当初はチェルシーを2位に予想しようと考えていました。何故なら、僕が1位予想にすると大抵外れるので…(笑)。僕はチェルシーファンなので、1位にして優勝できないと嫌だと思ったのですが、ジンクスを覆すことができると信じて、優勝と予想します。とはいえ、希望的観測ではなく、本心から優勝できる力があると考えています。
トーマス・トゥヘル体制として優勝した昨季から大きなマイナス面は見つかりません。そして、それが最大の強みになります。突き抜けている部分はシティのほうが多いとは思うのですが、マイナス要素がない。38試合という長いシーズンを通じて考えると、懸念がないほうが最終的に優勝に近いかなと考えています。
ポジティブな面として、今夏にEURO2020が開催されたことがあります。EUROは選手のモチベーションや疲労など、プラスにもマイナスにも働くことがある。その中でチェルシーには、良いムードでシーズン開幕を迎えられる選手が多いと思います。例えばジョルジーニョは優勝したイタリアで重要な役割を担いましたし、メイソン・マウントやカイ・ハヴェルツらも良い経験を積みました。大舞台での経験を活かして、自信をもって新シーズンさらに活躍してほしいという願望も込みですが(笑)。
そして、なんといってもトゥヘルの存在。彼に関しては、もっと理想主義者で、自己主張が激しく上層部と対立するようなタイプの指揮官というイメージだったのですが、ここまでのチェルシーでの立ち振る舞いなどから、印象が大きく変わりました。マネジメントや選手との接し方、リアリスティックな戦術などを見てきて、ペップ・グアルディオラやユルゲン・クロップに匹敵するような指揮官になれるのではないかと考えています。
ティモ・ヴェルナーも昨季は周囲から厳しい意見を浴びていましたが、実際にはゴール以外のところでの貢献度は高かった。トゥヘルはしっかりとそのような良い面を選手に伝えて、評価していました。ヴェルナーは今季、より多くのゴールを奪うと思います。ファンなので期待も込みですが、ハリー・ケインやアーリング・ハーランド、ロベルト・レヴァンドフスキといった選手がいなくとも、トゥヘルが既存の選手の力を最大限に引き出すはず。得点力はしっかりと補えると考えていたのですが、ここにきてロメル・ルカクの加入が決まりました。まさに、ラストピースが埋まった形。チェルシーが欲しくてたまらなかったタイプの選手の降臨です。ルカクがトップに入ることで、ティモ・ヴェルナーも左サイドで、より生きてくるでしょう。
プレシーズンにキャンプも挟みましたし、昨季よりもさらに一段階上がったチームへとトゥヘルが進化させてくれるに違いありません。マイナス要素の少なさ、そしてファンならではありますが、プラスaがたくさんありますので、チェルシーの優勝を予想させていただきました。本当に楽しみなシーズンです。