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A・サントス、コビー・メイヌー…プレミアでブレイクが期待されるティーンエイジャーたち

プレミアリーグの楽しみのひとつは毎年、若い選手たちが躍動して、ほとんど一夜にしてチームの主役となるのを見ることである。生え抜きであろうとなかろうと、10代の選手がトップチームに衝撃を与えるのを見れば、いつだってファンは興奮するものだ。2023-24シーズン開幕を前に、頭角を現そうとする才能ある若手は大勢いる。

2022-23シーズンの開幕前、GOALは同じようなリストを作った。その後の9カ月間で、アレハンドロ・ガルナチョ、エヴァン・ファーガソン、ロメオ・ラヴィア、レヴィ・コルウィル、ステファン・バイチェティッチ、フリオ・エンシソといった選手たちが頭角を現したのである。では今回、同じように活躍できそうな選手は誰だろうか。

以下に名前が挙がるのは、2004年以降に生まれ、これまでのプレミアリーグの出場が15試合以下の選手たちのみである。2023-24シーズン、イングランドのトップリーグで躍進が期待される10代選手たちを紹介する。

  • Facundo Buonanotte Brighton 2023-24Getty Images

    ファクンド・ブオナノッテ(ブライトン)

    このリストの選手のなかで最もプレミアリーグの出場試合数が多いのはファクンド・ブオナノッテだ。昨シーズンはブライトンのトップチームで13試合に出場した。ノッティンガム・フォレスト戦ではチームは負けたが、彼自身ゴールも決めている。

    シーガルズは1月、この18歳の選手をアルゼンチンのロサリオ・セントラルから南海岸に連れてくるのに約600万ポンド(約10億円)を支払った。彼は、ロベルト・デ・ゼルビ監督のもとで、ファーガソンやエンシソにつづいて活躍することが望まれている。

    攻撃的ミッドフィルダーだが、もっと前でプレーすることもできる選手で、同じくブライトンに所属していた同郷のアレクシス・マクアリスターと比較されてきた。いずれ先発メンバーとして長くその代わりが務められることが期待される。

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  • Youssef Chermiti Sporting CP 2023-24Getty Images

    ユセフ・シェルミティ(エヴァートン)

    ユセフ・シェルミティは、新シーズン開幕まで数日というところでエヴァートンに加入した、プレミアリーグ初見参の選手である。トフィーズはこの19歳の若者をスポルティングCPから呼び寄せるために1300万ポンド(約23億円)を支払うことに同意した。

    体格のよいストライカーだが、体に似合わぬ繊細さを持ち合わせている。昨シーズンのプリメイラ・リーガで3得点をあげ、ショーン・ダイシ監督率いるエヴァートンに、ドミニク・キャルバート=ルーウィンのバックアップメンバーとしてやってきた。だが、キャルバート=ルーウィンがケガがちということもあり、シェルミティにはシーズン中、活躍の場が数多く与えられるであろう。

  • Bobby Clark Liverpool 2023-24Getty Images

    ボビー・クラーク(リヴァプール)

    ニューカッスルの元ミッドフィルダー、リー・クラークの息子であるボビー・クラークは、2021年にマグパイズからリヴァプールに加入。マージーサイドに来て以来、素晴らしい進化をつづけている。2022年8月にトップチームのデビューを果たしているが、この18歳がこれまでプレミアリーグに出場したのは1試合のみ。ボーンマスに9対0で勝った試合に少しだけ出ただけである。

    クラークは精力的なセントラル・ミッドフィルダーで、プレシーズンにはユルゲン・クロップ監督から活躍の場を与えられている。レッズは中盤の選手の再教育をつづけており、バイチェティッチにつづいてシーズンを通してチームに希望をもたらす選手となるだろう。

  • Amario Cozier-Duberry Arsenal 2022-23Getty Images

    アマリオ・コジアー=デュベリー(アーセナル)

    昨シーズンにFAユースカップを勝ち進んだアーセナルのスターのひとりであるコジアー=デュベリーの活躍は、ミケル・アルテタ監督の視線を確実にとらえ、10代ながらもシーズン中、6度にわたって試合のメンバー入りを果たしている。

    18歳のコジアー=デュベリーはまだトップチーム所属ではないが、ウイングというポジションからブカヨ・サカと比べられる存在となっている。数年後には、イングランドのスターであるサカのバックアップとして一番に名前のあがる存在になると期待する声も出ているほどだ。

  • Alfie Devine Tottenham 2023-24Getty Images

    アルフィー・ディヴァイン(トッテナム)

    トッテナムのトップチームで得点した最年少選手。FAカップでプレミアリーグ所属ではないマリンとの勝ち試合で得点をあげてから30カ月以上が過ぎたが、いまだにプレミアリーグのデビューは果たしていない。

    この19歳のミッドフィルダーは、既に試合のメンバーに幾度か選ばれており、プレシーズンにはアンジェ・ポステコグルー監督を驚嘆させるチャンスも与えられている。2022年のU-19欧州選手権ではイングランド代表の優勝に貢献。レンタル移籍に出される可能性もあるが、いずれトップチームのレギュラーとなる才能があるのは間違いない。

  • Ben Doak Liverpool 2023-24Getty Images

    ベン・ドーク(リヴァプール)

    ベン・ドークは、公式戦であろうとプレシーズンの試合であろうと、出場したすべてのトップチームの試合でリヴァプールのファンを魅了している。このスコットランド出身の10代は、今後の数カ月でクロップ監督のチームで役割を与えられるチャンスを得るだろう。

    2022年の夏にセルティックから加入したドークは、アンフィールドでの最初の年に、ユースでもトップでも積極的で恐れ知らずなプレーを見せて活躍した。まだ17歳で、チーム内の序列ではモハメド・サラーやルイス・ディアスのような選手たちの壁があるが、23-24シーズンに多くのチャンスを与えられたとしても驚きではない。

  • Matheus Franca Flamengo 2023Getty Images

    マテウス・フランサ(クリスタル・パレス)

    シーズン最終盤の移籍市場でのサプライズのひとつ。クリスタル・パレスは8月初旬、ブラジル出身のワンダーキッド、マテウス・フランサと契約した。フラメンゴに1700万ポンド(約31億円)を払って、この19歳のミッドフィルダーをイングランドに連れてきたのである。

    フランサにとってプレミアリーグへの移籍は必然だったと思われる。1月にニューカッスルには拒否されたが、チェルシーはこの夏の初めに契約交渉をしていた。最終的に、レアル・マドリーやマンチェスター・シティも興味を示していた選手の獲得競争を制したのはパレスであった。

  • Luke Harris Fulham 2023-24Getty Images

    ルーク・ハリス(フラム)

    ルーク・ハリスは、過去2シーズンでプレミアリーグ2の35試合に出場し、25得点をあげた。この記録は、完全なストライカーというよりはミッドフィルダーとしてのもの。その点において特にシニアレベルにステップアップする準備が確実に出来ていると言える。

    この18歳は昨シーズン、マルコ・シウバ監督率いるトップチームで3試合に出場。すでにウェールズのフル代表にも呼ばれている。ただ、報道によると移籍市場が閉まる前にレンタル移籍に出される可能性が高そうだ。

  • Omari Kellyman Aston Villa 2023-24Getty Images

    オマリ・ケリーマン(アストン・ヴィラ)

    アストン・ヴィラは2022年の夏、ダービー・カウンティに約60万ポンド(約1億1000万円)を払ってオマリ・ケリーマンと契約した。ダービー・カウンティのチームに名を連ねたこともあった選手で、今やヴィラ・パークのトップチームでレギュラーになる可能性がある。

    この17歳のミッドフィルダーはヴィラのプレシーズンのアメリカツアーでウナイ・エメリ監督のチームに名前を連ね、活躍した。ニューカッスル戦ではエミリアーノ・ブエンディアの得点のアシストまで決めている。

    北アイルランドのユース代表であるケリーマンは、国籍を変えてイングランド代表になろうとしており、いずれヴィラのアカデミー出身でスリー・ライオンズに招集された選手たちのリストに加わることが期待されている。

  • Kobbie Mainoo Manchester United 2023-24Getty Images

    コビー・メイヌー(マンチェスター・ユナイテッド)

    2022年、FAユースカップ優勝チームの最年少選手のひとりとなって注目を浴びて以来、マンチェスター・ユナイテッドのコビー・メイヌー周辺は興奮が渦巻いている。今シーズンは、より多くのチャンスを得られるようになることだろう。

    この18歳のミッドフィルダーは、冷静さとパス出しの能力に秀でており、今シーズンついに活躍のチャンスを得るはずだった。しかし、プレシーズンで負傷してしまい、シーズン最初の数カ月を棒に振ることとなってしまっている。

  • Lewis Miley Newcastle 2023-24Getty Images

    ルイス・マイリー(ニューカッスル)

    21シーズンぶりにチャンピオンズリーグ復帰となるニューカッスルには、ファンを興奮させる要素が数多くある。いくつかの高額契約をして、セント・ジェームズ・パークにヨーロッパのエリート・チームを迎える準備をしているのだ。

    だが、北東地域のプレシーズンの話題のひとつは17歳のルイス・マイリーのパフォーマンスである。トップチームでの出場経験は14分しかないにもかかわらず、エディ・ハウ監督のチームにいても違和感がない選手なのだ。

    この攻撃的ミッドフィルダーはニューカッスルの親善試合で活躍し、複数のチャンピオンシップ所属クラブからレンタル移籍についての問い合わせを受けた。だが、ハウ監督はトップチームのより多くの試合で起用すべく、レンタルには出さない意向と伝えられている。

  • Diego Moreira Chelsea 2023-24Getty Images

    ディエゴ・モレイラ(チェルシー)

    チェルシーは今夏、才能ある10代を探しているかのようだったが、ベンフィカからフリーでディエゴ・モレイラを獲得するというのはややノーマークだった。

    このウイングは2022年のUEFAユースリーグで優勝したポルトガル代表の中心選手だったが、リスポンに拠点を置くベンフィカのトップチームに入るのは大変だったようだ。それでも、将来は母国のフル代表に選出されるとみなされている。

    19歳のモレイラは、新しく姉妹クラブとなったストラスブールにレンタル移籍される可能性は高いものの、マウリシオ・ポチェッティーノ監督がそばに置いておくことを選択すれば、スタンフォード・ブリッジでトップチームの一員となる能力をもっていることは確かだ。

  • Divin Mubama West Ham 2023-24Getty Images

    ディヴィン・ムバマ(ウェストハム)

    このリストに載るすべての選手のなかで、シーズン開幕日から活躍できる最高のチャンスをもっているのは、おそらくディヴィン・ムバマだろう。彼はプレシーズン中にウェストハムのチームで役割を担う準備ができていることを示している。

    この18歳のストライカーは昨シーズン、アイアンズことウェストハムが優勝したFAユースカップで、8得点をあげて得点王となった。プレミアリーグでもすでに3試合に出場し、トップチームでの初めての得点はウェストハムが優勝したカンファレンスリーグでのゴールだった。

    身体が強く、フィジカル面ではトップチームでプレーする準備ができている。マイケル・アントニオが怪しまれ、ジャンルカ・スカマッカがロンドン・スタジアムから離れた中で、10代のムバマはデイヴィッド・モイーズ監督によってシーズン開幕日に先発メンバーに選ばれる可能性すらある。

  • Ethan Nwaneri Arsenal 2023-24Getty Images

    イーサン・ヌワネリ(アーセナル)

    イーサン・ヌワネリは昨年9月、プレミアリーグ史上最年少の出場選手となって、ニュースのヘッドラインに載った。ブレントフォード戦に途中出場し、わずか15歳でアーセナルでのデビューを飾ったのである。これまでのところ、トップチームに出場したのはこの試合だけではあるが。

    それにもかかわらず、ガナーズはマンチェスター・シティやチェルシーとの競争を未然に防ぐことができた。ヌワネリは自分の未来をアーセナルに託すよう説得され、17歳になる来年3月にプロ契約を交わすことになりそうだ。

    それまで、この若きフォワードは再びミケル・アルテタ監督の目を引くような活躍をし、次の10年にサッカー界のトップとなる方向に向かえる能力をもっていることを示すことだろう。

  • Ashley Phillips Blackburn Rovers 2022-23Getty Images

    アシュリー・フィリップス(トッテナム)

    イングランドの10代で最高のセンターバックのひとりとみなされているアシュリー・フィリップスは、この夏、ブラックバーン・ローヴァーズとの契約にあった200万ポンド(約3億6600万円)の契約解除条項を発動させ、トッテナムに加入した。

    この18歳はイーウッド・パークでトップチームの試合に14試合出場した後、北部ロンドンにやってきた。すぐに先発できるほどの期待はできないものの、シーズンが進むにつれてアンジェ・ポステコグルー監督のチームに必要となるかもしれない。

  • Andrey Santos Chelsea 2023-24Getty Images

    アンドレイ・サントス(チェルシー)

    チェルシーにいる才能ある10代の多くは、移籍市場が閉まる前にレンタル移籍で送り出されがちだ。それに対し、アンドレイ・サントスはスタンフォード・ブリッジに残って、遅かれ早かれトップチームに躍進していく才能があると期待されている。

    ブルーズは1月、ヴァスコ・ダ・ガマに1300万ポンド(約23億円)を支払って、このミッドフィルダーと契約したが、就労許可の関係で6カ月間ブラジルにレンタルで戻ることを余儀なくされた。それでも今や、この19歳は、スタンフォード・ブリッジで活躍する準備ができている。

    サントスは守備的ミッドフィルダーと思われているが、ピッチを上下するだけでなく、得点を決める能力も示している。すでにトップレベルで49試合に出場しており、フィジカルの強さが求められるプレミアリーグに慣れるのに、多くの時間は必要としないだろう。

  • Ollie Scarles West Ham 2023-24Getty Images

    オリバー・スカールズ(ウェストハム)

    昨シーズンのFAユースカップで優勝したウェストハムのひとりであるオリバー・スカールズは、ロンドン・スタジアムで長期にわたりデクラン・ライスの代わりを務められる能力をもっていると言われている。

    守備もできるボランチの17歳は昨シーズン、カンファレンスリーグでトップチームへのデビューを果たしており、デイヴィッド・モイーズ監督はFCSB戦での彼のパフォーマンスを「規格外」と評した。

    ライスほど身体的に恵まれてはいないが、ボール扱いの能力に優れたスカールズは将来のスター候補として確実に躍進するだろう。

  • Dane Scarlett Tottenham 2023-24Getty Images

    デーン・スカーレット(トッテナム)

    2022年夏、U-19欧州選手権で優勝したイングランド代表をけん引したデーン・スカーレットは翌シーズン、ポーツマスにレンタル移籍で加入。目を引くプレーも時々あったものの、トップチームのレギュラーというものを初めて味わった中で、コンスタントな活躍をすることはできなかった。

    この19歳は何年も前から、トッテナムでいずれハリー・ケインの後継者になると言われており、北部ロンドンに戻った現在、スパーズの直近のプレシーズンの試合であるシャフタール・ドネツク戦で得点をあげている。

    ケインの未来次第で再びレンタル移籍に出される可能性は高いが、スカーレットはいずれイングランド代表のキャプテンになる才能をもっているとも言える。

  • Lesley Ugochukwu Rennes 2022-23Getty Images

    レスリー・ウゴチュク(チェルシー)

    突然とも言える移籍だ。7月下旬、チェルシーは最後の10代選手との契約として、チムアンヤ・ウゴチュクを獲得した。この守備的ミッドフィルダーのために、レンヌに2350万ポンド(約43億円)も支払ったのだ。

    レンヌのトップチームに入った当初、エドゥアルド・カマヴィンガの後継者と評されたウゴチュクは、リーグ・アンで60試合に出場。フィジカルも強くテクニックも優れた、トップクラスの才能の持ち主であることを示してきた。

    この夏、ブルーズがストラスブールにレンタル移籍させれば、フランスに戻る可能性もある。だが、比較的経験値が高く、能力も問題ないウゴチュクをマウリシオ・ポチェッティーノ監督が西部ロンドンに置いておきたいと決めたとしても驚くことではない。

  • Reuell Walters Arsenal 2022-23Getty Images

    ロイエル・ウォルターズ(アーセナル)

    アーセナルは夏中、センターバックの人材を探していたが、ロイエル・ウォルターズを今後数シーズンで進化できる生え抜きの選手とみなしたようである。

    この18歳は、2022-23シーズンに9試合出場した結果を踏まえて、ガナーズのプレシーズンのアメリカツアーへのチームに選ばれた。

    右サイドでもプレーできるウォルターズには、まだ学ぶべきことがたくさんあるかもしれない。だが、今シーズンまたは来シーズン中に、インパクトを残してもおかしくない。

  • Yehor Yarmoliuk Brentford 2023-24Getty Images

    イェホル・ヤルモリュク(ブレントフォード)

    ドニプロでウクライナのトップリーグの試合に先発出場した、2番目に若い選手となったイェホル・ヤルモリュク。2022年夏にブレントフォードに移籍し、まずはクラブのBチームに加入した。現在、ロメオ・ベッカムが所属しているのと同じチームである。

    この19歳のミッドフィルダーは加入当初に活躍していたが、ケガのためにシーズン後半を棒に振った。しかし、その後はトーマス・フランク監督率いるトップチームに昇格を果たし、新たに5年契約を交わしている。23-24シーズンには、多くのチャンスが与えられることが期待される。

  • Kadan Young Aston Villa 2023-24Getty Images

    カダン・ヤング(アストン・ヴィラ)

    カダン・ヤングは2022年後半、アストン・ヴィラでブレイク。クラブのシーズン半ばの練習キャンプで目覚ましいパフォーマンスを見せたことでウナイ・エメリ監督の信頼を得て、トップチームの攻撃陣に加えられることとなった。

    この17歳はその後、シーズン後半に6試合でベンチ入り。ヴィラは今夏にチームに加える選手探しに忙しかったが、ヤングが最終的にさまざまなステージでシニアデビューを果たす余地はありそうである。

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