England winners losers Jude Bellingham Thomas Tuchel GFX 16:9Getty/GOAL

ベリンガム&フォーデン、ラッシュフォードは危うし?サカは確約、エゼもアピールに成功!【イングランド代表メンバー争い】

2026年ワールドカップ欧州予選で6連勝を達成し、すでに本大会出場を決めていたイングランド代表。そして迎えた第7節のセルビア代表戦は、2-0という結果よりも、本大会への切符を掴むためにアピールに成功する選手が誰になるのかに大きな注目が集まった。そしてトーマス・トゥヘルの信頼を確かなものにした選手もいれば、雲行きが危うくなった選手も存在する。今回は、明暗が分かれた選手たちをピックアップする。

  • Jude Bellingham Phil FodenGetty Images

    敗者:ジュード・ベリンガム&フィル・フォーデン

    モーガン・ロジャーズがイングランドの10番として先発する限り、この2人の状況は同じだ。本来なら彼らが失うべきポジションが、今やアストン・ヴィラの若き才能からその座を奪取する状況になっている。

    キックオフ数時間前に先発メンバーがリークされると、見出しを踊ったのは「ジュード・ベリンガムとフィル・フォーデンがベンチスタート」であること、そして「ロジャーズがスタメンの座を勝ち取った」ことだった。トゥヘルはすでにベリンガムとフォーデンを中盤の攻撃的MFとして考えていることを認めていたため、この決断には大きな注目が集まっている。指揮官は、両選手に「なぜ自分たちが先発すべきなのか、改めて一から示せ」と明確なメッセージを送ったのだった。

    そんな両選手だが、ベリンガムは10番に、フォーデンはケインに代わって最前線で途中出場した。そして、エベレチ・エゼの追加点に関与している。フォーデン自身は『ITV』に対し、途中出場からのパフォーマンスについて「よくやれたと思う。チャンスも作ったし、決められなかったのは不運だった。全体的に見て、今日の自分のインパクトには満足すべきだと思う」と語っている。さらに、指揮官が望むなら、ベンチスタートも受け入れると語った。

    確かに、ベリンガムとフォーデンのパフォーマンスは好調で、今後間違いなく再び大きなチャンスがやってくるだろう。この日のプレーであれば、メンバーから外れることはないはずだ。しかし現状、ロジャーズの後塵を拝していることは明確になった。

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  • England v Serbia - FIFA World Cup 2026 QualifierGetty Images Sport

    勝者:ブカヨ・サカ

    先月のウェールズ戦でゴールを奪い、アーセナル所属選手としてイングランド代表最多得点記録を更新したブカヨ・サカ。しかしトゥヘルは、「イングランド代表で何ゴール決めたんだ? 13点? もっと多いはずだ! 十分じゃないよ。彼は続けないとね。少なくとも、私は30ゴールは決めていると思っていたよ。でも、それでも『十分じゃない』と言っただろうけどね。私は決して満足しない男だ」とし、さらなる活躍を求めた。そしてサカ自身も、「彼の意見には100%同意だ。もっと上を目指したい」と宣言している。

    「ピッチに立てること自体が重要だ。イングランド代表には、チャンスを作り出し、それを決められる圧倒的なクオリティの選手たちがいる。だから僕にとって、ピッチに立てること自体が十分なんだ。あとは僕自身、監督、コーチングスタッフ次第だね。彼らが僕たちに最適なゲームプランを用意し、自分らしさを発揮し、最高のクオリティを示し、表現できるようにしてくれる。だから、そう、あとは僕次第だよ」

    そしてその言葉通り、サカはピッチ上で期待に応えてみせた。言うまでもなく、見事な先制ゴールで。これで明確になったのは、現時点でトゥヘルのチームで確定しているポジションは3つだけ。ストライカーのハリー・ケイン、中盤中央のデクラン・ライス、そして右サイドのサカだ。

  • FBL-WC-2026-ENG-SRB-QUALIFIERAFP

    勝者:エベレチ・エゼ

    ベリンガムとフォーデンに注目が集まったことで、エゼは自分のプレーだけにより集中できたのかもしれない。トゥヘルが投入した5人の交代選手の中で、エゼは最もフレッシュな状態だった。すでにベンチから試合を変えられることを証明している彼だが、この日の決勝点で改めてその能力を示した。これがイングランド代表3ゴール目、出場機会が31試合少ないにも関わらず、フォーデンの得点数に1ゴールまで迫っている。

    トゥヘルにとっての“ゲームチェンジャー”の地位を確立しつつあるエゼだが、試合後のインタビューでは相変わらず謙虚な姿勢を見せた。『ITV』に対し、「チームには素晴らしい才能が多い。ここにいる選手たちもそうだし、ここにいない選手もそうだよ。でも、これこそ僕が求めている競争なんだ。間違いなくチームにとってプラスだよ」と語っている。指揮官は、先発メンバーが11人しかいないことに頭を悩ませているかもしれない。

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  • England v Serbia - FIFA World Cup 2026 QualifierGetty Images Sport

    敗者:マーカス・ラッシュフォード

    エゼがチャンスを最大限に生かしたのに対して、彼と65分に交代したマーカス・ラッシュフォードはその逆だった。バルセロナへのレンタル移籍で調子を取り戻していた彼だが、セルビア戦では結果を残せず。インパクトを欠いた上、エゼのパフォーマンスによってその立場は危うくなっている。

    そんなラッシュフォードにとって救いだったのは、左サイドでライスやデビューを果たしたニコ・オライリーとの連携が悪くなかったこと。トゥヘルがピッチ上の連携面を何よりも重視するのであれば、全く無意味な夜ではなかったと言えるかもしれない。

  • Nico O'ReillyGetty Images

    勝者:ニコ・オライリー

    初めてイングランド代表に招集された20歳は、素晴らしい一夜を過ごした。セルビアで最も脅威になっていた右サイドの攻撃を、このマンチェスター・シティ育成組織出身のオライリーは見事に対処。そしてビルドアップでも効果的な役割を果たし、攻撃にも積極的に関与している。

    10月は負傷者が出たためだったが、11月の招集は完全に彼の実力だ。今回のパフォーマンスにより、来年のワールドカップも十分に射程圏内だろう。トゥヘルは試合後、オライリーを「彼は冷静で控えめな性格だ。ピッチ上では非常に知性的で、我々が求めた役割にうまく適応した。よくやったよ」と称賛している。

    そして本人は、「今夜は夢が叶ったね。このユニフォームを着て、家族やファンの前で、ワールドクラスの選手たちに囲まれてウェンブリーでプレーできる…光栄だったよ。素晴らしい夜だったね。みんながワールドクラスなのは予想していたし、監督は求めるものや戦術を理解している。僕はシステムに素早く適応できた。楽しんでいるよ」

  • Latvia v England - FIFA World Cup 2026 QualifierGetty Images Sport

    敗者:マイルズ・ルイス=スケリー

    トゥヘルは先月、マイルズ・ルイス=スケリーに対して「アーセナルで先発できなければ、代表での序列も後退する」と警告していた。その後、彼はプレミアリーグで3分間しか出場できていない。11月のメンバーからも外れたのは当然の結果と言える。そして今回のセルビア戦で、オライリーが輝きを見せた。つまり、ルイス=スケリーの立場はさらに危うくなったということだ。

    依然として国内最高の若手選手の1人であるし、招集された際に素晴らしいプレーを見せたのも事実である。だが、プレミアリーグ首位チームでプレーしていることが、代表チームだけを考えればマイナスになっているのかもしれない。今のアーセナルでポジションを掴めるDFは、世界に数人しかいないだろう。今のままでは来年のワールドカップメンバー入りは難しい。

    しかし、ルイス=スケリーはまだ19歳になったばかり。そして、アーセナルは成長するためには最高の環境だ。もちろん、彼自身も愛するクラブを去ることなんて考えていないだろう。たとえ来年のワールドカップを逃すとしても、キャリア全体を見ればこのクラブで得るものはあまりに大きい。そして、彼の時間は間違いなくやってくる。焦る必要はまったくない。

  • FBL-WC-2026-ENG-SRB-QUALIFIERAFP

    勝者:エズリ・コンサ

    イングランド代表には、もはやジョン・テリーやリオ・ファーディナンドのような絶対的なセンターバックはいない。各ポジションにワールドクラスが揃うスリーライオンズだが、センターバックだけはやや見劣りするのも事実だろう。

    本大会へ向けて、おそらくジョン・ストーンズ、マーク・グエイ、そしてコンサの3人がポジションを争うことになる。そしてグエイのケガにより、アストン・ヴィラDFがセルビア戦ではスタメンの座を勝ち取った。すると、持ち前のスピードで相手のカウンターを抑えることに成功。勝利に大きく貢献している。

    もちろん、この試合ですべてが決まるわけではない。ここから5月に向けて、アストン・ヴィラでさらにパフォーマンスを高める必要がある。それでも、コンサがこの試合でアピールに成功したことは間違いないだろう。

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