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理想と現実をつなぎ“広島らしいチーム”へ…城福監督が見据えるモノとは?【J1戦力分析:サンフレッチェ広島編】

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以下に続く

■開幕予想スタメン

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■キャンプの最後で見えた「広島らしさ」

宮崎キャンプ最後のトレーニングマッチとなったファジアーノ岡山戦(2月14日)の話から始めよう。

45分×3本で行われたこの試合の1本目、「主力組」の戦いは厳しかった。ボールロストが目立ち、パスが有機的につながらない。バックパスが悪いとは全く思わないが、それがゲームのストーリーをつくる上での駆け引きではなく、逃げを打つ形になっている。そのため、岡山のプレスをまともに受けてしまい、苦し紛れに前に蹴る。セカンドボールを支配することもできず守備の連動性も失って、城福浩監督がこだわる「コンパクトゾーン」の形成がうまくいかなかった。ロングボール1本であっさりと裏をつかれて大ピンチを招いたのがその証明だ。それでも無失点で切り抜けたのはGK林卓人のビッグセーブなど局面での個々の踏ん張りがあればこそ。複数失点を食らっても、おかしくはなかった。うまくいかない時に我慢して守り、セットプレーから点をとってリードを奪う。1本目の収穫をあえて探せば、それくらいか。

だが2本目のスタートから城福監督は最終ラインに千葉和彦と吉野恭平、丹羽大輝を投入。サイドハーフだった川辺駿の位置をボランチに下げ、青山敏弘・稲垣祥の3人で中盤を構成させた。守備の時はダブルボランチで川辺はサイドハーフ。攻撃時には稲垣をアンカー的に下げて青山と川辺に相手の間に立たせる形をつくった。この修正で状況は一変。ボール保持は圧倒的になり、岡山のハイプレスをいなしてスペースをつくる「広島らしさ」が見えた。26分に中盤から前の選手が入れ替わると、傾向はさらに顕著に。圧倒的なパフォーマンスで2本目以降の90分で3点を奪ったのも必然だった。

このことが何を意味するかを語る前に、広島のプレシーズンについて書いておこう。

■厚い選手層と流動的な布陣

始動が1月22日と遅かったのは城福監督の意志ではなく、前体制の時に決まっていたこと。それでも指揮官は「ここ最近の広島はずっとオフもほとんど休めていない。オフを長くしてサッカーへの飢餓感を生み出すことも悪くはない」と判断し、予定を受け入れている。

確かに昨年の屈辱的な戦いで疲弊した選手たちの心身を癒やすためにも約7週間にもわたる長期のオフは有効だったのかもしれない。実際、キャンプ中に筋肉系の負傷で離脱したのは高橋壮也だけ。池田誠剛フィジカルコーチの厳しいメニューに対して、選手たちは歯を食いしばって取り組めている。ただ、そうはいっても、戦術の深化についてはさすがに時間が足りない。城福監督は「選手たちの最大値を引き出す」ことを目的として、様々な組み合わせやフォーメーションを試している。それは新監督としてはある意味当然の仕事。だが、開幕まで残り2週間を切った段階で、メンバーと形を絞り込めているかというと、それは難しいと言うしかない。

宮崎キャンプに入っても、仙台戦では4-3-3のアンカーシステム。岡山戦では4-4-2から途中で3ボランチ的な4-3-1-2の形も組んだ。トレーニングでも、多くの選手を主力組で試し、3-4-2-1もやってみている。「固定」する雰囲気もない。そう。城福監督の方向性とは、「固定」ではなくあえての「流動」なのだろう。

「このチームの最大の特徴は、競争にある」

指揮官はそう明言している。今季の広島は、全てのポジションに2人以上のタレントを準備。強烈な「個」の存在はないが、高いレベルで2チームをつくることができる。たとえばFWにはタイの英雄で前田遼一のようなトータル・クオリティを持っているティーラシン、J1での実績十分なパトリック、復活をかけキャンプでの練習試合で5試合5得点と結果を残した工藤壮人、昨年のJ2で23得点を叩きだした渡大生と、一騎当千のタレントがズラリ。キャンプでは、ジュビロ磐田で大きな実績を残した川辺駿や徳島ヴォルティスで9アシストを記録したクロス職人の馬渡和彰がトレーニングマッチで5試合1得点4アシストと存在感をアピール。東京ヴェルディや大宮アルディージャで力を発揮していた和田拓也もコンディションの向上と共に知性的なプレーが評価されるなど、新戦力も力を発揮している。さらに森島司や松本泰志らの若手も練習試合で質を見せており、戦力としての厚みは実感として増幅されてきた。

だからこそ、指揮官は「シーズンを通して(メンバーを)固めるつもりはありません」と言明した。ボールを握って主導権をとる戦い方がベーシックだが、それを目ざすのであれば形も選手も固定した方がコンビネーションは早くつくれるはず。しかし、4~5月の15連戦を考えても戦える選手をたくさんつくっておきたいという意図もあり、指揮官は「固定」を嫌い、「フェアな競争」をベースにチームのボトムアップを狙っていく。

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■理想の形を追い求めつつも…

さて、岡山戦である。明確なほどにパフォーマンスが違った結果を見て、城福監督は「1本目の内容については、選手に対して整理してあげないといけない」と語った。その上で「ボールの失い方が悪かったり、プレーの選択の問題もあって、攻から守の切り替えが必要以上に多くなりすぎた。攻守一体のスポーツですし、人の組み合わせや立ち位置も含め、もっと工夫が必要。選手の特長を消してはいけない。どういうエリアでどういうプレーをすることが、選手の最大値を活かすことになるのか。チームの力になるのか。今日の試合では、そこに関するヒントももらえた」とも。

この言葉からもわかるように、指揮官はまだ、多くのポイントについて白紙に近い状況なのである。しかも、守備については細かく決まり事をつくっているが、攻撃については今のところ、個人の力を見極めている段階。ミーティングなどでは比較的短期間に構築できる守備に多くの時間を割き、一方で攻撃はサイドからのクロスなど比較的オーソドックスかつシンプルに相手のゴールを襲うやり方に注力している。「人もボールも人の心も動かすサッカー」を城福監督は掲げてはいるが、「攻撃の構築には時間がかかる」ことも事実。そこは現実を見据えながら戦おうという意図だろう。

おそらく開幕時に「これが新しい広島だ」というサッカーを100%の形で表現することはできまい。それは、指揮官も折り込みずみだ。

「成功体験や悔しい思いを積み上げ、終盤には“広島らしいチームになった”と思ってもらえる1年にしたい」

開幕はあくまでスタート。そこで勝負にこだわりつつ、競争の中で目標を追い求める。理想と現実の狭間の中で、新しい広島は船出を迎える。

写真・文=中野和也

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