2019シーズンのJ1参入プレーオフが12月1日に開幕。J1・16チームとJ2の3位から6位までの4チームが熾烈な争いを繰り広げる。J2からはすでに大宮アルディージャ、徳島ヴォルティス、ヴァンフォーレ甲府、モンテディオ山形と、4チームの出場が決定。14日に開催予定のJ1・16位との決定戦を懸けた戦いがいよいよ始まる。そんな激闘を前に、昨年の参入プレーオフをおさらい。J1・16位のジュビロ磐田が残留を果たした2018シーズンを振り返る。
■2018年J1参入プレーオフ出場チーム
・J1
16位:ジュビロ磐田
・J2
3位:横浜FC
5位:大宮アルディージャ
6位:東京ヴェルディ
※4位:FC町田ゼルビアはJ1クラブライセンス未保有のため、出場できず
■試合結果
1回戦:大宮(J2・5位)0-1 東京V(J2・6位)
2回戦:横浜FC(J2・3位)0-1 東京V(J2・6位)
決定戦:磐田(J1・16位)2-0 東京V(J2・6位)
★磐田のJ1残留が決定
■下剋上を狙った東京V

プレーオフは昨季からレギュレーションが変更。J1・16位の自動降格がなくなり、J2・3位から6位までで行われるプレーオフ勝者が、J1・16位との決定戦を戦う方式となった。
2018シーズンのJ2を6位で終えた東京Vは、1回戦で5位の大宮と対戦。引き分けでも敗退が決まる状況のなかで、後半にセットプレーから平智広が値千金の決勝点をマーク。そのまま逃げ切り1-0で勝利し、2回戦へ駒を進めた。
2回戦では3位に入った横浜FCと激突。この試合も終盤までスコアレスのまま経過し、横浜FCの決定戦進出が決まるかと思われたが、後半アディショナルタイムに劇的なドラマが待ち受けていた。
東京VはCKのチャンス。キッカーは大宮戦同様に佐藤優平だった。ラストワンプレーになるであろうセットプレーであったため、GK上福元直人も前線に駆け上がる。すると、佐藤が蹴り込んだ鋭いボールに、上福元がドンピシャのタイミングでヘディングシュートを叩き込む。これはGK南雄太が必死のセービングを見せたが、こぼれ球にドウグラス・ヴィエイラが詰めて劇的な決勝点を奪取。「全員の思いがこもったゴールだった」と上福元が語れば、当時東京Vを指揮していたロティーナ監督は「すごく難しい、感情的な試合」と評したように、プレーオフだからこそ起こり得るドラマティックな展開となった。
この2勝で士気は最高潮に達した東京V。あとひとつ勝てば2008年以来のJ1昇格が叶う……。「必ず次の試合で僕たちの大きな目標であるJ1昇格をつかみ取りたい」。決勝点を挙げたD・ヴィエイラの言葉には、一際力がこもっていた。
■立ちはだかった磐田

しかし、東京VがJ1の切符を手にすることは、そう簡単なものではなかった。決定戦で立ちはだかったのは磐田。リーグ戦では残留の目安とされる勝ち点40台を突破。41ポイントで横浜F・マリノス、湘南ベルマーレ、サガン鳥栖、名古屋グランパスと並んだものの、得失点差のマイナスが響き、16位に転落。当時磐田を率いていた名波浩監督は「25年くらいの歴史のなかで(勝ち点)41の残留争いなんて、なかなか難しいシーズンだったねといろいろんなところで言われる」と話していたが、磐田にとっては最後の最後でプレーオフ出場の憂き目を見る結果となった。
そんな磐田は決定戦までの練習を完全非公開にする徹底ぶり。何としてでも生き残る――。そのための厳戒態勢だった。実力の差は試合の結果を左右することはもちろんだが、それ以上に「J1に生き残ってやる」もしくは「J1に昇格してやる」という強い思いもまた、結果を左右する重要なファクターであった。
迎えたヤマハスタジアムでの決定戦。最終節で16位に転落し、“意気消沈”の磐田と、プレーオフを連勝し、“意気揚々”と駆け上がってきた東京Vの一戦であったが、蓋を開けてみれば、磐田が如実にJ1の実力を見せつける結果となった。
磐田は41分に小川航基がPKを獲得すると「決める自信はあった」と、このPKを自ら決めて先制点を奪取。後半も前からのプレスを徹底し、東京Vに自由を与えないままリードを保つと、80分に田口泰士が直接FKを左隅に叩き込み、貴重な追加点を奪取した。試合はそのまま終了。磐田が東京Vの下剋上を許さずにJ1残留を決めた。
「チームとして必要のない1試合だったのは確かですし、ましてあの最終節の残り30秒までは、我々が16位ではなくて、3つか4つ上の順位にいたはずなのに、そこに突き落とされたあの感覚というものは、おそらく個人的にも、それから選手たちも一生忘れないと思う」
試合後、名波監督はそう言葉を放った。この一戦で「負けたら間違いなく辞めるつもりでいた」と進退までかけていた指揮官は「昨日の夕方5時、ナイターもつけていない真っ暗な状況でボールを蹴ってるベテラン選手、今日の朝8時半から(メンバーの)18人に入れなかった選手たちが自発的にボールを蹴っている姿を見て、こんなチームが負けるわけない」と確信していたという。
一方でロティーナ監督は「カテゴリの違いがあるということは、差があるということ。やはり、よりレベルの高い選手たちが1部にいる」と差を痛感。「1部で戦っている選手たちの経験だったり、ホームのアドバンテージというのが出た」と苦しい戦いであったと振り返っていた。
J1クラブの磐田が降格を免れた一方で、東京Vは2試合を勝ち抜いたうえで、最後にJ1クラブを倒さなければならない難しさを痛感した一番でもあった。
ひとつのプレーで、すべてが変わる。生き残るか、這い上がるかで運命を左右するJ1参入プレーオフ。今年もまた、劇的なドラマが待っている。

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「※」は提携サイト『 Sporting News 』の提供記事です



