FC Barcelona Unveil New Head Coach Hansi FlickGetty Images Sport

バルセロナ会長は、なぜドイツ人フリックを招聘したのか?「私はクライフのオランダサッカーが好きだったんだが…」「最後にはデコに説得された」

今季、クラブ史上初となるラ・リーガ、コパ・デル・レイ、スペイン・スーパーカップの“国内三冠”を成し遂げたバルセロナ。その偉業において重要な役割を果たしたのは、もちろんドイツ人指揮官ハンジ・フリック監督だ。ジョアン・ラポルタ会長が、今季同指揮官を招聘した経緯について語っている。

チャビ・エルナンデス前監督の後任ということもあり、招聘当初はバルセロナのDNAを有していないと懐疑的な目で見られたフリック監督だが、サポーターを魅了しながら成功を収めている。その常軌を逸したハイラインの超攻撃的フットボールは、現状では失点数(56試合70失点)も多いが、それを補って余りある得点力(169得点。1試合平均2.9得点)を誇示しており、故ヨハン・クライフ氏の「私は1-0よりも5-4の勝利を望む」を思い出させるものだ。

ラポルタ会長は、『バングアルデディア』とのインタビューで、フリック監督を招聘した経緯について説明する。オランダと関係が深いバルセロナのフットボールに、ドイツ人指揮官を融合させる考えは、いつ浮かんだものなのだろうか。

「私はいつだってヨハン・クライフのオランダ流フットボールが好きだった。だが(現オーストリア代表監督のドイツ人指導者)ラルフ・ラングニックと話をしたんだ。あるインタビューで、彼がヨハンについて話していたのを目にしてね。ラングニックはトゥヘル、ナーゲルスマン、クロップ、フリックについて語ってくれた。そして私たちは、監督として最も最適な人物はハンジだという結論に達したんだ。(強化部門の)デコとボージャンの出張が決め手となったね」

「なぜハンジだったのか? ほかのドイツ人指導者も素晴らしい知識を持っていたが、しかし何人かはクラブチームの監督経験が乏しく、そのほかはスター選手の扱い方を知らなかった。ハンジはすべての条件が揃っていたドイツ人指導者だった」

ラポルタ会長はまた、最後に自身の背中を押したのがデコSD(スポーツダイレクター)であったことも明かしている。

「デコが私たちを説き伏せた。ハンジこそがこのチームにとって理想的な指揮官だとね。今のバルサは、極上の選手たちが揃うグループだ。私たちは彼らに信頼の気持ちを伝えたかったし、ハンジが実際にそういうグループであることを示してくれたんだよ」

ラポルタ会長はその一方で、フリック監督と2026年まで結ぶ契約を、あと1年延長する見通しであることを明かした。

「まだ合意は正式なものではないが、彼は口にした言葉を守る男だ。彼は過去にもバルサを率いる可能性があったが、そのときにはドイツ代表監督と契約していると、きっぱり言い放ったんだよ。思い返してみれば、もうその頃から、いつの日かバルサを指導することを考えていたんだろうね」

フリック監督率いるチームの来季の改善点について問われると、こう返した。

「ハンジはあらゆることを深くまで分析する。今季の私たちは独自のスタイル、バルサならではのスタイルでプレーしたが、思うに監督がシステムを進化させたんだよ。そうするためには、深い分析が必要となる。そうした変化にはチーム全体の連動が求められ、シーズン半ばに行うことはできない」

「ハンジたちが、プレーシステムにバリエーションをつけるために分析を重ねていくことは分かっている。今季、いくつかの場面で抱えた欠点を補うためにね」

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