今季限りでバルセロナ指揮官を退任することを発表したチャビ・エルナンデス監督は、その決断が「クラブのため」であることを何よりも強調している。
27日のラ・リーガ第22節、ホームでのビジャレアル戦を3-5で落とした直後、チャビ監督は記者会見で今季限りでの退任を発表。バルセロナの伝説的選手であり、指揮官としても昨季ラ・リーガ優勝を果たしたチャビ監督だが、今季低調なパフォーマンスが続く状況で、退任が最善の決断と考えるに至ったようだ。
「君たち(報道陣)から質問を受ける前に伝えてきおきたいことがある。6月30日以降、私はバルサ監督を続けない。ラポルタ、スポーツ部門と話をしてきたが、私がクレ(バルセロナ信奉者)として思うのは、クラブにはダイナミズムの変化が必要ということだった。クレとしてクラブのことを考えれば、そうすることで選手たちは解放され、もっと落ち着くことができるだろう。クラブの人間として考えれば、私は6月30日でここを去るべきなんだ」
「私は選手たちと首脳陣を現状から解放できていない。自分がクラブにとっての障害になることは望んでいないんだ。私がなりたいのはクラブの解決策であり、問題になることなんて絶対に望まない。2年3カ月前の私は解決策だった。しかし現在、心からクラブのことを思い、クラブの最善を考えると、私は6月30日でここを後にした方がいい」
「会長にはさっき説明をしたよ。私たちはとても人間らしい会話を重ねてきた。会長のことは大好きだ。ラファ、アレハンドロ、デコも同じくらいにね。彼らからの信頼は今日まで完全なものだったが、今がその時なんだ。私が財政的な状況で動くことなどない。私を突き動かすのは私のハートなんだ。これこそがクラブにとって最高の解決策だと思う。私は問題になりたくないんだ」
この会見の直前に行われたビジャレアル戦で、バルセロナは後半に0-2ビハインドから一時逆転したものの、その後リードを守り切れず、終盤に3失点をして3-5の敗戦を喫した。
「今日の私たちは残念な試合を演じてしまったし、こんなことには値しない選手たちのために針路を変えるべきなんだ。一度逆転した試合で負かされるのは大きな打撃だった。今日のような残酷な試合は、私のキャリアの中で記憶にない。クラブのために針路を変える必要がある。バルセロニスモを取り巻ている緊張状態を解かなくてはいけない」
「選手たちに(退任については)まだ話していない。彼らには明日、話をするよ。今日の彼らは落ち込んでいた。それがダイナミズムを変えなければいけないと考えた理由の一つだ。彼らは今みたいな状況には値しない。チーム内の人間的なクオリティーはとても素晴らしい。今のバルサは素晴らしいチームだし、現在起こっていることの多くは説明がつくものではない。しかし、それでも私たち(コーチングスタッフ)はここにやって来たときと同じく勇敢でなければいけないんだ。現在の職や契約にしがみ付いていてはいけない。現在の状況ではこういった決断が求められていたんだ」
「もし今日の試合で勝っていたら、退任を発表していたか? 3-2で勝っていたならば、おそらく今日は言わなかっただろう。が、おそらく来週にそうしていたはずだ。私はタイミングを探していたのであり、決断はすでに下していた」
チャビ監督と同じく今季限りでの退任を発表したユルゲン・クロップ監督は、「エネルギーが尽きた」と語っていた。だがバルセロナ指揮官は“エネルギー切れ”については否定している。
「クロップのように“エネルギー切れ”かって? エネルギーはあるよ。これはエネルギーの問題ではなく、針路を変えるのかどうかということだ。もっと言えば、残りの4カ月でもっとエネルギーを放出してみせるよ。私たちは今季を良いシーズンにできると考えている。(レアル・マドリーと勝ち点)10差でも、リーガを争えると思っているよ」
「君たちは今日、私をそこまでは殺さないだろう。しかし今日の試合後、私があと1年監督を続ける状況であれば、殺すことにもっと躍起になっていたはずだ」
今季チャンピオンズリーグで優勝を果たしたとしても、辞任を撤回することはないのだろうか。
「この決断の撤回はない。ないよ。私は合理的な人間であり、長い時間考えてこの決定を下した。クラブにはダイナミズムの変化が必要なんだ。チャンピオンズ優勝を願っているし、私たちは戦っていく覚悟を固めている。自分は楽観的な人間だ。リーガはとても難しい状況だが、そこで競い続けることも私たちの助けとなるだろう」
チャビ監督はその一方で、バルセロナを指揮する難しさについても語った。
「バルサの監督になる……その感覚は非常に嫌なものだ。残酷なことで、自分に対する敬意の欠如を何度となく感じてきた。自分の仕事が評価されず、恐ろしいほどにメンタルヘルスや気力の消耗が激しい。私はとてもポジティブな人間だが、それでも自分が続ける意味はないと口にするまで気力が落ち込んでしまう」
「バルサを率いたあらゆる監督が経験してきたことだ。ダイナミズムを変える必要がある。“バルサのファーガソン”は不可能だ。そうなるのは、とても難しい」
「私は疑いようもなくこのクラブの人間だ。自分よりもクラブのことを考え、ここまで全力を尽くしてきたし、残りの4カ月間もファンが誇らしくいられるようにそうしていく覚悟だ。このグループは人間的に非常に素晴らしく、6月30日までそうあり続けるだろう。私はとりわけ、チャンピオンに特別な期待を抱いている。これからの4カ月間で、私はすべてを出し尽くし、その後には妻と子供たちとともにカンプ・ノウにやって来たい。私はクレであり続けるよ」
将来的に何をするかは、未定のようだ。
「未来がどうなるのかは分からない。今の職業に就いていると、家族と過ごす時間が減ってしまう。家族は苦しんできたし、ずっとエゴイストでいるわけにもいかない。少し家で休もうと思っている。子供たちと一緒にいられなかったからね」


