1年前、イングランド女子代表は、ヨーロッパ・チャンピオンになるというスペイン女子代表の夢を打ち砕いた。ブライトンで行なわれた準々決勝で、スペイン女子代表ことラ・ロハは最終盤に同点に追いつかれ、延長戦で敗れたのである。あれから1年が経ち、事態は変わった。
今回の女子サッカーワールドカップでも、スペインは、オランダとスウェーデンに、それぞれ準々決勝と準決勝で最終盤に同点に追いつかれたが、どちらの試合でも最終的には勝利した。つまり、かなり単純な進歩が見受けられたのだ。過去から学び、成長し、よりよい結果を出したのである。だが、去年と今年の大会の間の12カ月を見るに、女子サッカーワールドカップ初優勝という歴史を作った今大会は、これ以上ないほどフクザツなものだった。
この1年、スペイン女子代表は、ピッチ外での騒動に取り巻かれていた。選手たちが待遇改善を求めて代表辞退を表明したのである。ワールドカップにも、「精神面や選手のプライバシー」に影響を与える状況であると代表を辞退した12名のトップ選手なしで臨んでいた。
それでも、スペイン女子は歴史を作り、さらに多くの瀬戸際を乗り越えてきた。ニュージーランドで初めてワールドカップの決勝トーナメントに進出すると、初めてベスト4に残り、史上初の決勝にまでたどり着くと、タスマン海を越えてオーストラリアに乗りこみ、日曜にシドニーで行われたイングランドとの決勝でリベンジを果たして、優勝という悲願を達成したのである。
この1年で起こったことからすれば、一体どうして、こんな快挙を達成することができたのだろうか。下馬評を覆して世界チャンピオンになったスペイン女子代表を振り返ってみよう。

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