今年のNXGNはランキング形式ではなく、若き才能50選手を紹介。対象は、2004年1月1日以降に生まれた選手たちだ。ここでは、その中でも特に有望なエリート9選手をピックアップする。
GOALNXGN Nine 2023:藤野あおばも! 世界最高の若手女子9選手
GOALアライン・ゴメス(フェロヴィアリア)
ブラジル代表監督のピア・スンドハーゲは昨年FIFAのインタビューを受けた際、U-20W杯において、最も印象に残ったセレソンのメンバーを尋ねられた。それに対し「一番若い選手ですね」と応じている。
スンドハーゲが指すのは17歳のアラインのことだ。コスタリカで行われた大会で、ブラジル代表の中で2005年産まれの選手は彼女ただ一人だった。
ワイドから華麗な攻撃を見せるFWのアラインにとって、昨年は大きな1年だった。U-17とU-20W杯で注目を集め、ブラジル1部フェロヴィアリアでスターティングメンバーとしてレギュラー出場するようになった。さらにリーグの「レベレーション・オブ・ザ・シーズン」に選出されている。
GOALリンダ・カイセド(レアル・マドリー)
バルセロナ、チェルシー、リヨン…18歳の誕生日が近づくにつれ、カイセドは女子サッカー界の様々なクラブから興味を示されていた。だが、今年2月に女子サッカー界で最もエキサイティングな若き才能との契約にこぎつけたのは、レアル・マドリーだった。
カイセドは14歳の時にクラブチームのアメリカ・デ・カリとコロンビア代表の両方でプレーして注目を集め、それ以来獅子奮迅の活躍を見せてきた。その間、タイトなスケジュールや物議を醸したデポルティボ・カリへの移籍などで批判を受けながらも突き進んだ。
この18歳のFWは2022年コパ・アメリカで大会最優秀選手に選出された。持ち前のスピードと最高クラスのフィニッシュ精度は、スペインでの生活に慣れるにつれ注目を集めることになるだろう。
GOAL藤野あおば(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
WEリーグの2021-22シーズンで最も際立った選手の一人であった藤野は、エキサイティングな次世代選手を誇る日本で最近ブレークしたトップ選手だ。
この19歳のFWは、2019年AFC U-16女子選手権を果たした輝かしいU-16チームの一員で、この大会に出場したチームメイトの多くは2022年U-20W杯で決勝進出したチームの一員として、再び輝きを放った。
藤野の素晴らしいテクニックと、ディフェンダーを抜き去るペースの切り替え、相手に打撃を与えるスペースへ入り込む意識の高さは、短いキャリアながらも明確だ。W杯を前にして、なでしこジャパンの一員としての役割を確立し始めている。
GOALウィーケ・カプテイン(トゥエンテ)
2022年5月、カプテインはジレンマに陥っていた。オランダ代表としてU-17 EUROに出場すべきか、トゥエンテに残りリーグタイトルを掲げるか、選択に迫られた。
当時わずか16歳であったが、このMFはこれを「贅沢な問題」と表現した。結局この時は、クラブが彼女を手放さない決断を下した。これは彼女が若くして重要な存在であることを強調するエピソードだ。
カプテインはリーグ24試合中20試合に出場し、オランダ王者となってシーズンを終えた。なお、このうち16試合でスタメン出場を果たしている。自身はエールディヴィジの年間最優秀選手賞に選出された。「普通じゃあり得ないことですよね」とこのティーンエイジャーはESPNに語っている。「この年齢で私が経験していることは、とても、とても、とても最高です」。
GOALフランツィスカ・ケット(バイエルン・ミュンヘン)
若くして欧州最高峰のクラブでトップチームに割って入り、常にインパクトを残そうと思えば、それだけの才能が必要だ。ケットは、あらゆる意味でその通りの選手だ。
この18歳のウィンガーは10月にメッペンを相手に初スタメン出場となった。この試合で初めてトップチームで得点し、さらに数週間後には2得点目を奪っている。11月のチャンピオンズリーグでバルセロナとのアウェー戦に臨むメンバーにも名を連ねており、彼女への評価の高さがうかがい知れる。
創造的で、得点力にあふれ、両足を使うことができる。ケットは著しく危険なFWであり、予測不能な存在だ。さらに万能性と守備における責任感も兼ね備えるケットは、監督にとっては自由に起用することができる理想の選手だ。
GOALヴィッキー・ロペス(バルセロナ)
ロペスがサッカー界で最もエキサイティングな若手有望株の一人であることは以前から知られている。しかし、2022年はそのことをさらに強調した1年であった。
10月のU-17女子W杯で優勝したスペイン代表のスターとなったロペスは、大会最優秀選手に選出され、その1ヶ月後にはバルセロナでデビューを飾ることに成功した。
さらに、今年1月には初ゴールを記録した。世界最高のチームで重要な貢献ができる選手になる兆候がすでに見えている。しかも、ロペスはまだ16歳なのだ。
GOALモニーク・エンゴク(ランス)
2022年10月にカメルーンのバロンドール賞を受賞したエンゴクは、自国の最も輝かしい若手選手であるだけでなく、アフリカで最も有望な若手選手のひとりでもある。今や世界中の10代有望株と肩を並べる存在だ。
中盤深くでプレーする18歳は、チームがボールを持つと自信をのぞかせる。ボールを要求したり、自分に関与するとこでなくとも、指示する姿がよく見られる。また、シンプルなパスワークと前に出ようとする気持ちを非常に上手く融合させている。
2022年夏にランスに加入した。このフランスのクラブはまさに原石を発掘したようだ。彼女の得意とするポジションでサッカー界最高の逸材になる可能性を秘めている。
GOALジェイディン・ショー(サンディエゴ・ウェーブ)
2022年7月31日はNWSLの歴史に刻まれる日だ。この日は、ショーがデビュー戦でゴールを記録した最年少選手となった日だ。
サンディエゴ・ウェーブの次の試合で再び得点を挙げると、次戦でもネットを揺らした。この活躍により、ショーはデビューから3戦連続で得点したNSWL史上2人目の選手となったのだ。大舞台で活躍する可能性を秘めたフォワードが、大舞台で爆発したのである。
彼女を形作ったここ数年間でこの18歳を指導したことのある人は、その創造性や魅惑的なフットワーク、無から有を生み出す能力を目の当たりにした。これらの特徴はショーの歩みのなかで特に輝いていた。2018年にはCONCACAF U15選手権で最優秀選手に選ばれ、パリ・サンジェルマンで練習に帯同することになった。
GOALアリッサ・トンプソン(エンジェル・シティ)
トンプソンがアメリカU-20女子代表のトレイシー・ケビンズ監督の目に留まったのは、自分より4歳年上のカテゴリーでプレーしていたときのことだ。それほど挑戦的な環境で目立っていたということが、彼女自身とその能力の高さを証明している。
2023年のNWSLドラフトで全体1位、史上最年少で指名されるまでの数年冠、トンプソンはTotal Futbol Academyでプレーしていた。女子は彼女一人で、当時17歳であった。
トンプソンは現在NWSLのエンジェル・シティに所属し、2023年のデビューシーズンに備えているが、すでにアメリカ女子のフル代表にも選出されている。2022年10月には満員のウェンブリー・スタジアムで行われたイングランド戦で初キャップを記録している。