マンチェスター・シティの連覇を予想します。昨季はペップ5年目。同じクラブで新たにチームを作り直す、2つ目の強いスカッドを作るというところが任務だったのですが、それをペップができるのか疑問でした。
実際に、序盤戦はあまり調子が良くありませんでした。それでも、最終的には素晴らしいチームを作り上げましたね。新戦力のルベン・ディアスとジョン・ストーンズの再生・復活により、強固なセンターバックラインになりました。
ペップは他の監督よりも過密日程のことを意識し、守備は前線のプレッシングに頼るのではなく、しっかり構えるなど、典型的でクラシックな戦術を採用しました。それもあり、バランスよくシーズンを戦うことができましたね。今季は元の日程に戻るので、もう少しエネルギッシュに前からプレッシャーをかけても大丈夫。より、オールラウンドな強みを発揮できるシーズンになると思っています。
補強に関しては、高額を投じてジャック・グリーリッシュを引き入れました。売却次第では、ハリー・ケインの獲得もあり得るので、彼を引き入れれば本当に止めようがなくなる。セルヒオ・アグエロがいなくなり、ガブリエウ・ジェズスが計算できるかも予想しにくいですが、ゼロトップでフォーデンを起用する手もあります。センターフォワードが獲れなくとも、非常に強力であることには変わりないです。
一方でチェルシーとの比較で言えば、わずかに安定感という点では劣るかもしれません。その理由は、アンカーポジション。もし元のフットボール、つまりインテンシティを高めて前線からプレッシングをかける戦術を多く採用すれば、アンカーポジションの選手の負担が増えます。ペップ政権では、フェルナンジーニョに頼り過ぎてきた。前で剝がされても、彼が一人でタックルやリカバリー、ファウルを含めてカバーし、屋台骨となってきました。
ロドリは1年目に同じレベルを見せることができず、昨季も前述した戦いの変化もあって、まだ同じ状況でフェルナンジーニョ級に頼れる選手かどうか証明はできていません。フェルナンジーニョは36歳ですし、いざという時にロドリが頼れなければ、代わりの選手がいない。ペップの守備戦術とマネジメント次第では、崩れる可能性としてはチェルシーよりも心配。それでも、爆発力から連覇に最も近い存在として予想しました。今季も非常に楽しみなシーズンになりそうですね。