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「覚悟や責任はこの1年でより増した」ベストヤングプレーヤー賞・柏レイソルFW細谷真大

U-15から柏レイソル育ち。U-18を経て19 年に2種登録、20年にトップ昇格してプロ3年目となる今季、開幕スタメンを確保すると、以後コンスタントに先発出場を重ねた。そんなパリ五輪世代のストライカー細谷真大に、シーズンの手応えとクラブへの思いを聞いた。(インタビュー日:11月7日 聞き手:小津那/GOAL編集部)

■アカデミーの先輩たちの姿を見て

――ベストヤングプレーヤー賞おめでとうございます。受賞の自信はありましたか?

ありがとうございます。自信としては「もしかしたらあるんじゃないかな」くらいはありました。

――ライバルとしていた選手はいらっしゃいますか?

横浜F・マリノスの藤田(譲瑠チマ)選手です。

――U-21日本代表でのチームメートでもありますし、7月に行われたE-1選手権では一緒にA代表に初招集されました。

一緒でした。E-1の時でも安定した動きを見せていたので、そういった部分でも同世代としてすごいな、と思いましたね。

――今季の細谷選手はJ1リーグ戦33試合出場8ゴール4アシスト。キャリアハイの数字を残しました。成長や手応えは感じましたか?

個人として「試合に出続ける」ところでは成長したと感じます。でも、チームとしては一時期上位にいた時に甘えだったり弱さだったりが出てしまった。来季はそういった甘さや隙を出さないようなチームにしたいと思っています。

自分自身、後半戦は得点も減ってしまいました。相手の戦い方やディフェンスの対策に対してうまく裏をかけるようなことをしていければ、もう少し伸ばせたのではと思います。チームとしても勝ちがあまりついてこなかった。そういった意味で難しいシーズンではありました。

――とはいえ昨シーズンの15位から今季は7位でフィニッシュ。主力選手が一気に抜けたにもかかわらず、順位は上昇しました。去年と比べて変化はあったのですか?

ネルシーニョ監督から要求されたことをチーム全体で理解して、ゲームの入りからしっかり表現できたところが前半戦の結果に繋げられたんじゃないかと思います。今思うと昨シーズンはちょっとモヤモヤ感が出ていたり、いい試合の入り方があまりできていなかったりしました。そういった意味では良かったと思います。

――背番号も変わり、U-21代表だけではなくA代表にも選ばれました。環境が大きく変わったシーズンでもあったと思います。心境の変化はありましたか?

A代表にも選んでいただいて、自分の覚悟や責任はこの1年でより増しました。もっと強い自分を出していきたいです。(U-21代表では)やはり、ヨーロッパのチームとやると学ぶべきものは多いですし、体の使い方だったりポジショニングだったり本当に課題として出たと思います。ただ、裏への飛び出しは結構やれると感じました。これからもどんどん代表で出していけたらと思います。

――今シーズンは、柏レイソルとして、ビッグニュースが二つありました。まずは大谷秀和選手の引退です。細谷選手にとって大谷選手はどのような存在でしたか?

タニさんは常に練習前からの準備もしっかりやっていましたし、人間性も含めて学ぶべきものが多かったです。「タニさんがいなくなったからレイソルは弱くなった」とは言わせたくない。より上の順位にいけるように頑張りたいと思っています。

――そしてもう一つは工藤壮人選手の逝去。細谷選手自身はアカデミー時代から工藤選手を見ていたと思います。

僕がレイソルのジュニアユースのときから、試合を見る度に出場して点を決めていました。自分もああいう選手になりたいと強く思っていました。記録(クラブ歴代最多得点記録/56得点)というところでも超えられるように頑張りたいと思っています。お手本にしたい選手です。

――レイソルに対する思いを聞かせてください。

ジュニアユースからお世話になっているクラブなので、ゴールを多く決めてファン・サポーターや指導者の方々にも恩返ししたいと思っています。ここ数年タイトルからも遠ざかっているので、みなさんのためにも獲りたい気持ちがあります。

――今季の結果を受けて、来季に向けての意気込みを教えてください。

まずは今季のようなスタートダッシュを来季でもしっかり出していけたらと思っています。シーズン後半も続けて上位にいるためには勝利を重ねていかないといけない。今シーズンと違う試合運びといったところを見せていけたらと思っています。

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■ベンゼマは手本であり好きな選手

――ここからは少しパーソナルな話をおうかがいします。理想の選手や注目しているチームを教えてください。

ハリー・ケイン選手(トッテナム)は見ていますね。プレースタイルは似ていないですけど、シュートの質だったりゴール前での落ち着きだったり、アシストもできるところが魅力に感じます。チームでは、個人として好きなのはレアル・マドリーです。試合はしっかり見ていますね。ベンゼマ選手はお手本にもなりますし、好きな選手です。

――これまでのキャリアで、対戦して印象に残った選手はいますか?

そうですね…川崎フロンターレの谷口(彰悟)選手は、身長もあって、スピードもあるので、日本を代表するすばらしいDFだと感じました

――あらためてA代表の経験を振り返ると?

チームの雰囲気や緊張感について行くことが精一杯でした。まだまだだと思うので、次選ばれた時には本当に自分が輝いているところをしっかり練習からアピールしていきたいです。

――カタール・ワールドカップが開幕します。自分と重ねて見ていくところはありますか?

前線の選手は自分もより注目して見ていきたいと思っています。どういう動きをしているとか、どういう要求をされて動いているのかといったところをしっかり見ていきたいです。

――日本代表のメンバー発表を見て感じたことを教えてください。

E-1で活躍した選手がああやってワールドカップで選ばれているところを見ると、自分も選ばれて結果を出せば見えてくる道かなと思いました。

――今年を一言で表すと細谷選手にとってどんな言葉が浮かんできますか?

「継続」ですかね。試合に出続けるところでもそうですけど、点を決める継続、コンスタントに試合に出たり、一年を通して点を取り続けるっていうところは今後の課題かなって思います。

――今回のベストヤングプレーヤー賞をきっかけに細谷選手を知るファン・サポーターもいると思います。アピールポイントを教えてください。

まずは得点の部分を見てほしいです。裏の飛び出しは自分のアピールポイントです。

――最後に、細谷選手の今後の目標は?

 柏レイソルというチームで名前が残るような活躍をして、記録を残したいと思っています。そのためには試合に勝つことがマストなので、しっかり結果にこだわってやっていきたいです。

Profile

FW 19 細谷 真大(ほそや・まお)

2001年9月7日生まれ、21歳。177cm/69kg。茨城県牛久市出身。柏レイソルA.A.TOR’82→柏レイソルU-15→柏U-18を経て20年トップ昇格。J1通算63試合出場11得点、J2通算6試合出場。今年はU-21日本代表としてドバイカップ、U-23アジアカップに出場。7月のE-1サッカー選手権でフル代表デビューを果たす。スピードに加え、献身的な守備も厭わないストライカー。武器は自身が語るように裏抜け。

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