すべてが映画のように非現実的だ。それもホラー映画だ。今はただ助けを望んでいる。何でもいい。それに何と言っていいのかわからないけど、もし今ウクライナに居ればこの手に銃を持っていたと思う」
「あのク●野郎プーチン(露大統領)を止め、難民を助けてほしい。それに武器だ。武器があれば私たちは自分たちを守ることができる。私には母国への誇りがある。私たちには美しい街があり、最高の人たちがいる。これからも戦い続ける。そして勝利するんだ。代償はとても高く付く。たくさんの命が失われた。今は2022年で、第二次世界大戦中ではないんだ」
ドイツ『ビルト』より
Gettyミルチェア・ルチェスク
ディナモ・キエフ指揮官|サッカー指導者
キエフから脱出し、母国ルーマニア・ブカレストへ非難したルチェスク氏が当時の状況を振り返っている。
「検問があり、極めて厳しい17時間だった。道路は街から逃げ出そうとする車で渋滞し、時速7キロほどでしか進めなかった。キエフから抜けると、軍用車も見かけた。ようやくモルドバとの国境へたどり着くと、車列は無限に続いていた。あそこでは痛ましいシーンも目にした。男性たちは、女性や子どもたちが国境まで送り届け、無事に通過する姿を確認した上で、来た道を戻っていったんだ」
「これからウクライナの若者たちのために何か行動を起こさなければならない。家族や幼い子どもたちを抱えていて、国外へ逃げられない者たちもいる。誰もこのような悲劇は想像していなかった。まずは平和を考え、それからサッカーについて考えるべきだ」
イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』より
Gettyトーマス・トゥヘル
チェルシー指揮官|サッカー指導者
記者からオーナーのアブラモヴィッチ氏がロシアとウクライナの和平交渉の仲介役を依頼されたとの報道について問われたトゥヘル監督は、自身の思いを語っている。
「聞いて、聞いてくれ。やめてくれよ。私は政治家ではない。もうやめるんだ。私は戦争を経験したことがない。こういったことを言うのは申し訳ないとさえ思うんだ。私はとても恵まれているし、話すことさえ申し訳ない」
「私は平和な状況下でここに座り、できる限りのことをしている。だが、こんな質問はやめてほしい。私には何も答えられないんだ」
Getty Imagesデイヴィッド・モイーズ
ウェスト・ハム指揮官|サッカー指導者
ウクライナ出身のアンドリー・ヤルモレンコについて。
「彼が大丈夫そうなら、彼はチームと一緒に遠征する。しかし、まだ時間が必要そうなら、さらに数日間の休養を与える。状況は日々変わっている。状況はとても早く変化しているが、我々は彼の気持ちに任せている。彼にはたくさんの家族と友人がウクライナに居て、彼らのことを心配している。彼は困難な状況であることを実感しているし、遠く離れていて、何もできない状況だ」
「すべての国、すべての大陸がプレミアリーグやチャンピオンズリーグを見ている。だから、我々が行動に出て、ロシアを完全に孤立させることはとても重要なことだと思う。私は政治家ではないが、フットボール関係者としてこのように感じている」
Getty Imagesマッテオ・ペッシーナ
アタランタ(イタリア)|イタリア代表サッカー選手
ウクライナ代表MFマリノフスキーとロシア代表FWミランチュクの同僚であるペッシーナがSNSを更新。2人の友情を強調しつつ、平和を願った。
「サッカー選手が“戦争反対”という言葉を発信しても、ごくありふれたことかもしれない。“戦争は間違っている”という言葉も、ありふれているかもしれない。だが本当にありふれたことだとしたら、2022年になって、みんなが一斉にこの言葉を強調することにはならなかったはずだ。数日前から考え続けているが、僕には答えが分からない。ここ2年間にわたってみんなが苦しみを味わってきたはずなのに、なぜ起きてしまったのだろうか?」
「僕らのロッカールームには、両国出身のルスランとアレクセイがいる。“マリ(ノフスキー)”は内気で優しいが、強い気持ちもある。“ミラ(ンチュク)”はおとなしく、飾り気のない性格で、僕が知っている中でも一番良い人かもしれない。僕と非常に似通った情熱も持っている」
「先日、軍事侵攻という狂気の沙汰が行われ、ロシアとウクライナが敵対した。そんな中、2人はジンゴニア(アタランタの練習拠点)でハグし合ったんだ。僕らも2人に寄り添い、これからも1つの大きな家族として、この難しい局面の中で支え続ける。人間の狂気が引き裂こうとしているものを、再び結びつけるのがカルチョなんだ。ウクライナでの“戦争”には反対する!」
Getty Imagesルカ・モドリッチ
レアル・マドリー(スペイン)|クロアチア代表サッカー選手
幼い頃、旧ユーゴスラビアのザダール郊外にあるヤセニッツェで暮らしていたモドリッチは、1991年に発生したクロアチア独立紛争に巻き込まれる。祖父を殺害され、一時難民として生活するなど、辛い時代を過ごした過去がある。
「僕は戦時中に育ったけど、誰にもそうなってほしくない。罪のない人々が死んでいくのはバカげている。やめなければならない。僕らは平和に暮らしたいんだ」
Getty Imagesヴォイチェフ・シュチェスニー
ユヴェントス(イタリア)|ポーランド代表サッカー選手
「僕の妻はウクライナで生まれ、僕の息子もその血を引いていて、一部の家族はまだウクライナに留まっている。たくさんの同僚がウクライナ人であり、彼らはみんな最高の人たちだ」
「彼らの苦しむ姿や恐怖を目にしたことで、僕はもう我慢できない、何も起きていないふりをすることはもうできないと実感した。(ウラディミール)プーチンがウクライナ侵攻を命じたことは、ウクライナだけではなくヨーロッパが示すすべての価値に対しての宣戦布告だ」
「3月に僕たちはワールドカップのプレーオフでロシアと対戦する予定だ。でも、僕の良心は僕をプレーさせることを許さない。ロシアの価値と理念を代表することを選ぶ選手を相手にプレーすることを拒否する!母国のユニフォームをまとってあのピッチに立つこと、ロシアの国歌を耳にすることを拒否する!ロシア政府の動きを正当化するスポーツイベントに出場することを拒否する。ロシア連邦への措置を講じ、彼らの取った行動の責任を果たすことをFIFAとUEFAに求めたい」
Gettyオレフ・ルズニー
元ウクライナ代表|サッカー指導者
「現状は本当に恐ろしいものだ。私はコーチをするためにイギリスに行きたいが、その前に私はこの国の人々、私の祖国、そして民主主義のために立ち上がり、戦うことになる」
「みんながこれがすぐさま終わることを望んでいる一方で、罪のない命が失われ、家族がバラバラになっている。この国は何のために侵略され、壊されているんだ?私たちは一つになって立ち上がり、この犯罪的な戦争行為を終わらせる必要がある」
イギリス『スカイスポーツ』より
ウクライナでプレーするブラジル出身選手がメッセージ
ウクライナのシャフタール・ドネツク、ディナモ・キエフでプレーするブラジル出身選手が、母国ブラジル政府へ助けを求める動画メッセージを投稿している。
「私たちはここに集まっています。私たちはディナモとシャフタールの家族と一緒にです。今はホテルに閉じ込められて待っています。このビデオを通してあなたの助けを求めます。都市には燃料がありません。国境は閉鎖され、空港は閉鎖されています。国を離れることはできません。ブラジル政府の支援をお願いします。できるだけ多くの人に届くように、この動画を宣伝してください」
Getty Imagesジュニオール・モラエス
シャフタール・ドネツク(ウクライナ)|ウクライナ代表サッカー選手
「我々のために祈り続けてほしい」
Getty Imagesロベルト・デ・ゼルビ
シャフタール・ドネツク(ウクライナ)監督/サッカー指導者
「部屋の中にいるよ。連盟から中断の連絡を受けるまで待っていたらこうなってしまった。私はスポーツをするためにここにいる。だから動かなかったんだ。ファンに対して背を向けることはできなかった。ここには13人のブラジル人選手と私のスタッフがいる。帰国することもできたが、私たちは待つことを優先した。昨夜は爆発の音で目が覚めたよ」
「ウクライナ人選手たちが真の犠牲者だ。我々はここを離れるが、彼らはここに残り、この現状に直接向き合わなければならない。私はそれが非常に心苦しい。それに自分の息子と同じくらいの年齢の子が、こういった出来事に翻弄される姿を見なければならないのもつらい」
「ウクライナ人は自由を守っており、自由を守る者は有利である。もちろん、武器の潜在能力の差はすべてを左右する。私が見た限りでは、彼らは続けられるだろう。ボクシングのチャンピオン(キエフ市長、ヴィタリ・クリチコ)が戦い始め、幼い娘を持つ私の若い倉庫作業員は、戦うためにライフルを構えた。彼らは本当にタフだ」
イタリア『スカイスポーツ』、『ラジオ105』より
Gettyペップ・グアルディオラ
マンチェスター・シティ指揮官|サッカー指導者
ウクライナ出身のジンチェンコについて
「オレクスは信じられないほど強く、本当に素晴らしい男だ。もちろん、いまは簡単な状況ではないが、彼はトレーニングで素晴らしかった。だから必要に応じてプレーする準備はできている。クラブは彼をサポートし続ける」
Getty Imagesラルフ・ラングニック
マンチェスター・ユナイテッド指揮官|サッカー指導者
「この状況は非常に悲しいものだ。みんなが同様のことを考えていると思う。ヨーロッパでこのようなことが起きているなんて信じられないような状況。これは人災だ」
「私が言える限りでロシアとモスクワは依然として安全のようだが、非常に悲しいこの状況は何も変わらない。朝晩にテレビを見ていたが、いまだに信じられないものだった。ひどい状況で、世界中の政治家がこの状況を収束してくれることを強く願っている」
2月25日のプレスカンファレンスにて
Gettyルスラン・マリノフスキー
アタランタ(イタリア)/ウクライナ代表サッカー選手
UEFAヨーロッパリーグのオリンピアコス戦(3-0)で2ゴールをマークした、ウクライナ出身のマリノフスキー。ゴールセレブレーションで「No War Ukraine」と書かれたパフォーマンスを披露した。
Getty Imagesロマン・ヤレムチュク
ベンフィカ(ポルトガル)/ウクライナ代表サッカー選手
「僕はウクライナ人であり、そのことを誇りに思っている。母国から何千キロも離れているから、母国で緊張している人たちを応援したい。これは僕たちの国、歴史、文化、人々、そして国境だ。防衛者たちの勇気に感謝したい。ウクライナに栄光あれ」
Getty Imagesフョードル・スモロフ
ディナモ・モスクワ(ロシア)/ロシア代表サッカー選手
ディナモ・モスクワでプレーするロシア代表FWフョードル・スモロフは自国の行動を非難。SNSで「No war!!!」と記した。
Getty本田圭佑
元日本代表|サッカー選手、監督
2010年から13年までロシアのCSKAモスクワでプレーしていた本田圭佑は、Twitterで「戦争が始まった」と投稿。ウクライナ侵攻について自身の見解を伝えている。
「プーチン大統領の記者会見を見たけど、もうウクライナがNATOへの参加拒否するしかないなという感想。 僕が知ってるロシアのリーダーってのはここからの交渉は一切通用しない。『解決のために窓口は開いてる』というのはウクライナがNATOへ参加しないという1択しか受け付けない窓口やと思ってる」
(C)Getty images三木谷浩史
J1リーグ・ヴィッセル神戸 代表取締役会長
「ウクライナのザランスキー大統領とキエフにて取った写真です。美しく平和で民主的な国が、このようなことになるとは、本当に心が痛む。日本政府も毅然とした態度を取ってもらいたい」
ウクライナ代表との2ショットを添えてTwitterに投稿
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