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【2023-24】GOAL選出プレミアリーグ最優秀選手ランキング

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2023-24シーズンのプレミアリーグが閉幕し、またしてもマンチェスター・シティが頂点に立った。アーリング・ハーランドが再びゴールデンブーツ賞を受賞し、チームの前代未聞の4年連続優勝に貢献したが、2022-23シーズンのプレミアリーグの年間最優秀選手賞は逃した。代わって受賞したのはフィル・フォーデン。ワールドクラスの選手が勢ぞろいのチームの中で、究極の違いを生みだす存在であることが証明された。

フォーデンはアーセナルの選手たちとの個人賞争いを逃げ切った。ユルゲン・クロップ監督は、アンフィールドでの9年間を3位という順位で締めくくり、胸を張って笑顔でリヴァプールを去った。ウナイ・エメリ監督は、アストン・ヴィラにチャンピオンズリーグ出場権をもたらし、オリー・ワトキンスなど何人もの選手を新たな高みへ導いた。ワトキンスはユーロ2024のイングランド代表でも、大きな役割を担えることを証明してきている。

では、前口上はこのくらいにして、スリリングで息もつけないほどの12カ月を終えたプレミアリーグにおけるGOALの2023-24シーズン最優秀選手ランキング最終結果をお届けしよう。

  • Bowen-West-Ham-2023-24Getty

    16ジャロッド・ボーウェン(ウェストハム)

    ウェストハムは、2022-23シーズンのヨーロッパ・カンファレンスリーグでの成功の波に長く乗り続けることができなかったが、退任が発表されているデイヴィッド・モイーズ監督のもと、再び順位表の上半分で終わることができた。その功績の多くはジャロッド・ボーウェンによるもので、昨年6月のフィオレンティーナとの決勝で試合を決める得点をあげたことで有名になったボーウェンがさらにシュートの精度を磨いたことで、ウェストハムはプレミアリーグにおける最もカウンターアタックがうまいチームのひとつとなった。

    27歳のボーウェンはプレミアリーグで16得点を挙げ、昨シーズンよりも10得点多かった。アウェイでブレントフォードに4対2で勝った試合で見事なハットトリックを達成したことは、長く人々の記憶に残るだろう。ボーウェンは、ウェストハムの中心選手として6アシストも記録しており、その結果イングランド代表にも選ばれ、夏の移籍市場では多くのトップクラブが関心を示すに違いない。

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  • Bruno Fernandes Manchester United 2023-24Getty

    15ブルーノ・フェルナンデス(マンチェスター・ユナイテッド)

    マンチェスター・ユナイテッドがトップハーフで終えることができたのは、ブルーノ・フェルナンデスのおかげだと言っても過言ではない。エリック・テン・ハーグ監督のチームは、今シーズンずっとチーム状態が最悪で、その結果、来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権を逃してしまったが、フェルナンデス個人としては最高のプレーを続け、堂々と胸を張ることができる。

    ポルトガル代表のフェルナンデスは、マンチェスター・Uの情けないチームにあって、何とか18得点を記録し、運動量と並外れたパスレンジで他の選手の模範となっている。

    マンチェスター・UがINEOSという新たな小規模オーナーのもとでより輝かしい未来に向かってチームの構築を始めるというのなら、その計画の中心にフェルナンデスがいることが必須である。赤い悪魔にとって幸運なのは、ヨーロッパの他のどんなエリートクラブに行っても先発イレブンに入るに違いない、この29歳の魔術師がいることなのだ。

  • heung-min(C)Getty Images

    14ソン・フンミン(トッテナム)

    今シーズンのソンには、スパーズを牽引するという大きなプレッシャーがかかっていた。ハリー・ケインがバイエルン・ミュンヘンに移籍し、韓国代表のソンがチームの中心選手となったのである。アンジェ・ポステコグルー監督が彼をキャプテンに任命したことによって、プレッシャーはさらに大きくなった。

    本人も認めているとおり、2022-23シーズンは彼がトッテナムに入団してからこれまでで最も残念なシーズンだった。だが31歳のソンは、相変わらずエネルギーに満ちており、左サイドのいつものポジションと今シーズン任された中央のストライカーとしての役割をどちらもこなしていた。

    ソンの得点は17点で、そのうちの3点は白熱するアーセナルとの北部ロンドン・ダービーの2試合であげている。これにより、彼の比類なきシュートを決めきる技術がまたしても証明されたのだった。確かにスパーズはチャンピオンズリーグを敗退したが、それでもポステコグルー監督の就任1年目は成功とみなされるべきであろう。事実ソンは、この堅実な元オーストリア代表の監督のもと、再びサッカーを楽しんでいるように見える。

  • Ruben-Dias-Man-CityGetty

    13ルベン・ディアス(マンチェスター・シティ)

    マンチェスター・Cは相変わらず、イングランドで最も守備が固いチームのひとつであり、それは主にディアスの存在あってのことだ。ディアスはコンディションが完璧なら、グアルディオラ監督のチームの中で、誰かに取って代わられる危険があるように見えない数少ない選手のひとりである。このポルトガル代表選手は、優れたポジショニングのセンスと卓越したテクニックで守備の要となっており、マヌエル・アカンジ、ヨシュコ・グヴァルディオル、ナタン・アケとの連携において、常にリーダー的な役割を担っている。

    ディアスの右腕となるべきジョン・ストーンズはケガとの戦いがつづいており、今シーズン当初はその負担がのしかかっていたが、あれほど素晴らしい選手となれば、長く落ちこんでいることはない。シーズン最終盤にはグアルディオラ監督のチームで再び中心的選手となった。マンチェスター・Cがイングランドのサッカーにおいて前例のない権勢を誇っていられる主な理由のひとつがディアスである。

  • Van-Dijk-LiverpoolGetty

    12フィルジル・ファン・ダイク(リヴァプール)

    残念な2022-23シーズンの後、多くの人々がフィルジル・ファン・ダイクをこき下ろしたが、新たな「メンタルの巨人」の集団を率いるべく数年前に立ち戻り、クロップ監督が指揮をとる最後のシーズンでもその実力が変わらないことを大いに示した。全力を発揮すれば、サッカーにおいてファン・ダイク以上に完璧なディフェンダーは存在せず、今シーズンはいつも以上にそうだった。1対1のデュエルを支配し、空中戦でも無敵だ。その落ち着きとボール扱いのうまさで、リヴァプールの攻撃のリズムを整えている。

    今シーズンをもって監督を勇退するというクロップ監督の衝撃的な決断は当初、ファン・ダイクに新たなモチベーションを与えたように見えた。それは、彼のヘディングでの決勝点でレッズがカラバオ・カップ決勝でチェルシーを破った際の素晴らしいパフォーマンスが証明するとおりである。

    オランダ代表のファン・ダイクは、2度目のプレミアリーグ優勝とともにクロップ監督を送り出そうと必死だったろうが、リヴァプールは考えられる最悪のタイミングで崩壊した。エヴァ―トンとのダービーに2対0で敗れたことで事実上タイトル争いから脱落したのだ。それでもファン・ダイクは、レッズがリーグ戦を合格点で終われたことに貢献しており、2024-25シーズンにアルネ・スロット新監督のもとでも果たすべき重要な役割があることだろう。

  • Alexander Isak Newcastle 2023-24Getty Images

    11アレクサンデル・イサク(ニューカッスル)

    アレクサンデル・イサクのプレミアリーグでの最初の2シーズンはケガのため著しく混乱したものだったが、それでも52試合で31得点というのは注目に値する。このうち21得点を今シーズンにあげており、ニューカッスルの当初の6,000万ポンド(約120億円)という投資は今となってはよい買い物だったようだ。イサクは、ズラタン・イブラヒモヴィッチが持っていた、プレミアリーグでスウェーデン出身選手が1シーズンで決めた最多得点記録を破ってもいる。

    ニューカッスルのスターとなったイサクは、アタッキングサードでのボール扱いのうまさと冷静さで、アーセナルのレジェンド、ティエリ・アンリと比較されるようになってきている。スパーズ戦での見事な2得点を見たリヴァプールの元ストライカー、ピーター・クラウチはTNTスポーツでこう言った。「ああいうポジションに入りこんでも彼は本当に冷静だ。何度も(ミッキー・)ファン・デ・フェンを置き去りにした。イサクは常にゴールを狙っていて、足が速く、前線をリードしている。アンリのような猛烈なスピードはないが、ゴール前での冷静さは素晴らしい」

    今や、すべてのプレミアリーグのトップクラブがイサクに関心を示しており、この夏、ニューカッスルは彼を手放すことのないよう争わなければならないかもしれない。24歳のイサクがコンディションの問題を完全に克服できれば、これから彼が成し遂げるであろう快挙に限界はない。

  • Mohamed-Salah(C)GettyImages

    10モハメド・サラー(リヴァプール)

    サラーはずいぶん前からリヴァプールのレジェンドとしての地位を確立しており、夏の移籍市場でアル・イテハドから声がかかった時、あらゆるもっともらしい理由を退けて、クラブへの忠誠心を示した。サウジアラビアへの高額移籍は交渉の対象となったが、サラーはリヴァプールに留まり、それ以来、再びクロップ監督のチームで唯一無二の価値があることを示し続けている。

    31歳のサラーは18得点10アシストを決めて、リヴァプールを再び優勝争いに浮上させ、少なくとももう1年はアンフィールドで活躍することが期待されている。2度目のプレミアリーグ制覇がかなえば、イングランド・サッカーを彩った史上最高の選手のひとりという地位を確固たるものとするだろう。しかし、今シーズンのリヴァプールには力が足りなかった。それは特に、スター選手であるサラーが、アフリカ・ネイションズカップで不運にも負傷し、リズムを失ってしまったからである。

    直近のプレミアリーグの10試合で3得点しかしていないことはサラーの不調を示しており、ウェストハム戦でベンチスタートだったサラーは、フラストレーションをためた挙句、タッチライン際でクロップ監督と口論するという衝撃的な姿を見せた。だが、サラーは終わったなどというのは愚かなかぎりで、すでに来シーズンは再びゴールデンブーツ賞に挑戦するつもりでいる。

  • William Saliba Arsenal 2023-24Getty Images

    9ウィリアン・サリバ(アーセナル)

    アーセナルが今シーズン、前にもまして力強くタイトル争いに臨めたのは、サリバが守備の中心で強固な基盤を提供したからである。フランス代表のサリバは2022-23シーズンの最終盤をケガの治療で棒に振り、彼のいないガナーズは崩壊したが、サリバは以前よりも良い状態で戻ってきた。

    アルテタ監督のチームは、主にサリバの大いなるプレーのおかげで、プレミアリーグの最少失点記録を打ち立てた。23歳のサリバは絶好のタイミングでのタックルや冷静さに秀でており、アーセナルが一瞬のうちに守備から攻撃へ移るのに貢献している。

    サリバよりもチームプレーにおいて重要な選手はおらず、アーセナルが6連勝でシーズンを終え、そのうち4試合が無失点だったことは、またしてもサリバの実力を示した。ガナーズがホームでアストン・ヴィラに2対0で負けた際にはサリバも輝けなかったが、その後チームを盛り立て、真に強い人間であることを示した。キャリアの絶頂期に近づくにつれ、さらに素晴らしい選手になっていくことだろう。

  • Rodri Man City 2023-24Getty Images

    8ロドリ(マンチェスター・シティ)

    ロドリがヨーロッパ最高の守備的ミッドフィルダーであることは間違いない。このスペイン代表選手は、2023年のマンチェスター・Cの三冠達成の原動力であったし、チャンピオンズリーグの決勝では決勝点すらあげている。27歳のロドリは2023-24シーズンも相変わらずやる気満々に見えたし、その粘り強さとエネルギーは、さらなる栄冠を目指すマンチェスター・Cのリズムをリードしていた。

    当初、グアルディオラ監督はロドリをフェルナンジーニョの後継者として育てていたが、今やこの元ブラジル代表選手をはるかにアップグレードした存在であると言わざるを得ない。元アトレティコ・マドリーのロドリは、サッカーに関して欠点がなく、彼がいない時のマンチェスター・Cは常に苦労している。例えば昨年10月、中盤のスターを出場停止で欠いたグアルディオラ監督のチームは、ウルブスとアーセナルに連敗した。

    ロドリは大事な時に規律を維持し、チームが苦しい時に素晴らしいパフォーマンスを披露する。その最たるものが、5対1でウルブスに大勝した試合での2アシストである。ロドリは2023-24シーズンのプレミアリーグで合計8得点をあげてもおり、特に最終日の得点は記憶すべきゴールである。接戦の試合でも主導権を握ることができ、常に信頼に値する選手である。

  • Saka-ArsenalGetty

    7ブカヨ・サカ(アーセナル)

    サカは2022-23シーズンのアーセナルの驚くべきタイトル争いを先頭に立って牽引した選手であり、今シーズンもミケル・アルテタ監督のもと、多いなる成長を遂げた。22歳のサカは、2年連続で得点とアシストを合わせて25ゴールに絡んでおり、創造性あふれる才能を駆使して、思いのままに相手ディフェンスを切り裂き、さまざまな角度からシュートを決めることができる。

    アルテタ監督は、燃え尽き症候群の懸念からサカの出場時間を効果的に管理しなければならなかったが、それでもサカは、アーセナルの最大の舞台で決定的な仕事ができる選手であり、批評家たちもこのウィングの選手がワールドクラスの仲間入りを果たしていることを認めざるを得ないようになってきている。この論争は、最後の最後でガナーズがタイトル獲得に失敗した後、さらに激化するだろうが、サカがいるだけでも、来シーズンのアーセナルにはマンチェスター・Cを優勝の座から引きずりおろすチャンスがあるというものだ。

    サカはその若さに似合わぬ優れた技術と成熟さを発揮しており、絶頂期はまだまだこれからである。

  • Erling Haaland Man City 2023-24Getty

    6アーリング・ハーランド(マンチェスター・シティ)

    ハーランドは、マンチェスター・Cでの2シーズン目のリーグ戦で、12月と1月はケガのためプレーできなかったにもかかわらず27得点をあげ、7人しかいない2年連続ゴールデンブーツ賞受賞者となった。ハーランドがリズムを取り戻すには時間がかかり、マンチェスター・Cがアーセナルと0対0で引き分けた試合では、ロイ・キーンに「2部リーグの選手かと思った」と評された。確かに、ノルウェー代表のハーランドにはサッカーの技術面に取り組む必要があると言わざるを得ない。

    しかしながら、グアルディオラ監督が繰り返し指摘しているとおり、ハーランドは依然として世界最高のストライカーだ。試合の主役でないときでも、ボックス内やその周辺での頭を使った動きや生まれもった直観力でチャンスをものにしている。否定的なことを言われても落ちこむことなく、むしろエネルギーに変えられるほどの強さもある。

    2023-24シーズンの最後の7試合で9得点をあげ、批判する人々を黙らせた。そのうち4得点はウルブス戦での大勝をもたらし、相変わらず試合でここぞという時に決められる選手であることを確実に見せつけた。まだ23歳であることを忘れられがちだが、今後何年にもわたって、サッカー界の歴史を書きかえ続けることは間違いないだろう。

  • Watkins-Aston-VillaGetty

    5オリー・ワトキンス(アストン・ヴィラ)

    ワトキンスは2020年に加入して以来、ヴィラの主な得点源であり続けており、昨シーズンにチームが7位という好成績を収めた際に15得点したが、エメリ監督の下でまったく新しいレベルに到達した。

    28歳のワトキンスは今シーズン、19得点という自己新記録を達成。とりわけエミレーツ・スタジアムでのアーセナル戦ではヴィラの大勝利を決定づける素晴らしいシュートを決めた。チームメイトのために13アシストも記録しており、シーズン最多アシストとなって、プレミアリーグ・プレイメーカー・オブ・ザ・シーズンを受賞した。

    ヴィラは選手層の薄さを考えれば当然のことながら最終的に首位争いから脱落したが、それでもワトキンスの容赦ないプレーぶりのおかげで4位でシーズンを終えた。ヴィラのカリスマであるワトキンスが、ユーロ2024の代表に選ばれることは間違いなく、ハリー・ケインの完璧なバックアップ・ストライカーとしての能力は疑う余地がない。イングランド代表は1966以来のメジャー大会優勝に向けて邁進するだろう。

  • Palmer-Chelsea-2023-24Getty

    4コール・パーマー(チェルシー)

    パーマーはレギュラーとしてプレーできるチームを探して、昨年の夏にマンチェスター・Cを去るという勇気ある決断をした。そして今シーズン、チェルシーの支払った4,250万ポンド(約84億円)が安い買い物であったことを証明した。22歳のパマーは、ブルーズにとってまたしてもフラストレーションが溜まるシーズンにあって、マウリシオ・ポチェッティーノ監督のチームを牽引する役割を担い、最高に明るい光をチームにもたらした。

    ポチェッティーノ監督はパマーをいくつもの異なるポジションで起用したが、その都度パマーは見事なチャレンジを見せ、素晴らしいボールさばきでチェルシーの攻撃に新しい次元をもたらした。パマーはピッチのどこからでも相手の守備を切り裂くパスを出すことが可能で、ゴールに関しても鋭い目を持っている。とりわけ素晴らしかったのは、6対0で大勝したエヴァ―トン戦で4得点したことで、イングランド代表としても高い評価を得ている。

    チェルシーが再びエリートチームに挑めるようになるには、まだ長い道のりがあるが、パーマーというヨーロッパで最もエキサイティングな才能の持ち主のひとりがチェルシーには存在する。パマーは、他のプレミアリーグの選手の誰よりも多くの得点に貢献できる選手であり、ブルーズの不安定さを考えると注目に値する功績をあげている。彼がスタンフォード・ブリッジでどのように成長し続けるのを見るのは魅力的なことだが、パマーがすでに、チェルシーの熱心なファンのハートをがっちりつかんでいることは間違いない。

  • Martin-Odegaard(C)GettyImages

    3マルティン・ウーデゴール(アーセナル)

    「彼のチーム内での行動や設定している基準は素晴らしいものである」と、ミケル・アルテタ監督は4月3日のルートン戦でマルティン・ウーデゴールがアーセナルのためにマン・オブ・ザ・マッチの活躍を見せた後に話した。

    「彼は本当に重要な選手だ。彼がもたらすバランスは、我々に必要なものである。マルティンは我々のプレーすべてをつなぎとめるのに不可欠な存在だ」

    ホームで2対0で勝ったこの試合、ウーデゴールは今シーズンのプレミアリーグでの7得点目をあげ、さらに3日後にも卓越したプレーを見せて、ガナーズはブライトンに楽勝した。その後のダービーでチェルシーに大勝した試合でも、シーズンで最も素晴らしいプレーのひとつを披露した。このノルウェー代表は、レアル・マドリーではまったく成功できなかったが、レアル・マドリーは今ごろ、ウーデゴールをあんなに早く手放してしまったことを後悔しているに違いない。エミレーツ・スタジアムでも、ヨーロッパ最高の司令塔のひとりであることを証明して見せたのだから。

    アーセナルは、プレッシャーをかけられてもボールを失わず、チャンスを作りだせるウーデゴールを信頼してよいことを知っている。ウーデゴールはポゼッションからの仕事量においても重要な貢献をしており、チームメイトの良い模範となっている。ウーデゴールはガナーズで最も恐るべき選手であり、来シーズンのガナーズはあらゆるものを勝ち取ると誓っているが、彼がこれほどの速度で成長を続けるならば、決して不可能ではない。

  • Rice-ArsenalGetty

    2デクラン・ライス(アーセナル)

    アーセナルのクラブ記録となる1億500万ポンド(約209億円)で契約したデクラン・ライスは、マンチェスター・Cでグアルディオラ監督の常勝チームに加わるのではなく、ロンドンの反対側へ移籍することを選んだ。ライスはアルテタ監督の先発メンバーの筆頭となり、9月のホームでのマンチェスター・ユナイテッド戦でガナーズのために後半アディショナルタイムに決勝点を決め、すぐにサポーターから愛される選手となった。

    25歳のライスはボールのリカバリーやインターセプトでは並ぶものがなく、前線でも真の脅威となれる。チェルシー戦やウェストハム戦では、見事な長距離シュートを決めてみせた。セットプレーのエキスパートでもあり、年をまたいで以来ずっと、アーセナルの新しいCKのキッカーとなっている。ユーロでもイングランド代表の武器となるかもしれない。

    ライスは背負うべき責任以上の責任もすすんで引き受け、真に特別な選手となっており、彼の容赦ない攻撃力はアーセナルを向上させている。2003-04シーズン以来のプレミアリーグ制覇は依然としてガナーズにとって見果てぬ夢だが、今やライスはイングランドで最高のオールラウンドなMFであると言ってよく、数年後には全力を尽くして夢を実現するだろう。

  • Foden-Man-CityGetty

    1フィル・フォーデン(マンチェスター・シティ)

    グアルディオラ監督率いるマンチェスター・Cは創造性あふれる天才の宝庫だが、フォーデンはそんな選手たち全員がかすむほどの活躍を見せている。まだ23歳ながらすでに完璧な選手に見え、今やその敏捷性とボールを持ったときのアイディアの速さで、試合開始からマンチェスター・Cが頼りにする選手のひとりとなっている。

    フォーデンは今シーズンのプレミアリーグで自己最高の19得点をあげたが、特にリーグ最終節に3対1で勝ったウェストハム戦では圧巻の長距離シュートを決め、マンチェスター・Cに主導権を握らせた。スター揃いのマンチェスター・Cで最も恐るべき選手となり、今や誰にも止められないように思われる。グアルディオラ監督は過去6シーズンにわたって彼の成長を注意深く管理し、とうとう彼のポテンシャルのすべてを解放させたのであった。

    イングランドがユーロで優勝候補と言われるのはフォーデンに負うところが大きい。フォーデンは成長を続けて世代最高の選手のひとりとなるのに必要なものすべてを持っている。今や2024年のバロンドールも充分に視界に入っているだろう。