その時リッカルド・カラフィオーリは16歳で、ローマと初めてのプロ契約を交わしたばかりだったが、彼のキャリアは早くも終わってしまったと言われていた。UEFAユース・リーグのFCヴィクトリア・プルゼニ戦で、ヴァーツラフ・スヴォボダのスパイクの裏を見せての恐るべきタックルを受けたカラフィオーリは、左ひざの3倍にも腫れた右ひざを抱えながら退場したのだった。
専門家の中には、この負傷は見たところ信じがたいほどひどいという者もいた。半月板と関節包もろとも、靭帯がすべて切れていたのだ。
「こういうことは普通、モトクロスでしか起こらない。サッカーではありえない」と、ある医者が『コッリエーレ・デッロ・スポルト』紙で語っていた。「10年に1度しか起きないようなケガだ」。
その時のことを振り返って、カラフィオーリは、あれが起こったのがまだすごく若い時だったのが、おそらく幸運だったのだと言っている。というのも、彼自身は事の深刻さを完全には理解していなかったからだ。だからといって、これほど深刻な挫折に対する彼の反応が注目に値しないわけではない。
「自分の中にあるすべてを本当に発揮する時がきた」と、カラフィオーリは自分の世界のすべてがひっくり返ってしまった翌日、インスタグラムに投稿した。
「今回は、何かを決するような試合ではなかったし、勝つべき決勝戦でもなかった。僕の人生にとって最も重要な戦いは、これからやってくる。絶対に落ちこんでなんかいられない。これまでの僕は子ども、それも時には幼い子どもだったけど、いつか成長して男になる時が来る」。
「この膝のひどいケガのせいで僕は長いこと試合に出られなくなるだろう。ピッチに立てなくなるだろう。だけど、前より強くなって戻ってくるという気持ちは、日に日に強くなっていく。これまでだって何度も、とても厳しい試練に遭遇してきた。だけど、いつものとおり、僕は勝つ!!!」。