Felix Dembele Cancelo GFXGetty/GOAL

フェリックスやカンセロも?デンベレの売却額78億円でバルセロナが獲得できそうな選手たち

バルセロナは、ウスマン・デンベレの売却で大金を手に入れることはなさそうだ。パリ・サンジェルマン(PSG)が支払うとされる5000万ユーロ(約78億円)という金額は、昨今の移籍市場では大金とは言えない。だが、所属選手との契約する余裕すらなかったクラブにとっては大きな資金である。バルサの基準からすると、突然カネが降ってきたようなものだ。

ではこの新たな資金で、バルサは何をするべきか。すでに新契約選手はすべて登録し終わっている。5000万ユーロすべてを銀行に預ける必要はないし、それなりの金額が手元に残るはずだ。

そして、資金を使うべきエリアもはっきりしている。デンベレが去る前ですら両ウィングは心配の種だった。新しい攻撃的な選手が必要なことは確実であろう。右サイドも長い間ジュール・クンデが嫌がっているにも関わらず、彼をバックアップする方法がほとんどない。セルヒオ・ブスケツの代わりが確実にできる選手がまだ加入してこない中盤にも、もうひとり選手が必要かもしれない。

軍資金を手にしたバルサには、その使い方について多くの選択肢がある。バルサのトップターゲットとなりそうな数人について見ていこう。

  • Joao Cancelo Manchester City 2023Getty

    ジョアン・カンセロ(マンチェスター・シティ)

    報道によると、バルサは1月の段階でジョアン・カンセロに声をかけたが、この行き場のないマンチェスター・シティのサイドバックを獲得するのに必要な資金を準備できなかったという。そのためレンタルでバイエルン・ミュンヘンに行き、バルサは残りのシーズンでクンデを右サイドに起用して戦った。もちろん、それはうまくいった。クンデの堅実なプレーで、バルサはラ・リーガ優勝への道を進んだのだ。

    それでも、ブラウグラナにもっと積極的な右サイドがいればよかったと考えることもできる。カンセロは必ずしも典型的な上下運動のうまいフルバックではない。むしろクリエイティブで、危険なパスが出せ、中に切れこみ、もっと前のポジションで何かを起こすことのできる選手なのだ。単純にクンデにはない、基本的にこのポジションに合った実力をもっている。

    クンデが右サイドでも堅実なプレーができる優秀なセンターバックであるのに対し、カンセロはこのポジションにおけるトップクラスの選択肢である。そこに明らかな違いがある。バルサが望むように、重要なポジションをすぐにグレードアップさせてくれる選手なのだ。

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  • Joao FelixGetty Images

    ジョアン・フェリックス(アトレティコ・マドリー)

    こちらはサプライズだ。ジョアン・フェリックスは、昨季レンタルで加入したチェルシーで輝く時間もあった。数え切れないほど華麗なフリックやターンを見せ、ウェストハム戦では素晴らしいゴールもあった。しかし、混乱したクラブでコンスタントにプレーできなかった。

    それはこのポルトガル代表がここ4年間抱えていた問題だ。2019年、ディエゴ・シメオネ監督自ら契約を望んだ選手だが、アトレティコ・マドリーでのプレーは不安定で、懐疑的に見ていた人々が正しかったことを証明してしまった。そのため、アトレティコは喜んで彼を安値で放出するだろうし、いくつかのクラブがそれに飛びつくだろう。

    フェリックス本人もバルサ移籍を熱望している。バルサは、チェルシーやアトレティコよりもはるかに攻撃的なチームであることは確かだ。デンベレがいなくなって右サイドでプレーできる選手が必要となった一方、中盤の真ん中からの創造性にも欠けているように見えるバルサでは、フェリックスの多才さがモノをいうだろう。理論上、フェリックスはこのふたつの需要を満たすことができるはずだ。

    だが、フェリックスには、本当の意味で最適なポジションがない。少なくとも、今のところはそうだ。しかし彼のような才能ある選手が安価で、もしくはレンタルで手に入るならば、試してみる価値があるのは確かだ。

  • Bernardo Silva Manchester City 2022-23Getty

    ベルナルド・シウヴァ(マンチェスター・シティ)

    そう簡単には消えないであろう噂。ここ2年、ベルナルド・シウヴァは、マンチェスター・シティを出たがっていると思われてきた。だが、ペップ・グアルディオラ監督に2度慰留されて残留している。必ずしも意外なことではない。マンチェスター・Cでは彼の成功は保証されており、かなりの報酬も約束されている。アーリング・ハーランドやケヴィン・デ・ブライネとともにプレーするチャンスに身を置いているのに、チームを去りたい理由が本当は何なのか、謎である。

    だがおそらく、今回はチームを去ることになるだろう。シウヴァの契約はあと2年しか残っていないが、報道によると、クラブから最後通牒を受けたにもかかわらず、まだ更新されていないようだ。全体的に見て、実際に行く道は2つあるといえよう。ひとつは残留して、多くの成功と多額の報酬を手にいれる道。もうひとつはクラブを去り、ヨーロッパ最大のクラブのどこかに加入し、面白そうな計画を遂行する一部となるチャンスを得るという道である。

    ここで問題になるのは、値札の額だろう。マンチェスター・Cが5000万ユーロより高額を求めてる可能性は高く、PSGが興味を示せば移籍金は吊り上がるだけだろう。今のところ、バランスを考えなければならない。

  • Fresneda Real ValladolidGetty

    イバン・フレスネダ(レアル・バリャドリード)

    バリャドリーの右サイドで、昨年あらゆる片鱗を見せていた。前に向かう原動力を提供し、必要な時は見事な1対1のディフェンスを見せていた。1月のレアル・マドリー戦でヴィニシウス・ジュニオールを黙らせてスポットライトを浴び、それ以降、移籍の噂が絶えることはなかった。

    19歳のフレスネダはまだ若く、すぐに先発メンバーとなるには粗削りすぎるかもしれない。だが、クンデの周りに配置し、戦術に対して柔軟性を与えてやれば、チーム内で成長していける選手であり、5年後にはトップクラスのフルバックになれるはずだ。

    カンセロにように正確なパスを出すことや、クンデのように守備範囲の広いディフェンダーではないかもしれない。だが、フレスネダは優秀な右サイドバックであり、偉大な選手になるためのあらゆるスキルをもっている。

  • giovani Lo Celso | Argentina@Getty

    ジオヴァニ・ロ・チェルソ(トッテナム)

    プレミアリーグのファンはこの選手がこのリストに入ったことに困惑するかもしれないが、それはもっともである。スターのような輝きを見せたのはほんの一瞬で、トッテナム在籍期間を特徴づけるようなものはほとんど何もなく、ロ・チェルソの衝撃は最小のものであった。

    だがビジャレアルでの18カ月間、ロ・チェルソは当時のウナイ・エメリ監督にとってとても重要な選手だった。ワイドなミッドフィルダーとしても第二のストライカーとしても機能し、見事なカウンターを身上とするチームにとって信頼できる司令塔であり、時には得点もした。サッカー選手としてのあの姿をもってすれば、チャビ監督にとって非常に貴重な選手となりえるだろう。

    だが、ここでも交渉しなければならない。スパーズは昨年のクレマン・ラングレの活躍を見て、このセンターバックを完全移籍させたがっており、バルセロナはロ・チェルソを欲しがっている。つまり、重荷になっている選手を放出し、優秀な選手を最低金額で得ることのできる方法がありそうなのだ。必ずしも目玉となるような契約ではないが、ひそかに良好な契約となりうるだろう。

  • LEROY SANE FC BAYERNGetty Images

    リロイ・ザネ(バイエルン・ミュンヘン)

    バイエルン・ミュンヘンでのトーマス・トゥヘル改革は続いている。1日にスパーズのダニエル・レヴィ会長と直接会談し、今後数週間でハリー・ケインとの契約に決着をつけたいと望んでいるため、リロイ・ザネは困った状況に陥るだろう。

    バイエルンは前線に優れた選手がたくさんいるが、その選手たちをどう組み合わせるか、まったくはっきりしていない。それでもジャマル・ムシアラとキングスレイ・コマンは先発であり、ケインは要だ。トーマス・ミュラーとセルジュ・ニャブリも短時間ならプレーできるため、ザネにはブンデスリーガでのレギュラーの座が保証されているわけではない。

    2カ月前にバイエルンで新体制が発足して以降、ザネが出ていくのではないかと噂されているし、チーム内でポジションが確定している選手はいないことは明らかだ。さらにザネがバルセロナに加入できれば、戦術的にフィットすることはもっと明らかである。

    ザネはマンチェスター・Cでグアルディオラのもとでプレーしたことがある。だが、右サイドでプレーできる能力をもち、必要な場合は影の背番号9となれるザネは、価値の高い財産となりうる。スペインの雑誌SPORTは、ザネもブラウグラナの移籍候補にすべきだと主張している。

  • Alexis Sanchez MarseilleGetty

    アレクシス・サンチェス(フリー)

    フリーのアレクシス・サンチェス? 34歳の? 資金があるのに? 噂があるのは事実らしい。足技が衰えつつあり、あちこちケガの多いこのウィングが、バルサに戻るというセンセーショナルな報道が数多くあるのだ。

    昨年はマルセイユで重宝され、チームがリーグ・アンの優勝争いの道を突き進む中、14得点3アシストを記録していた。レギュラーを期待しての契約ではないが、チャビ監督の戦術には完璧にフィットするだろう。複数の選手のためにカネを使わなければならないとしたら、それもボーナスや報酬、代理人の手数料を考えなければならない契約となれば、サンチェスは最高にお買い得な選手のひとりである。

    これはれっきとした再生計画にもなりうる。チャビはフリーで獲得したアンドレアス・クリステンセンを見事に活躍させたし、フレンキー・デ・ヨングやデンベレの傾きかけたキャリアを再生させた。もうひとり、そのリストに加わったとしてもおかしくないだろう。

  • Gabriel Veiga Celta Vigo 2022-23Getty Images

    ガブリ・ベイガ(セルタ・ビーゴ)

    これまでガブリ・ベイガが売りに出されるのを多くのクラブが待っていた。昨年セルタ・ビーゴで、ラ・リーガでブレイクしたスターのひとりとなった。たった4000万ユーロ(約62億円)というとんでもなく低額のリリース条項は、21歳の有能な選手を安価で買えるチャンスである。クラブの会長はすでに、チームの攻撃的ミッドフィルダーのスターは新シーズンのチームにはいないだろうと認めている。

    報道によると、多くのクラブが彼との契約に関心を示しているが、バルセロナは6カ月近く追いかけ続けているという。チームにフィットするかどうかに関していえば、面白い選手である。ベイガはデンベレよりはフェデリコ・バルベルデに近い、強烈なミッドフィルダーである。遠い距離からのシュートが打てるし、パスを選択することもできる。相手ディフェンダーを倒してスピードを保つこともできる。

    必ずしもチャビ監督が欲するようなテクニシャンなウィングではないが、ベイガのエネルギーと創造性は極めて重要だ。電光石火の活躍ができ、何かを起こすことのできる選手であり、魔法のような瞬間を生みだして試合の流れを変えることができる。バルサには彼の支払いに回せる数ユーロの余裕があるはずだ。

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