23日のラ・リーガ第25節、レアル・マドリーは本拠地サンティアゴ・ベルナベウでのジローナ戦を2-0で制した。
マンチェスター・シティとのチャンピオンズリーグ決勝トーナメント・プレーオフの死闘を終えたばかりのマドリー。CLベスト16進出を決めたのも束の間、ラ・リーガの苛烈な優勝争いを制するためには、気を抜くことは許されない。
アンチェロッティ監督は“Fuck Off”発言の出場停止でベリンガムを欠いたほか、シティとの2ndレグからバルベルデ、リュディガー、セバージョスをベンチスタートに。GKクルトワ、DFルーカス・バスケス、ラウール・アセンシオ、アラバ、メンディ、MFブラヒム、チュアメニ、モドリッチ、ロドリゴ、FWエンバペ、ヴィニシウスを先発させ、4-4-2のシステムを採用している。
前半、マドリーはボールを保持して攻め込むものの、攻撃フットボールを得意とするジローナの割り切った堅守速攻に苦戦。シュート本数こそ少なくなかったが、彼らが敷くコンパクトな4-4-2ブロックを前に中央から攻め崩すことができず、確度の高いチャンスはほとんど迎えられなかった。
エンバペ、ヴィニシウス、ロドリゴ、ブラヒムとアタッカーたちが揃っていても、ライン間のリンクマンたるベリンガムが足りない……。そんなことを感じさせながら時間が経過していったが、41分、無限の野心、フットボールを楽しむ心を持つあの男が、ボールとゴールを直接リンクさせている。
左サイドからのCK、ジローナDFのクリアしたボールがペナルティーエリア手前中央に流れると、そこで待ち受けていたのはモドリッチ。胸トラップでボールを落としたマドリーの10番は、すかさず少年漫画のような躍動感で右足ハーフボレーを放った。威力十分のボールは、誰にも触られることがないよう外に逃げる弾道を描きながら、思い切り枠内右に飛び込んだ。
モドリッチは今季公式戦4得点目。ベルナベウは「モードリッチ! モードリッチ!」と、今季衰えが指摘されながらも、その価値を再度証明した男を讃えている。
1-0リードで迎えた後半、マドリーはロドリゴを左サイドから右サイド、ヴィニシウスを2トップの一角から左サイド、ブラヒムを右サイドから2トップの一角とエンバペ以外の3選手のポジションを変更。この変更からヴィニシウスが輝きを発するようになったが、ドリブルのキレはあるものの叩いたボールがバーに直撃するなど、最後の詰めで精度を欠き続けた。アンチェロッティ監督は73分に交代カードを切り、ブラヒム、アラバを下げてセバージョス、カマヴィンガをピッチに立たせている。
追加点を奪えず歯痒い状況が続いたマドリーだが、ジローナが攻勢を強めていた83分、カウンターからついにヴィニシウスが決めた。ブラジル人FWはエンバペとの連係で左サイドを切り崩していくと、ペナルティーエリア内左でフランス人FWのスルーパスを受け、右足のトゥーキックでネットを揺らしている。
2点差としたアンチェロッティ監督は85分にモドリッチを下げてリュディガーを投入して守備固め。モドリッチをもちろん、スタンディングオベーションでベンチへと下がっている。また89分にはヴィニシウスも交代し、エンドリッキが投入された。マドリーは結局、2点リードを最後まで守り切り、ラ・リーガ4試合ぶりとなる勝利を飾った。
マドリーは勝ち点を54としてバルセロナに並び、得失点差で2位につけている(最終的には当該対決の成績で順位を決定)。




