ドルトムントが復権を果たすためには、この男の力が欠かせない。
マリオ・ゲッツェ。2010-11シーズンに9年ぶりのブンデスリーガ制覇と、翌シーズンの2冠をクラブにもたらした男である。
バイエルン・ミュンヘンへの移籍を経て2016年にドルトムントへ復帰。しかし、昨シーズンはケガに苦しみ、持てる力を100%発揮することができなかった。
新たに迎えるシーズンを、彼はどのような気持ちで迎えるのか? 『Goal』に対し、その胸中を明かしてくれた。
※第1回 「ゲッツェ、復活への手応えは?初来日で明かした天才の“今”」はこちら
※第2回 「ゲッツェが語る“似た者同士”香川真司との共通点とは?」はこちら
■可能性はある。そう信じているよ
――現在、ブンデスリーガはバイエルンの一強状態が続いています。昨シーズンは5連覇を達成しましたが、現状をどのように見ていますか?
一年一年で見なければいけないと思う。リーグ戦34試合をあのレベルでプレーすること、勝つこと、そして首位でシーズンを終えることは難しいことだ。みんな分かっている。だから僕たちにとって、チャレンジになるだろうね。前を向いて新しいシーズンに臨まなければいけないんだ。(それができれば)興味深いことになるんじゃないかな。
――絶対王者を抑えてリーグ制覇を果たせると思いますか?
可能性はある。そう信じているよ。どのみち少し経てば答えは出る。
ただ、今はまずプレシーズンと序盤の試合に集中するべきだね。バイエルンは今シーズンも非常に優れたチームだろうし、実際にいいプレーを見せると思う。だから僕たちは自分たちのことを考えないといけないんだ。いいプレーをして、勝利を収める……ということをね。
――バイエルンはU-19チームでプレーしていたあなたの弟、フェリックス・ゲッツェと今年5月にプロ契約を締結しました。実弟と対戦する可能性もありそうですね。
もちろん、そうなることになっても問題はないよ。彼はまだ19歳だけど、バイエルンでうまくやっているようだしね。最近のテストマッチでも出場したんだ。僕も嬉しく思っているよ。
どうなるか分からないけど、彼が若いうちから挑戦していることを、喜ばしく感じている。
――弟さんにとっても、あなたは大きな存在でしょうね。ちなみにあなたが目標にしていた選手、いわゆるアイドルは誰だったのでしょう?
何人かいたよ。現役時代のジネディーヌ・ジダン(現レアル・マドリー監督)、8番でプレーするアンドレス・イニエスタ(バルセロナ)とかね。リオネル・メッシ(バルセロナ)やクリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリー)も参考にする。
ただ、自分のポジションやプレーに一番近いを感じるのはイニエスタかな。
――なるほど。では最後になりますが、今シーズンの目標を聞かせていただけますか?
目標は健康であること、プレーを続けていくことさ。
他のことは予想できないから、今はそれだけを目標にしているんだ。とにかく、これから起こること、そして試合を楽しみにしている。一週間のスパンで物事を考えるようにしているんだ。今はそれが一番、大事だと思うからね。
インタビュアー=ミムラユウスケ
■マリオ・ゲッツェ独占インタビュー
第1回 ゲッツェ、復活への手応えは?初来日で明かした天才の“今”


