5月8日(月)、フラムFCの本拠地クレイヴン・コテージで前半終了の笛が吹かれたとき、アウェイスタンドにブーイングの嵐が吹き荒れた。レスターから遠征してきたファンは、自分たちのチームがフラムに3得点もプレゼントする一方、反対のペナルティーエリアには入りこむことすらできない事態を見せられたのだ。この試合は、悲惨なシーズンのターニングポイントになるはずだった。ところが、またしても降格の危機に瀕するフォックスの寿命を縮める試合となってしまったのだ。
ほぼ7年前、同じサポーターたちはホームのキング・パワー・スタジアムですし詰め状態になりながら、プレミアリーグのトロフィー授与の完璧な前奏曲として、世界的に有名なイタリアのテノール歌手、アンドレア・ボチェッリの「誰も寝てはならぬ」の歌声を聴いていた。もう少し最近の話としても、レスターのファンたちは、チャンピオンズリーグの準々決勝や、欧州リーグの常連としての試合、ウェンブリー・スタジアムでのFAカップ決勝の勝利を楽しんでいたものだった。
それが今や、リーグ戦残り3試合で奇跡的な連勝でも起こらないかぎり、レスターは、スペインのワンダ・メトロポリターノでの夜の試合ではなく、トーントン・ディーンでちょっと寄り道をしてからプリマス・アーガイルへ行くことになりそうなのだ。
レスターの凋落は目覚ましかった。去年の夏も長く望まれているチームの立て直しが実現しなかったことで、今シーズンも優勝争いをするとは期待されていなかったものの、シーズン末にここまでぼろぼろになるとは誰も予想していなかった。いったいなぜ、こんなことになってしまったのか。




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