今シーズン限りでの引退を発表した町田ゼルビアDF太田宏介が、J2優勝に喜びを口にしている。
明治安田生命J2リーグは29日に第40節が開催され、町田とツエーゲン金沢が対戦。悲願のクラブ史上初のJ1昇格を決めた町田は、この試合の前日に2位清水エスパルスが敗れたため優勝も決定。町田GIONスタジアムからはお祭りムードが漂う中、ホーム最終戦を迎えた。
試合は開始早々に"王者"が均衡を破る。3分、右サイドからのクロスに対し、エリア内で反応した相手のタッチは流れる。このボールを平河悠が押し込んで、町田が先制した。試合はこのまま終了の笛。前半の先制点を守り切った町田が勝利。クラブ史上初のJ2優勝に自ら花を添えている。
試合後のインタビューに応じた太田は、まず「ホームで最後に勝ち切れて、自分たちの力っていうのを見せれたと思います」と試合を振り返ると、以降は今シーズン限りで引退を決断した自身の思いを口に。
「個人的なとこを言いますと、町田のサッカー少年たちにとって、ここ(町田GIONスタジアム)は僕の頃から聖地と言われる場所。育った町田で、なによりこのホームで、こういった形で優勝を皆さんと分かち合うことができて良かったです」
2022年7月、太田は自身が生まれ育った町である町田を拠点とするクラブへと移籍。2シーズン目にしてJ2優勝とJ1昇格を置き土産に、太田は引退を決断した。
「(キャリアの締めくくりに)できすぎてびっくりしていますね。こんなに幸せな形で引退できる選手はなかなかいないと思います。本当に沢山の支えてくれた方に感謝したいです」
プロ一年目となる横浜FCでは、今回の太田と同じようにJ2を優勝すると共にキャリアに幕を下ろした元日本代表FW城彰二がチームメイトだった。
「僕は1年目でしたけど、チームメイトとして城さんと戦っていて、 チームの昇格を決めたのに、まだできるのに、なんでやめちゃうんだろう」と当時は思っていたという。しかし、太田にとっては「あのような引き際を凄くかっこよく、憧れを持って見ていた」とも明かしている。
憧れた形での引退。「まさか、同じような状況になるとも思っていなかった」と本音を零しつつも、18年の現役生活には「なに一つ後悔もない」と、晴れ晴れとした顔で言い切った。
