NxGn：クライファートにヴィニシウス、フォーデンら2018年のワンダーキッドは今？

当時：アメリカとドイツの血を引く攻撃的MF。その豊かな才能に目をつけたバルセロナが獲得を画策していた。しかし、ドイツ王者は15歳でグロイター・フュルトから引き抜いた至宝を手放す気はなく、その将来は明るいものだと思われていた。

現在：ティルマンのバイエルン生活はまったく予定通りにいかなかった。2018-19シーズンにはニュルンベルクへレンタルに出されたが失敗に終わり、翌シーズンの上半期をケガで棒に振ることに。そしてティルマンはレンタルではなく完全移籍でグロイターへ戻りたいと希望し、2020年1月にそれが実現している。

当時：6歳から名門バレンシア・ユースの一員だったF・トーレスは、エレガントな右ウイングとしてすでにトップチームのレギュラーを確保していた。18歳にして様々なプレーが可能な彼には、ラ・リーガの二大巨頭（レアル・マドリー＆バルセロナ）も警戒していた。

現在：F・トーレスはこの3年間で世界中に知られる存在となり、バレンシア史上最年少のチャンピオンズリーグ得点者となった。さらにクラブ史上最年少でラ・リーガ50試合出場も果たしている。スペインのフル代表にも選ばれ、2020年夏に2100万ポンド（約32億円）でマンチェスター・シティに移籍した。

当時：18歳になったばかりの俊足ストライカーだが、PSGでもアメリカ代表でもすでにデビューを果たしていた。スーパースターだった父親のジョージと同じように、パルク・デ・プランスであらゆるチャンスをつかんでいくだろうと思われていた。

現在：2018-19シーズンにロケットスタートを切ったT・ウェアだったが、冬の移籍市場でセルティックにレンタルで放出され、スコットランドでは残念な結果に終わった。その夏リールに完全移籍したが、最初のシーズンをケガで棒に振ることに。それでも、今シーズンはリーグ・アンでタイトルを争うリールのエースストライカーとして大活躍を見せている。

当時：リヴァプール史上最年少の得点者となったウッドバーン。世界屈指の競争ゆえに若手にとっては厳しいチーム状況の中でもある程度チャンスを掴んでいたが、やはり出場は難しく、スティーヴン・ジェラード率いるU-19へ戻り、そこでキャプテンを務めていた。さらにウェールズ代表として、オーストリア戦で決勝点も挙げている。

現在：シェフィールド・ユナイテッド、オックスフォード・ユナイテッド、ブラックプールにレンタル移籍したがケガのため思うような活躍ができず、現在はリヴァプールに戻りU-23チームでプレーしている。

当時：ヨーロッパ強豪同士によるし烈な競争の中、ドルトムントがPSGユースからフリーで獲得。世界中がうらやむ契約だった。DFライン複数ポジションでプレー可能な彼は、2017-18シーズンでは左サイドバックとしても活躍している。

現在：ザガドゥはここ数年ドルトムントで難しい時期もあったが、現在はディフェンスの中心になりつつある。まだまだ粗削りで欠点もあるが、フランスU-21代表としても素晴らしい活躍をしており、ドルトムントが獲得のために激しく戦った理由が証明されつつある。

当時：ペップ・グアルディオラは、この選手をクラブのアカデミーからトップチームへの「贈り物」と呼んで称賛していた。技術の高い攻撃的ミッドフィルダーは、すでにプレミアリーグやチャンピオンズリーグにも出場しており、2017年のU-17ワールドカップでは優勝を果たしたイングランド代表の一員として大活躍。ゴールデンボール賞も受賞した。

現在：トップチームでプレーする機会は着実に増えており、今季はその才能が覚醒。今やグアルディオラ監督のチームにおいても、イングランド代表においても主要メンバーとなっている。クラブでも代表でも必ず先発メンバーに選ばれるというわけではないが、最高レベルの試合に欠くことのできない選手となるのも時間の問題だろう。

当時：過去数年間で最も将来性あふれるセンターバックと絶賛され、すでにオランダ代表でもデビュー。世界中のビッグクラブが注目する中、バルセロナへの移籍がしつこく取り沙汰されていた。

現在：2019年夏にそのバルセロナと契約するとみられていたが、アヤックスのキャプテンとして国内2冠とチャンピオンズリーグ準決勝進出を達成した後、最終的にユヴェントスへ移籍した。トリノでの最初のシーズンはケガに泣かされ不遇だったが、21歳のデ・リフトは成長を見せ、ゆっくりではあるが確実にディフェンスリーダーとなりつつある。

当時：ブラジルや全世界に衝撃を与えた16歳のウインガーは、すでにレアル・マドリーと4500万ユーロ（約58億円）という巨額契約を交わしていたが、この世界記録的な金額も安いものだったと思われはじめていた。2018年の夏までレンタル移籍でフラメンゴに戻っていたが、その後は急速な成長を見せていた。

現在：最初はフレン・ロペテギ元監督に過保護気味に扱われて制限を受けていたが、後任のサンティアゴ・ソラーリ元監督のもとでは自由となり、センセーショナルなプレーを連発。特にカンプ・ノウでのコパ・デル・レイでのクラシコで大活躍。まだゴール前で決定的な働きには欠けるが、サンティアゴ・ベルナベウで勝利を導く本物の選手になりつつある。

当時：2017年の『NxGn』を獲得した彼だが、代理人ミノ・ライオラの画策などで契約を巡る問題に巻き込まれ、不遇の12カ月を耐えることに。しかしながら「未来のジジ・ブッフォン」は若さに見合わぬ冷静さと反応で、19歳ながらミランのNo.1としてその地位を不動のものにしていた。

現在：そして今でも、ドンナルンマの立ち位置は変わらない。ミランではもはや絶対的な存在となり、セリエA200試合以上出場を達成。さらにEURO2020に臨むアッズーリ（イタリア代表の愛称）でも、もはや替えの効かない存在となっている。

当時：アヤックスのウインガーは、その滑らかなスキルと音速を超えるスピードでネイマールに匹敵するとあらゆる方面で絶賛を浴びていた。レジェンドの息子として当然のように、わずか18歳でありながらマンチェスター・ユナイテッドやバルセロナといったメガクラブの注目を集めていた。

現在：2018年に最終的にローマへ移籍することとなり、理想的なやり方でオランダ代表へと駆け上がって、スーパースターにのぼりつめると信じられていた。しかしながら、イタリアの首都ではコンスタントな活躍ができず、今シーズンはRBライプツィヒにレンタルで加入。ユリアン・ナーゲルスマン監督のもとで復活をめざしている。