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地球の裏側で快進撃を続けるU-20日本代表、令和の“調子乗り世代”が8強を懸けフランスに挑む!

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9月27日(現地時間)に開幕したFIFA U-20ワールドカップ。若き日本代表は、アフリカ4位のエジプト、開催国チリ、オセアニア王者のニュージーランドと同居するA組で3戦全勝し、7得点・無失点で首位通過を決めた。U-20日本代表がグループステージを全勝で突破するのは、今大会が史上初の快挙だ。無敗突破は2勝1分だった“調子乗り世代”ーー権田修一、槙野智章、森重真人、安田理大、内田篤人、太田宏介、柏木陽介、香川真司らを要した2007年カナダ大会以来、2度目のこととなる。躍動を続ける“船越ジャパン”はいかにしてここまで来たのか。チームの舞台裏を現地での密着取材からお届けする。

取材・文=松尾祐希

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  • 20251008-U20WorldCup-japan-rion-ichihara©Getty Images

    2028年ロス五輪を目指すチーム

    船越優蔵監督率いるU-20日本代表は、U-22代表とともに、2028年のロス五輪を目指すチームだ。“下級生”である20歳以下の選手たちにとって、このW杯は本気の勝負ができる貴重な国際大会であり、A代表へのステップアップはもちろん、ロス五輪を見据えても無駄にできない舞台でもある。「7試合を戦い抜く」と大会前から船越監督が目標を語っていた通り、“世界一”を獲るためにスタッフもチームも準備を進めてきた。

    立ち上げ当初から指揮官を支えてきた菅原大介コーチと高原寿康GKコーチに加え、今年に入りU-22代表で大岩剛監督の参謀役を担う羽田憲司コーチが入閣。越智滋之氏と引田真尋氏が中心となるテクニカルスタッフも、今大会から導入されたリクエスト方式の新ビデオ判定「FVS(フットボール・ビデオ・サポート)」をスタンド上部からサポートしつつ、各国の分析にも尽力している。

    スタッフ陣に応えるべく、選手たちも目覚ましいプレーを見せている。守備面では、相手に合わせて戦術を変化させ、ミドルゾーンのブロック構築と前線からのハイプレスを使い分けながら3試合を戦い無失点。

    攻撃ではショートカウンターを主体に仕掛け、アジアの戦いでは少なかったミドルシュートでもゴールを奪ってきた。2連勝を飾り、ニュージランドとの最終節でターンオーバーを実行して出場時間が長い選手を休ませられた点や、最も進行が早いA組でノックアウトステージまで余裕を持って準備ができるスケジュール面も含め、グループステージの結果は100点満点に近い戦いだった。

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    各国から称賛されるクオリティ

    U-20W杯はインターナショナルマッチウィーク外に開催される関係から一戦級の選手が参加できない。さらに今大会は、クラブワールドカップが6月に開催された影響で、リーグ戦のシーズン中である9月末開幕になった経緯も重なって、今まで以上にスター候補生の参戦が激減している。事実、FIFAのテクニカルスタディグループなどがクオリティの低下について口にするケースもあり、以前よりもレベルに関して疑問符が付いているのも事実だ。

    そんな状況下で、日本は各国から称賛されるチームとしてのクオリティを発揮している。後藤啓介(シント=トロイデン)と塩貝健人(NEC)というロス五輪世代を代表するストライカーの参戦は叶わなかったが、プレーの質は極めて高い。それを可能にしているのが、彼らのメンタリティーだろう。今大会の選手たちを一言で表現するなら、“怖いもの知らず”。チャレンジャー精神が旺盛で、一つの失敗に下を向くこともない。

     「若い世代なのでミスをする時もあるけど、成長するためのパワーに変えていくことができる」。その強気のメンタリティーは船越監督も認めるところである。

    そんな彼らのカラーが色濃く出たのは開催国・チリとの第2戦だ。 会場には4万2千人以上が詰めかけ、9割9分がチリサポーター。スタジアムを埋め尽くした敵地戦で、雰囲気に飲まれることもなく、序盤からアグレッシブに戦った。相手に攻め込まれる時間帯があり、前半半ばには先制のチャンスであるPKをFW高岡伶颯(ヴァランシエンヌ)が失敗し、イヤな雰囲気が漂ったが、選手たちは意に介さなかった。DF市原吏音(大宮アルディージャ)は振り返る。

    「前半も残り10分ぐらいの(PK失敗)で、観客がかなり沸いていてちょっとイヤだなとは思いました。でも、とりあえず『前半は0-0でオッケー』と中で話していましたし、伶颯自身は気持ち的に苦しいかもしれないけど、チームとしては全然気にしていなかったので。みんなでやることを合わせようとしていたので、問題はなかったです」

    結果として後半に2点を奪って勝ち切り、最終戦を待たずして突破が確定。あれだけのアウェイの空気を感じながらも動じず、むしろ敵地の声援を楽しむ余裕すらあった。

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    チリ国内で人気が高まる市原

    そんな振る舞いからは、07年カナダ大会でベスト16入りを果たした“調子乗り世代”を彷彿とさせる。今のチームには、底抜けに明るいキャラクターが揃い、ゴールパフォーマンスで地元サポーターに愛された先輩たちとの共通点が少なくない。

    明るさで言えば、キャプテン市原だけではなく、センターバックの相方を務める喜多壱也(レアル・ソシエダB)も話好きの盛り上げ上手。高岡も勝ち気な性格でポジティブなマインドを持つ。他の選手もとにかく前向きで、失敗を恐れない。

    地元民の関心を惹いた点も先輩たちに通じるところがある。というのも、初戦後に地元メディアからインタビューを受けた市原が日本のアニメについて熱く語ったことがチリ国内で話題になり、その様子を捉えた動画がSNSなどを通じて拡散。市原はチリ国内で人気が高まり、第2戦後も海外メディアに囲まれるなど、大きな関心を寄せられている。

    その結果、第3戦のスタンドには50人以上の現地住民が集結。日本から駆け付けたサポーターとともに声援を送り、異国の地でホームのような空気感も生み出した。「チリのサポーターも含め、日本を応援してくれる人が増えてきた」とMF佐藤龍之介(ファジアーノ岡山)も、状況の変化を口にした。

  • 20251008-U20WorldCup-japan-ryunosuke -sato©Getty Images

    フランスに勝ち、歴史を作りたい

    一方で選手たちは冷静な目も持ち合わせており、今の力や勢いを決して過信していない。A代表経験者のMF大関友翔(川崎フロンターレ)が「うまくいき過ぎている」と警戒心を強めれば、同じく森保ジャパン経験者のF佐藤も「僕らはまだ何も成し遂げていない」と言い切る。

     日本時間9日のラウンド16ではE組3位のフランスと対戦する船越ジャパン。先輩たちと同じように無敗でノックアウトステージに進んだ“新・調子乗り世代”の快進撃は続くのか。

    3月のスペイン遠征で対戦した際は3-1で逆転勝利を収めたが、フランスは当時のメンバーからは大きく変わっている。07年カナダ大会の先輩たちは、R16でPK戦で敗れベスト8に進めなかった。明るく振る舞いつつも、自分たちの現在地を理解している若き日本代表に慢心はない。新たな歴史を作るべく、“令和の調子乗り世代”が、難敵を迎え撃つ。

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