Lionel Messi Quique Setien BarcelonaGetty Images

バルセロナ前監督セティエン、メッシを語る「扱い難しい。誰も変えられなかったのだから私にできるわけない」

バルセロナ前監督のキケ・セティエン氏が、同クラブにおけるFWリオネル・メッシの存在感について振り返った。

昨季途中にバルセロナ監督に就任し、無冠で終えたシーズン終了後に解任となったセティエン氏。スペイン『エル・パイス』で、元スペイン代表監督ビセンテ・デル・ボスケ氏との対談に臨んだ同氏は、メッシが「扱いの難しい選手」であったことを明かしている。

「確かに、扱いが難しい選手は存在する。メッシがその内の一人であるのは確かだ。しかし、彼が史上最高の選手であることも考慮しなければならない。一体どうしたら、私に彼を変えられるというんだ! 彼を長年にわたって許容し続けて、変えてこなかったというならば……」

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「メッシとはたくさん話をしたか? 選手という部分とは別に、もっと扱いが難しいことがある。それはマイケル・ジョーダンのドキュメンタリーで見られるように、多くのスポーツ選手に内在していることだ。期待していたようなこととは違うものを見る羽目になるんだよ」

「(メッシは)とてもおとなしいが、しかし彼が望んでいることを見させようとする。あまり口数は多くない。しかし見つめてくる、じっと見てくるんだ。(バルセロナを)退団してからはっきりしたのだが、私はいくつのタイミングで異なる決断を下していなければならなかった。だがね、何より上に置かれるべきはクラブそのものなんだ。クラブは会長、選手、監督の上にある。クラブ、そしてファンはそういう存在であり、そこに敬意を持ちながら最も適切な選択をしなければならない。メッシやほかの選手が、クラブよりも重要だと考えている人々が何百万といるとしてもね。彼とその周囲の選手は、14年にもわたってあらゆるタイトルを獲得してきたわけだから、それはそうなのだが……」

ポゼッションフットボールを信条とするセティエン氏とバルセロナは相性が良いと思われたが、決してそうではなかった。セティエン氏は「自分になれなかった」と振り返っている。

「私は、あそこで私ではなかった。そうできなかったのか、そうなれる術を知らなかったのか、ということだ。バルサのような次元のクラブと契約を結ぶとき、世界最高の選手たちがいながらも困難があることはすでに把握している。現実としてあったのは、私が自分になれなかった、すべきことをできなかったということだ。もっとドラスティックな決断も下せたのかもしれないか、あれだけの短期間にすべてを整理することはかなわなかったろう」

セティエン氏の率いたバルセロナは、昨季チャンピオンズリーグのバイエルン・ミュンヘン戦で2-8というクラブ史上最大得点差の大敗を喫した。あの悲劇については、こう述懐している。

「あの敗戦でバルサの歴史に刻まれるのは、とんでもなく辛いことだ。自分の責任のパーセンテージは受け入れる。いつの日か、そのことについて書き記したいね。だが解任となった後、2-8の前に私を解任する決断が下されていたことを知ったよ。私は、すべてを理解したんだ」

「今、指導する意欲はあるか? あまりないね。海とあの有名な牛たちに囲まれて、自宅で気分良く過ごしている。もう、悲しみは通り過ぎたよ」

セティエン氏はバルセロナ監督就任会見で、「この前まで自分の村で牛たちと一緒に歩いていたが、今日は世界一のビッグクラブにいるんだ」と、その喜びを語っていた。

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