大勢のサッカーファンが悩みはじめた難問がある。すなわち、金持ちの国家がオーナーのチームをサポートできるか、という問題である。パリ・サンジェルマンやニューカッスルのようなチームの買収という悪いニュースを受け、サポーターたちは道徳的な板挟みに苦しんでいる。
この問題に対する意見はどうあれ、前述した2チームが水曜に対戦し、その背景に中東2カ国の争いがあることは間違いない。ヨーロッパ最大の大会で2つの由緒あるサッカーチームが対戦しただけの話ではないのだ。
青コーナーはサウジアラビアとニューカッスル。赤コーナーはカタールが後援するPSG。ピッチやスタンドにおけるライバル関係以上に、互いの上層部には特殊な敵対関係が存在する。少なくともサッカー界では今までになかったことだ。2つのクラブが買収された時期には10年の隔たりがあり、カタール・スポーツ・インベストメンツ(QSI)がPSGを買収したのは2011年、サウジアラビア・パブリック・インベストメント・ファンド(PIF)が手厚く後援する団体がニューカッスルの買収を完了したのは2021年だった。
セント・ジェームズ・パークにほとんど来ることもなく、舞台裏で起こりうる地政学的緊張について無知でほとんど気にすることもなく、オーナーたちにとっては相手に勝つことが目的でもない。大方は、ニューカッスルがヨーロッパサッカーのトップに返り咲いたことを称えたいと思っているだろうが、この試合には、ただ勝ち点3を争う以上の重い意味があるのだ。

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