Zinedine Zidane Real MadridGetty

ジダン、レアル・マドリー退団の真相を赤裸々に語る「クラブは私が必要としていた信頼を与えてくれなかった」

今季限りでレアル・マドリーを退団したジネディーヌ・ジダン氏が、公開状でもってその退団の理由などを明かしている。

レアル・マドリーと1年の監督契約を残しながらも、クラブと話し合い、契約を解消したジダン氏。スペイン『アス』は31日、そんなフランス人指揮官がしたためた公開状を紙面と電子版で掲載している。そこにはレアル・マドリーへ寄せる愛情、それと同時にクラブからの信頼を感じられていなかったことが、赤裸々に記されていた。

「親愛なるマドリディスタたちへ。20年前、マドリーの施設を初めて踏み、白いユニフォームに袖を通した最初の日から、君たちは私に愛情を与えてくれた。私たちの間にはとても特別な何かがあると、いつだって感じてきたんだ。私は歴史の中で最も重要なクラブの選手、監督になれるという素晴らしい栄誉を手にすることになった。しかし何よりも、私はマドリディスタの一人だ。そのために、あなたたちに別れを告げるために、監督を辞めるという決断を説明するために手紙を記したかった」

以下に続く

「2019年3月、私は8カ月の休養の後、マドリーを再び指揮することを受け入れた。もちろん、それは会長のフロレンティーノ・ペレスから頼まれたためだが、しかし君たちが毎日、私にそう言ってくれたからでもある。道で君たちの一人に出会うときには、もう一度チームと一緒になってほしいとの願望や支持を感じられた。なぜなら、私はマドリディスモの価値を共有しているからだ。このクラブはソシオ、ファン、世界中のものだ。私自身も、自分が行ってきたことでそうした価値を伝えようと、手本になろうと試みてきた。マドリーで20年の日々を過ごしたことは、人生で経験したことの中でも最も美しく、それはただただ、フロレンティーノ・ペレスが2001年に自分に賭けてくれたおかげだった。彼は反対する人々がいながらも、私がここにやって来るために闘ってくれた。心から言わせてもらう。私はそのために、プレシにはいつだって感謝をし続ける。いつまででも」

「今、私はここから去ることを決断した。その理由について君たちに説明したい。私は出ていくが、船から降りるわけではないし、指導することに疲れてはいない。2018年5月に私が去ったのは、それまでの2年半で多くの勝利と多くのタイトルを獲得した後、チームが一番高い場所に立ち続けるためには新しい考え方が必要と感じたからだった。そして、今はまた理由が異なる。私が出て行くのは、クラブが自分が必要としている信頼を与えてくれていないから、中長期プランで何かを構築するためのサポートをしてくれていないからだ。私はフットボールを理解しているし、マドリーのようなクラブの要求も理解している。何も勝てないときには、去らなければいけないことを分かっている。だが、ここではとても重要な一つのことが忘れられている。私が日々にわたって構築してきたことが忘れられている。私と選手たち、チームの周りで働いている150人との関係性において寄与してきたことが。私は生来の勝者であり、ここにいたのはトロフィーを獲得するためだった。だが、そうしたことを越えて、ここには人間が、感情が、人生が存在している。私はそうしたことに価値が置かれておらず、偉大なクラブのダイナミズムの維持が理解されていないとの印象を持った。それだけでなく、一つの形でもって私は非難にさらされた」

「私たちが全員で行ってきたことを尊重してほしい。ここ数カ月における私とクラブ、会長の関係性が、ほんの少しだけほかの監督のものと違っていたならばよかった。私は特権を求めていたわけではない。無論そうではなく、求めていたのは、もう少しの記憶だ。今日、ビッグクラブにおける監督の命は2シーズンで、それ以上はそこまで保たない。もっと長続きさせるためには、人間同士の関係性が根幹となる。それは金よりも大切で、名声よりも大切で、ありとあらゆるものよりも大切となる。それにこそ気を配らなければならないんだ。だからこそ敗戦をした後に、次の試合で勝たなければ私を追い出すのだとメデイアを通して読んだときには、大きな痛みを感じた。私とチーム全体を痛めつけた。そうしたメディアに漏洩するメッセージは、チームに対してネガティブに干渉することになり、疑いや誤解を生み出してしまった。私のことを全力で支持してくれる素晴らしい選手たちがいたことは不幸中の幸いだ。ひどい状況に陥ったとき、彼らが素晴らしい勝利によって私を救ってくれた。彼らは私のことを信じ、私が彼らを信じていたことも知ってくれていた。もちろん、私は世界最高の監督ではない。が、選手やコーチングスタッフ、あらゆる従業員のそれぞれの仕事において、必要としている力と信頼を与えることはできる。このマドリーでの20年にわたる歳月において、私は君たちファンが勝利を求めていることを学んだ。もちろん、それは当たり前のことだ。しかし何より、君たちは私たちがすべてを出し尽くすことを求めている。監督、スタッフ、従業員、そしてもちろん選手たちが。私は、私たちがクラブのために自分たちの100%を出し尽くしてきたと断言できる」

「また記者たちにもメッセージを伝えたい。私は何百回も会見を行ってきたが、悲しくもフットボール自体についてはそこまで話してこなかった。君たちもフットボールを愛していることは分かっているし、だからこそ、このスポーツは私たちをつなげているはずだ。ただ、批判や教訓を与えているというのではないのだが、私は君たちの質問が論争についてのものではなく、ボールや選手たちについてもっと頻繁に話せていたなら良かったと思う。選手たちこそ、このゲームにおいて最も重要な存在なのだから。フットボールを忘れることなく、フットボールを大切にしていこうじゃないか」

「親愛なるマドリディスタたちへ。私はいつだって君たちの一人だ。アラ・マドリー! ジネディーヌ・ジダンより」

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