魅力的なサッカーを追求する。お客さんが見たいと思えるサッカーを。喜田拓也『The CLASSIC 』への思い

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リーグ戦中断明けとなる30日、『The CLASSIC 』と銘打たれた試合が日産スタジアムで行われる。両者の戦いについて、アカデミー出身で主将を務める喜田拓也が思いを語った。

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■ブレずにやってきた結果の今

――横浜FMは現在リーグ首位。チームの状態を教えてください。

間違いなくいい状態です。みんなのやってきたこと、取り組む姿勢、そういったものがある程度結果に反映されていると思います。ただし、自分たちが目指しているものはもっと高いところにあるので、満足している人は誰もいません。まだまだこれからというところ(を認識しつつ)、自分たちの力を示せれば、望むものは手に入れられるという自信、信頼もあります。それをしっかりとチーム全体で表現していきたいと思っています。

――好調の要因は?

お互いが尊重し合って、かつ各個人が「自分はチームを勝たせるためにいる」というところをちゃんと理解していることは一つの大きな強みでもありますね。そういった姿勢はずっと大事にしてやってきましたし、結果が出ているからというよりは、そういうことを大事にしながらやってきたところで、後から結果がついてきたという感じです。結果が出たからと言って、いい意味で何も変わらないですし、逆に結果が出なくても自分たちがブレない姿勢を持ち続けてやってきました。いいことばかりではなかったですけど、そういったものが少しずつクラブの力、チームの力になってきているのかなと思います。

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■マンチェスター・シティと言われるが

――GOALは欧州サッカーを中心に報道しています。今回は「海外目線」という部分で少しお話をお聞かせください。横浜FMのサッカーのコンセプトはポゼッションが主になっていると思います。意識している海外のチームはありますか?

よくマンチェスター・シティだとか言われたりしますね。もちろん似ている部分はあると思うんですけど、自分たち中にいる人間としては、そこまで意識してるか? と言うと、そんなこともなくて。もちろん個人で試合を見ているケースはあると思うんですけど、ミーティングで映像が出てくるかといえばとそうではない。なので、そこまで意識しているチームは、チーム自体にはないですね。各個人で好きなチームはもちろんあるとは思いますが、チームとしてのモデルは明確に示してはいないですね。

――喜田選手ご自身が参考にしているチームはありますか?

参考にするチームはないんですが、いろいろな試合は見ますね。それは参考にするというよりは、勉強っていうのかな、視点的にはポジショニングだとか、どういうボールの運び方をするかだとか、もちろん個人のクオリティもそうですし。そういう視点で見ています。

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■日本の「エル・クラシコ」へ

――ここからは鹿島戦の話題に入っていきます。今回の対戦は『The CLASSIC』と銘打たれています。海外でも地域間以外のその国を代表するナショナルダービー、例えばバイエルンvsドルトムントの「デア・クラシカー」、バルセロナvsレアル・マドリーの「エル・クラシコ」があります。それらの存在は知っていましたか?

もちろん! 知っていますよ。非常に注目度の高い試合ですし、ダービーは特にみんなが楽しみにしている試合だと思います。それぞれ名前は違いますけど、ダービーが持つ熱は特別なものがありますよね。あのような試合を見ていて感じるのは熱量がやっぱり違うなと。文化として根付いていて、サッカーが中心の生活という人たちが非常に多くいる印象です。それくらいでないと、あの熱は発せられないと思います。シンプルに観客の人数だとか、熱気は普段からのそういう思いがないと出せるものではないと思います。

一選手としては羨ましい思いもありながら、同時に寂しさや悔しさもありますね。まだまだ日本にサッカーが文化として根付いてない現実は間違いなくあります。

でも、今回で言えば『The CLASSIC』。(30年続く)歴史ある試合ではありますが、もっともっと注目度だとか、周りの熱量だとかが世界のレベルに追いついてくれば、また見える景色も違ってくるのかなっていう気がするんです。そこは僕ら選手が頑張っていかないといけないところではあると思います。

――今回の『The CLASSIC』は地域間のダービーに比べ、熱量や認知度が低いようですが、将来的にそれら以上のダービーにしていくために必要なものは?

横浜F・マリノスも30周年ということで、まだまだ積み上げていかなきゃいけないものもありますが、ここに到達できたのは、間違いなくこれまでクラブに関わってきてくださった皆さんの力でもあります。それは鹿島も同じだと思います。それぞれクラブのOBの方や関わってきたスタッフの皆さんに改めて感謝しなければいけないと思うし、それを幸せに思わないといけない。まず、その感謝の思いが一つ。

これからの歴史につなげていくという意味では、まずはサッカーのクオリティをもっともっと上げていくこと。より皆さんが見たくなるサッカーをすることが、スタジアムに足を運んでもらえる一つの大きな要因になると思います。そして、さらにクラブに誇りを持って集まってくれる人が増えていってほしい。

サッカーのクオリティ、魅力、今僕らは魅力的なサッカーへの取り組みをしているつもりではいます。それを追求し切って皆さんにそう思ってもらえるようなクラブになっていくのが一つの目標です。いきなりボンと変わるのは難しくても、少しずつ積み上げていければ、その一因にはなれるのかなと思っています。

――ありがとうございます。最後に、あえて、GOALの主な読者である海外サッカーファンに向けて、今回の『The CLASSIC』の見どころを教えてください。

Jリーグの中では非常に大きなものを背負っている2チームの対戦です。歴史ある戦いでもあります。海外に比べるとまだまだ歴史も浅いと思われるかもしれないですけど、僕らが発する熱量だとか、ゲームのクオリティはやはり求めていきたいです。この試合を見た方たちが、少しでもこれからも追っていきたいと思ってもらえるように。僕の立場から言えば、横浜F・マリノスに魅力を感じていただけるような好ゲームができればと思います。Jリーグを引っ張っていけるようなゲームをしたいと思っているので、そこに注目して見ていただければ嬉しいです。

■プロフィール
MF 8 喜田 拓也 Takuya KIDA
1994年8月23日生まれ、27歳。170cm/64kg。神奈川県横浜市出身。横浜F・マリノスプライマリー→横浜FM Jrユース→横浜FMユースを経て2013年トップ昇格。J1リーグ戦201試合出場2得点。(7月22日時点)

【試合情報】
明治安田 J1 リーグ 第 23 節 リミックスでんき DAY
横浜 F・マリノス vs 鹿島アントラーズ
2022 年 7 月 30 日(土)19 時キックオフ/日産スタジアム DAZN 独占配信

【イベント情報】

◎「横浜 F・マリノス 30 周年記念 OB マッチ supported by #命つなぐアクション」開催
◎Presented by Owltech レジェンドトークショー
「横浜 FM:波戸康広アンバサダー・栗原勇蔵クラブシップ・キャプテン/鹿島:中田浩二クラブ・リレーションズ・オフィサー」
※その他詳細は横浜 F・マリノス公式サイト https://www.f-marinos.com をご覧ください。