トッテナムはヨーロッパリーグ決勝の結果に関わらずポステコグルーを解任すべきか…マンチェスター・ユナイテッドのアモリムにはチャンスを与えるべき

アモリムは昨年11月11日にユナイテッドの監督就任を正式に発表。これは、スポルティングCPからの移籍をシーズン終了まで延期できなかったためだ。ポルトガル人監督の欧州での印象的な成績、特にペップ・グアルディオラ率いるマンチェスター・シティを4-1で破った試合は、レッドデビルズに彼のスキルがプレミアリーグの舞台でも通用するとの期待を抱かせた。暫定監督ルート・ファン・ニステルローイも、4試合無敗の好成績を残し、国際試合中断期間前にチームに勢いを与えて退任した。

イプスウィッチ・タウンとの1-1の引き分けがアモリムのイングランドサッカー初陣となったが、トラクター・ボーイズがその後チャンピオンシップに降格したことから、この結果は特に良い評価を受けていない。次のホームリーグ戦ではエヴァートンを4-0で破ったが、これが国内シーズンで最も説得力のある勝利となっている。マンチェスター・シティ戦で終盤の逆転劇で勝利を収め、リヴァプールとアーセナルを相手に引き分けに持ち込み、FAカップではアーセナルをPK戦で破った。しかし、スタンドを沸かせたのはそれだけだった。

アモリムの戦術が効果的であることは、ユナイテッドの欧州での成績にもかかわらず、ほとんど示されていない。彼が指揮を執ったプレミアリーグ26試合で獲得したポイントは24ポイントに過ぎず、38試合のシーズンに換算すると35ポイントとなり、現在のポイント数より4ポイント少ない計算になってしまう。

11月にエティハド・スタジアムでシティを4-0で破った後、トッテナムはプレミアリーグの順位表で6位につけていたが、トップ5まで3ポイント差、2位まで4ポイント差と、上位進出の可能性を残していた。国際試合のブレイク明けから3月まで、チームはようやく必要な勢いをつかみ、一貫性を確立するきっかけを得たように見えた。

しかし、すべてが崩れ去った。数日後、ゴールキーパーのグリエルモ・ヴィカーリオが、その衝撃的な勝利の大部分を骨折した足首でプレーしていたことが判明。手術が必要となり、約2か月の回復期間を要した。選手たちは次々と離脱し、冬の期間中、ファーストチームのスカッドのほぼ全員がケガで離脱。最も目立った欠場者は、スターティングセンターバックのクリスティアン・ロメロとミッキー・ファン・デ・フェンだった。

トッテナムは次の5試合で1勝も挙げられず、長い冬の始まりを告げる結果に。カラバオ・カップでは準決勝に進出（ユナイテッドを破るなど）したが、シティを破った後の11試合のリーグ戦では1勝しか挙げられず、その1勝は最下位のサウサンプトン戦だった。

ポステコグルー監督は、前例のない負傷者続出の危機の中、若手選手やティーンエイジャーを起用してチームを補強したため、サポーター、批評家、トッテナムのスタッフから寛大な評価を受けていた。トッテナムのスリリングなプレー原則は衰えず、主要な選手が復帰すれば結果が改善されるという期待もあった。しかし、残念ながらその期待は叶わず、むしろパフォーマンスはさらに悪化し、タイトルが懸かった局面でも回復の兆候は見られていない。

ヨーロッパリーグでは、トッテナムはそれを活かすことに成功したが、国内リーグでは全く歯が立っていない。『アンジェ・ボール』は週ごとの試合では機能せず、監督が方針を変えない限り、更迭は不可避とみられている。

「それが私たちの本質だ」——これは、2023年11月にプレミアリーグ史上最も狂乱的で混沌としたロンドン・ダービーの一つで、9人で戦ったトッテナムがチェルシーに4-1でホームで敗れた後、ポステコグルーが放った忘れがたい言葉だった。スパーズは2人少ない状況で押し上げすぎており、ハーフウェイラインでオフサイドトラップを仕掛けた。この大胆な戦術は、オーストラリア人監督の在任期間を通じて一貫した特徴となっている。

一方、アモリムは、国内でほとんど成果を上げられていないにもかかわらず、自身の戦術や実践方法を変更しないことを繰り返し主張している。また、適さない選手を不適切なポジションに起用するケースも少なくない。

しかし、トッテナムとユナイテッドは今シーズン、まさにジキルとハイドのような二面性を示している。ポステコグルーとアモリムは欧州での戦いで驚異的な試合中の適応力を示したが、これが彼らの職位安定の安全網となり、プレミアリーグではマッド・サイエンティストの実験場のような無謀なサッカーを展開している。もし国内で戦術の微調整を試みる意欲を示していれば、降格圏のすぐ上に浮遊している状況にはなっていないだろう。

ポステコグルーとアモリムに突き付けられている二律背反の問いは、彼らの戦術的センスを評価して続けるか、それともその面を意図的に無視しているとして解雇するか、というものだ。

アモリムの今シーズンの記者会見の多くは、彼が頭を抱えていた。最も有名なのは1月のホームでブライトンに敗れた試合後の会見だ。

「私たちはマンチェスター・ユナイテッドの歴史上最悪のチームかもしれない。その事実を認め、変えなければならない。プレミアリーグの10試合で3勝しかしていない。私はそれを知っている。マンチェスター・ユナイテッドのファンとして、私自身として、この状況を想像してみてほしい。新しい監督が前任者よりも多くの試合に負けている。その状況を想像してみてほしい。この瞬間を生き延びなければならない。私はそれを知っている」

アモリムはその後、このような自己批判に完全に陥ってはいないが、暗い状況をさらに暗く描くことを恐れていない。彼は最近、成績不振を理由に辞任する可能性を否定したが、成績が改善しない場合、解雇される可能性を懸念していると認めた。

ポステコグルーは、前述の負傷者続出の危機のおかげでシーズンの中盤を乗り切ることができた。実際、トッテナムの今季の敗北の大部分は1点差での敗北であり、長期的に見れば、もう少し繊細なアプローチがあれば結果を逆転させる余地があることを示している。しかし、彼は限られたリソースを活かすのに適さない激しいアプローチを採用したことで、自身を助けることはできなかった。

両監督にとって困難なのは、スポーツにおいて疑念や否定的な声を黙らせる唯一の方法は結果であるにもかかわらず、プレミアリーグで成功を得られていないことだ。もし中位に位置していれば許されるかもしれないが、ユナイテッドもトッテナムも運に頼るほかない状況に陥っている。

ユナイテッドは、最終戦の結果で未来が決まることに慣れている。昨年ウェンブリーで行われたFAカップ決勝でシティを破る前、エリック・テン・ハーグの運命はすでに決まっていたと報じられていた——彼がクラブに2シーズン連続のタイトルをもたらしても解任される予定だった。さらに、トーマス・トゥヘル（後のイングランド代表監督）やブレントフォードのトーマス・フランクを含む複数の候補者と交渉が行われていたという。

しかし、ユナイテッドの新経営陣はその決定を覆した。その代わりに、テン・ハーグは 1 年の契約延長と、夏の移籍市場で 2 億ポンド近くを投じて新選手を多数獲得するという多額の支援を受け、前シーズンの苦難が消えることを期待された。しかし、それは叶わなかった。

ジム・ラトクリフ、デイブ・ブレイルズフォード、ジェイソン・ウィルコックス、オマール・ベラダ、そしてダン・アッシュワース（後者はその後クラブから完全に追放された）からなる新しいスポーツ部門の上層部は、このチャンスを逃してしまった。彼らが自分の信念を貫き、2024-25 シーズンの3分の1が経過した時点でテン・ハーグを交代させていれば、プレミアリーグにより適した監督を迎え、今日ではより健全な状態にあるだろう。

これは、トッテナムと現在のユナイテッドが留意すべき教訓だ。来年の夏に向けて計画を立てているなら、48 時間後に自分がどう感じるかに関係なく、この1試合で判断を曇らせてはいけない。

再び、トッテナムの移籍市場での失策が、監督を窮地に追い込んだ。ポステコグルー監督は昨夏、コナー・ギャラガー、エベレチ・エゼ、デジレ・ドゥエを主要なターゲットとして挙げていたが、彼らは今シーズン、他チームで素晴らしい成績を残している。彼がリストのトップから獲得できた唯一の選手は、周囲のサポートが必要不可欠なストライカーのドミニク・ソランケだ。これは結果やパフォーマンスを正当化するものではないが、トッテナムがヘッドコーチのニーズに合わせるために手抜きをしたのはこれが初めてではない。4月にポステコグルーは次のように述べた。

「もし人々が私が何をしようとしているのか本当に理解していないなら、彼らは決して理解しないだろう。もしトロフィーが唯一の道なら——それが唯一の道のように見えるなら——OK、それを実現できるかどうか見てみよう。私はほぼ2年間持ちこたえた。トッテナムとしては結構な期間だ。いずれにせよ、クラブは何かを貫く必要がある。トッテナムも私も含め、皆に未来はある」

彼は正しい。スパーズが再び成功を収めるためには、少なくともマウリシオ・ポチェッティーノ時代の香りを嗅ぐための長期的なビジョンが必要だ。ヌーノ、ジョゼ・モウリーニョ、アントニオ・コンテのような成功した監督たちが、それぞれキャリアの最も厳しい時期をN17で過ごし、他ではそうでなかったのには理由があるはずだ。いずれにせよ、クラブはポステコグルー抜きでこのレベルの自己反省を続け、ヨーロッパリーグ決勝を少なくとも高らかに終え、次期監督を成功に導くための機会とすべきだ。

では、アモリムはどうなるのか？ ユナイテッドは本当に自らを追い詰めてしまった。レッドデビルズの陣営から聞こえてくる話は、トロフィーを獲得することではなく、チャンピオンズリーグ出場権を確保し、またしても忙しい夏の移籍市場に備えるためのものなのだ。ポルトガル人監督がプレシーズンを過ごす価値があるかどうかは問題ではない。なぜなら、クラブは彼を解任しても、より意欲的な候補者を確保できないからだ。昨年、テン・ハーグの将来について検討した際も、2度も苦労したのだから。少なくともユナイテッドはプレシーズン前の主張に戻り、積極的に主張を続けることができる。トッテナム同様、いずれは方向性を維持する必要があるが、特にこの仕事が一昔前ほど魅力的ではない現在では、なおさらだろう。

水曜日の決戦は「エル・サッキコII」とは呼べないが、イングランドのサッカー界で最も名誉を回復する必要がある2人の監督による決勝戦だ。しかし、その職を維持する可能性のあるのは1人だけであり、その人物はビルバオでの勝利者とは限らない。