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新生・セレッソ出陣。得点へ直結する“ビルドアップ”で神戸に勝つ【C大阪視点プレビュー】

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2019シーズンの明治安田生命J1リーグは、22日にヤンマースタジアム長居で行われるセレッソ大阪とヴィッセル神戸の一戦を皮切りにいよいよ幕を開ける。タレント揃う両者の関西ダービーは、史上最上級の開幕戦との呼び声も高い。一昨年はJリーグYBCルヴァンカップと天皇杯の二冠を達成したC大阪だが、昨季は無冠と悔いの残る一年になった。新監督にスペイン出身のミゲル・アンヘル・ロティーナを招へいし、新たなスタイルに着手するC大阪が、オープニングゲームでどんな戦いを見せてくれるのだろうか。【文=小田尚史】

■戦術的な駆け引き必至。注目のスペイン人指揮官対決

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今季のJリーグ開幕が迫ってきた。昨年に引き続き、2年連続での金曜開幕となるJ1リーグ。オープニングマッチに選ばれたのは、セレッソ大阪とヴィッセル神戸の関西ダービーだ。

今季から神戸に加入した元スペイン代表FWダビド・ビジャのJリーグデビューに、アンドレス・イニエスタと清武弘嗣のゲームメイク対決、昨季はC大阪で主将を任され、チームのシンボルの一人でもあった山口蛍がクリムゾンレッドのユニフォームをまとってヤンマースタジアム長居でプレーするなど話題には事欠かない一戦だが、スペイン人指揮官対決という視点でも興味深い。

今季よりC大阪を率いるロティーナ監督と、昨季途中に神戸の指揮官に就任したリージョ監督はともにスペインのバスク州出身であり、過去にリーガ・エスパニョーラでの対戦経験もある旧知の間柄である。

「リージョ監督とは特別な関係があり、対戦したことは何度もある」と話すロティーナ監督。戦術家としての側面を持つ指揮官同士、攻守でシステムが変わる可変式を採用する可能性もあり、ピッチの上で繰り広げられる戦術的な駆け引きから目が離せない。

さらにロティーナ監督は「相手には、スペイン代表としてワールドカップを優勝したイニエスタやビジャといった、スペインの中でも重要な選手がいる。彼らがスペインサッカーの歴史に残してきた功績を我々はリスペクトしている」とも語る。

その2人に元ドイツ代表のルーカス・ポドルスキを加えた3人のW杯優勝経験者を擁する神戸の攻撃陣に対して、“ロティーナ・セレッソ”がどういった対応を見せるのかも、この試合の見どころとなる。今節に向けた練習はすべて非公開であり、手の内を明かすことはないC大阪だが、分析力に長けたロティーナ監督とイバンコーチの下、神戸のビルドアップの起点となるイニエスタ封じも含め、必ずや対策は練って試合に臨むだろう。

■神戸戦のポイントは“ビルドアップ”

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攻撃において今季のC大阪は、相手を見て意図的に優位なポジションを取り、ビルドアップを重視して攻めるプレーモデルの浸透を図っている。昨季から変貌を遂げたそのスタイルは、神戸に近いものがある。

その意味では、似たアイデンティティを持つチーム同士の一戦となるが、取り組んできた時間が長い分、ポゼッションにおいては神戸に一日の長があるか。新スタイルが発展途上のC大阪としては、しっかりと守備ブロックを作った上で、素早くスペースを突いていく攻撃も効果的に仕掛けていきたい。

17日に行われたJ2のレノファ山口FCとのプレシーズンマッチでも、後半にスペースが生まれた時間帯では、シンプルにサイドを使って水沼宏太のクロスに都倉賢が合わせる形でチャンスを作った。

簡単に前へ蹴らず、ディフェンスラインからつないで攻撃を構築していくのが今季のC大阪の特長。「相手ありきなので、全部がうまくつなぐことはできない。監督やコーチが提示してくれたアイデアやバリエーションを元に、ピッチの中で選手たちが臨機応変に対応していければいい」(清武弘嗣)、「ポゼッションしながらも、同じ絵を描いていくことが大事。最終的に、ポゼッションは突破するためのポゼッション。得点を奪うためには、背後への動きやゴールに直結するパスも必要」(都倉賢)と話すように、まずは得点への布石となるビルドアップを目指していきたい。

指揮官は「ファンの皆さんに楽しんでもらえるサッカーをして、それが勝利につながること。この2つを目指す」ことを今季の方向性として打ち出している。開幕戦で欲しいのは、何よりも結果。見る者を魅了するサッカーのスタイル構築を目指す今季だからこそ、新たな挑戦をスムーズに進めるためにも、早い段階での勝点3が何よりの良薬となる。理想と現実の二兎を追う、セレッソの冒険が始まる。

文=小田尚史

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