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【プレミアリーグTOP4大予想】“4連単”の的中に挑戦。ベン・メイブリー氏が選ぶ1~4位の見解は?

2021-22シーズンのプレミアリーグが13日に開幕する。昨季に2季ぶり7度目のトップリーグ制覇を成し遂げたマンチェスター・シティを中心に、欧州王者チェルシー、主力複数の離脱で苦しんだシーズンからの巻き返しを期するリヴァプール、そして大型補強のマンチェスター・ユナイテッドなど、今季も激戦のシーズンが予想される。

『Goal』では、シーズン開幕を前に、『DAZN』の番組「FOOTBALL FREAKS」でもお馴染みのジャーナリストであるベン・メイブリー氏とスポーツコメンテイターの野村明弘氏に、新シーズンのTOP4予想を聞いた。1~4位の的中を狙う“4連単”、ここではベン・メイブリー氏の見解をお届けする。【構成=音堂泰博】

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    4位予想:マンチェスター・ユナイテッド(昨季2位)

    4位はマンチェスター・ユナイテッドと予想します。私は、今季も昨季と同じトップ4が最終的な上位4クラブになると考えています。その4チームはいずれも、確実に昨季よりも強くなるはずです。

    ただ、ユナイテッドの場合、昨季よりも出来が良かったとしても4位までと考えています。それは、ライバルの存在にあります。リヴァプールは昨季、ヴァージル・ファン・ダイクやジョー・ゴメスら主力が長期離脱になったことが大きく影響し、今季はそれが“元に戻る”。そして、チェルシーもトーマス・トゥヘル体制でCLを制した昨季後半戦からの継続路線で伸び代がある。ライバル関係を考えた場合、ジェイドン・サンチョやラファエル・ヴァランらの補強で強化していますが4位という予想です。

    補強に関しては、うまくいっていると思います。フロントと上層部の変化があったので、プレミアリーグのどのクラブよりも自信とリソースを有している。オーナー側がスーパーリーグ騒動を受けて、初めて緊張感を持ったことも影響しているでしょう。サンチョとヴァランだけでなく、移籍金の分割払いも多くなっているので、移籍市場が閉まる前に、トップレベルの選手をさらに補強できる可能性もあります。

    オーレ・グンナー・スールシャールについては、過小評価されていると思います。周囲の評価より、個人的にはすごくいい監督という印象。とはいえ、ペップ・グアルディオラやトーマス・トゥヘル、ユルゲン・クロップのクラスになれるかと言われれば、それはちょっとわからないです。まだ、そこまでではないと思います。ライバルクラブの監督は本当に世界最高級の監督ばかりですからね。

    ユナイテッドはまとまってきていますし、これからも良くなっていくでしょう。サンチョの加入によりオプションが増えて、ヴァランが加わったことで最終ラインも安定していくでしょう。最終ラインをより上げることが可能になり、攻撃面でも高い位置でのプレーがやりやすくなる。ただ、攻撃の連係やプレスの連動性、ライバル監督の手腕など、総合的に考えると、やはり簡単なシーズンにはならないのではないでしょうか。

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    3位予想:リヴァプール(昨季3位)

    3位は、スカッドのレベルが“元に戻る”リヴァプールです。昨季は例外。あれほどケガ人が続出することは、なかなかありません。しかも、センターバックばかりでしたからね。

    コロナ禍による独特な過密日程になり、ライバルクラブはプレスのやり方を調整してインテンシティを低くした一方で、クロップはあまりそこを変えずに、引き続き高いレベルを求めました。その点は少し失敗だったかと思います。そのため、アストン・ヴィラに7失点するなど、大きく崩れた試合もありました。

    今季はまた元の日程に戻ります。インテンシティも本来のものに戻しても問題ないでしょうし、ケガ人さえ順調に戻ってくれば、一昨季のような強さを見せることができるでしょう。

    補強もイブラヒマ・コナテを獲っていますし、基本は既存メンバーでの戦いになると思いますが、売却がうまくいければシーズンが始まった後にさらに選手を獲ることもあるでしょう。

    元々のリヴァプールのレベル、強さを忘れてはいけません。本当にものすごく高いです。ただ、前線の選手たちが全盛期を迎えたか、あるいは少し過ぎているかという状況なのは懸念点です。さらなる上積みは考えにくいです。

    昨夏のディオゴ・ジョタは素晴らしい補強だったと思いますが、まだ少し前線の厚みが足りません。昨季はロベルト・フィルミーノが大変でした。特にフィルミーノが調子を取り戻せるかどうかに、チームが依存する部分があります。彼の状態次第では、マンチェスター・シティやチェルシーに届かない可能性が高い。アフリカネーションズカップでサディオ・マネとモハメド・サラーが離脱することも考えられるので、そのあたりもポイントになるでしょう。

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    2位予想:チェルシー(昨季4位)

    2位予想はチェルシーです。個人的にはフランク・ランパード時代から評価していましたが、そこでレジェンドを切ってトゥヘルを招聘し、さらに強くなりました。昨季終盤戦の戦いぶりから、「これは本物だな」という印象を抱きました。昨季の後半戦に関して言えば、シティとチェルシーは欧州でも1番、2番のチームだったのは間違いなかったと思います。ですから、その2チームがCL決勝を戦うことになったのは妥当だったかと。そして、チェルシーは優勝に相応しいチームでした。

    チェルシーは昨夏、コロナ禍で唯一、派手な補強をしました。カイ・ハヴェルツやティモ・ヴェルナーなど、昨夏に獲得した選手が2年目を迎えることは、チームにとって大きなプラスでしょう。ハヴェルツの起用法やヴェルナーの決定力不足が課題として取り上げられたと思いますが、2年目はよりプレミアリーグとトゥヘルのサッカーにフィットできるでしょう。あの2人がさらに伸びると考えると、チェルシーの攻撃力がより一層上がると思うので、あまり補強ができなくとも、昨季の後半戦よりも強いチェルシーが期待できそうです。

    ただ、“本物のチェルシー”となったのは昨季の後半戦だけなんです。今季、初めてフルシーズンでトゥヘルのチェルシーとして戦うことになる。本当に強いということも、もうバレてしまった。「研究されること」でハードルは上がっています。さらなる上積みによって、ここを乗り越えることができるかどうかでしょう。

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    優勝予想:マンチェスター・シティ(昨季1位)

    マンチェスター・シティの連覇を予想します。昨季はペップ5年目。同じクラブで新たにチームを作り直す、2つ目の強いスカッドを作るというところが任務だったのですが、それをペップができるのか疑問でした。

    実際に、序盤戦はあまり調子が良くありませんでした。それでも、最終的には素晴らしいチームを作り上げましたね。新戦力のルベン・ディアスとジョン・ストーンズの再生・復活により、強固なセンターバックラインになりました。

    ペップは他の監督よりも過密日程のことを意識し、守備は前線のプレッシングに頼るのではなく、しっかり構えるなど、典型的でクラシックな戦術を採用しました。それもあり、バランスよくシーズンを戦うことができましたね。今季は元の日程に戻るので、もう少しエネルギッシュに前からプレッシャーをかけても大丈夫。より、オールラウンドな強みを発揮できるシーズンになると思っています。

    補強に関しては、高額を投じてジャック・グリーリッシュを引き入れました。売却次第では、ハリー・ケインの獲得もあり得るので、彼を引き入れれば本当に止めようがなくなる。セルヒオ・アグエロがいなくなり、ガブリエウ・ジェズスが計算できるかも予想しにくいですが、ゼロトップでフォーデンを起用する手もあります。センターフォワードが獲れなくとも、非常に強力であることには変わりないです。

    一方でチェルシーとの比較で言えば、わずかに安定感という点では劣るかもしれません。その理由は、アンカーポジション。もし元のフットボール、つまりインテンシティを高めて前線からプレッシングをかける戦術を多く採用すれば、アンカーポジションの選手の負担が増えます。ペップ政権では、フェルナンジーニョに頼り過ぎてきた。前で剝がされても、彼が一人でタックルやリカバリー、ファウルを含めてカバーし、屋台骨となってきました。

    ロドリは1年目に同じレベルを見せることができず、昨季も前述した戦いの変化もあって、まだ同じ状況でフェルナンジーニョ級に頼れる選手かどうか証明はできていません。フェルナンジーニョは36歳ですし、いざという時にロドリが頼れなければ、代わりの選手がいない。ペップの守備戦術とマネジメント次第では、崩れる可能性としてはチェルシーよりも心配。それでも、爆発力から連覇に最も近い存在として予想しました。今季も非常に楽しみなシーズンになりそうですね。

  • nomura(C)DAZN

    ベン・メイブリー氏の4連単

    • 1位:マンチェスター・シティ(1.6倍)

    • 2位:チェルシー(6倍)

    • 3位:リヴァプール(6倍)

    • 4位:マンチェスター・ユナイテッド(8.5倍)


    ※オッズはSky Bet(8月13日現在)
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    野村明弘氏の予想は…

    野村明弘氏の4連単予想はコチラ