今回のことはおそらく、PSGに対して少々アンフェアであった。PSGは決して簡単にメッシを謹慎させようとしたのではない。実際、メッシを出場停止にするのはほとんど不可能だった。メッシはある意味でクラブよりも偉大だ。パルク・デ・プランスにも大勢のファンがいるし、SNSのフォロワーも多い。
それはPSGにとっても、必ずしも新しいことではない。シーズンチケット更新の動画でキャンペーンを主導したキリアン・エンバペを見れば、彼もまた絶大な影響力を持っていることは明らかだ。インスタグラムのストーリーに投稿された4行のテキストで恥をかかされたことが明らかになるまでは。
メッシとなれば管理はさらに難しくなる。エンバペは少なくとももう1年はチームにいるだろう。エンバペはフランス生まれだし、クラブのキャプテンのひとりだ。この夏には終了しない契約で守られてもいる。おふざけはあっても、PSGのファンから絶賛されている。
だが、PSGに対するメッシは違う。誰もが、メッシは初恋の相手であるバルセロナを決して離れたくなかったはずだったことを理解している。事実、可能ならば戻りたいと思っているのだ。メッシはワールドカップに優勝し、バロンドールを7回も受賞している。
PSGの方も、単にそれを受け入れるだけではない。どんなクラブも、スーパースターを何とかして管理しているふりをしようとするものだ。PSGはメッシと契約して彼を広告塔にし、彼の背番号の入ったユニフォームを何百万枚と売ることで、その責任を負うことになる。メッシを選手として、商品として、マーケティングの道具として所有しているのだ。
だが、メッシの移籍がPSGにもたらした、そうしたマス・アピールや成果は、おそらくピッチ上でのメッシのプレーとは、わずかながらずれがあった。今週、PSGは予想に反してマーケティング・アビールに屈することとなった。