このページにはアフィリエイト リンクが含まれています。提供されたリンクを通じて購入すると、手数料が発生する場合があります。
20251010-u20-world-cup-japan-france-yuto-ozeki©Getty Images

欧州強豪クラブのGMが評価する一方で…大関友翔がU-20W杯で知った自身の現在地

FIFA U-20ワールドカップはJ SPORTSチャンネルで配信

Amazon

 FIFA U-20ワールドカップ

Amazon Prime Videoチャンネル「J SPORTSチャンネル」で配信中!

14日間無料トライアルあり!今すぐ視聴開始

Amazon J SPORTSチャンネル

14日間無料トライアルあり!

無料体験で視聴

チリで開催中のFIFA U-20ワールドカップ。若き日本代表は、ホスト国が同居したA組を3連勝突破し、勢いそのままにラウンド16に臨んだ。相手のU-20フランス代表はE組の3位突破であり、今大会がインターナショナルマッチウィーク外の活動だったため、40人以上から招集を断られたという報道もあるなど、同年代のトップが揃う陣容ではなかった。実際に今大会の戦いぶりもレベルが高いとは言いにくいものだった。しかし…日本は16強の壁をまたしても破れなかった。ここでは10番を背負ったMF大関友翔(川崎フロンターレ)にフォーカスする。

取材・文=松尾祐希

▶U-20W杯日本代表コラム:令和の“調子乗り世代”の舞台裏

  • 20251010-u20-world-cup-japan-france©Getty Images

    打っても打っても決まらない

    あまりにも残酷な結末だった。

    U-20W杯ラウンド16。日本は戦前の想定以上に押し込み、決定打を何度も何度も撃ち込んだ。しかし、ゴールが生まれない。ポストに当たる乾いた音、バーを直撃する度に鳴り響く鈍い音。GKに阻まれたシーンも含め、日本が天を仰いだ回数は数え切れない。

    ピッチ内では焦りが生まれ、攻め疲れた日本は徐々にトーンダウン。後半半ば以降はビッグチャンスを生み出せなくなり、最後は延長後半終了間際のPKに泣いた。

    「まだ受け止められていないのが現状で、頭の整理も追いつかない。負けた事実を消化するだけで今は精一杯」

    振り絞るように悔しさを言葉にしたMF大関友翔にとって、この敗戦はあまりにも受け入れ難いものだった。

    [4-2-3-1]で臨んだフランス戦はグループステージ同様にボランチに入り、中盤の底でゲームメイクを託された。最終ラインからうまくパスを引き出し、タイミングを見ながら前線にボールを供給。自らも3列目から前に顔を出し、相手GKを脅かすような強烈なミドルシュートを打ち込んだ。

    チームだけではなく、個人としてもパフォーマンスは決して悪くはない。「内容で差は感じなかった」と話すように、クオリティーでは勝っていたが、勝負に徹する強さは相手に分があった。

    「今日みたいな試合に勝ち切れるのか。それとも勝ち切れないのか。強豪国と言われるヨーロッパや南米のチームは、こういうところを勝ち切ってくる」と大関は言葉を振り絞った。

  • 広告
  • 20251010-u20-world-cup-japan-france-yuto-ozeki©Getty Images

    右肩上がりの成長の過程で

    振り返れば、とてつもないスピードで直近1年間を駆け上がってきた。

    川崎F・U-18から2023年にトップチームに昇格するもリーグ戦出場はなし。翌24年はJ3の福島ユナイテッドで武者修行した。福島ではシーズンを通して主力として活躍し、経験を積む。迎えた今季は復帰した川崎Fで出場機会を掴み、AFCアジアチャンピオンズリーグでも印象的なプレーを見せた。そうした積み重ねが評価され、7月のE-1選手権でA代表デビューも果たした。まさに、右肩上がりで成長を続けている。

    実際、今大会もターンオーバーで休養したグループステージ第3戦には出場しなかったが、このフランス戦だけではなく、エジプトとの開幕戦、チリとの第2戦で技術力の高さを存分に披露。相手の逆をうまく取りながらボールを運び、攻撃の中心として欠かせない働きを見せた。

    そのパフォーマンスには海外クラブのスカウトも注目。実際に現地に訪れていたスペインの強豪・バレンシアのGMが「次にボールを受ける選手がやりやすいようにプレーしている」と高い評価を与えるなど、爪痕を残せたことは間違いない。本人も「最後はこんな形になってしまった」と前置きしつつ、「自信にはなる大会だった」と一定の手応えも語っている。

    しかし、一方で課題が見つかったのも事実ではある。フィジカル的な強さはまだまだで、“8番”としてプレーするのであれば物足りない。ラウンド16で大会を終えてしまったことで、真の強さを持った世界の強豪と対戦できず、もう一つ上の強度を持った相手にどこまでやれるのかを確認できなかった。

    「この悔しさを消化するというか、やり返すためには、もう1回世界大会の舞台に帰って来なきゃいけない」

    身をもって知った勝負の厳しさ。その経験が今後のサッカー人生において、血となり肉となる。敗戦から味わう悔しさや、だからこそ見えた景色もあっただろう。逆に言えば、チリに来なければ、気付けなかったことでもある。

    「これが今の自分の実力」

    そう言ってスタジアムを後にした日本の10番は、新たな未来を紡ぐためにここからリスタートを切る。

    ▶U-20W杯日本代表コラム:令和の“調子乗り世代”の舞台裏

0