▶ラ・リーガ観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、およそ3カ月の中断を余儀なくされたラ・リーガ。それでも11日についに再開を果たし、シーズン終了へ向けて過密日程がいよいよスタートした。
そんな中、現在18位と残留争いに巻き込まれるマジョルカは、13日の再開初戦でホームに首位バルセロナを迎える。期限付き移籍で加入中の日本代表MF久保建英にとっては、ユース時代を過ごした古巣と2度目の対戦だ。
バルセロナ関係者は、日本の至宝と確かな未来を描いていた。しかし今、彼は最大の宿敵レアル・マドリー所属の選手として、バルセロナの前に立ちはだかる。スペイン国内で大きな物議を醸したいわば“禁断の移籍”成立の裏側を、改めてバルセロナ番記者が紐解いていく。
文=フェラン・マルティネス/Ferran Martinez(スペイン『ムンド・デポルティボ』紙)
翻訳=江間慎一郎
■約束されたはずだった物語

まるで映画のような完璧な物語が紡がれるのだと思えた。久保建英は日本のバルサアカデミーで際立った存在感を放ち、10歳で世界最高の育成組織として名高い同クラブのラ・マシアに入団。ラ・マシアで過ごした4年間、彼は人間としてもフットボーラーとしてもみるみる成長を果たしていき、バルセロナでの輝かしい未来と固い約束を結んでいった。しかしながら2015年、FIFAが18歳以下の選手の国際移籍に違反したとしてバルセロナを処分し、それをきっかけとしてすべてが壊れてしまった。
久保は以降、ラ・マシアで練習することも試合に出場することもできず、結局は母親、兄弟とともに日本に帰国することを選択した。東京で成長を続けて、18歳となる2019年にバルセロナに戻ってくることが、彼とクラブの考えだったのだ。事実、久保はFC東京でプレーしながらも、バルセロナとの関係を保ち続けていた。日本のシーズン終了後となる12月と1月にはバルセロナへと赴いて、同世代の選手たち(そこには現在クラブのトップチームでプレーするアンス・ファティや、マンチェスター・シティのエリック・ガルシアも含まれる)と練習を行った。日本に戻ろうとも彼の進化は止まることなく、バルセロナのコーチたちはその才能が、ラ・マシアの中でも群を抜いていると認めざるを得なかった。凄まじい敏捷性と技術のほか、考える力や賢さも特筆すべきものであり、限られたスペースの中でも輝きを放てる……それが彼らの久保についての評価だった。
■世界中に追われる才能
Getty Images扱う対象が未成年の選手であるために、スペインメディアの間で頻繁に報じられることはなかったが、バルセロナと久保が2019年に再び一緒になることは既定路線だった。カタルーニャの中心地では、久保が帰ってくることを指折り数えながら待ち続けていたし、その当時は久保本人だって同じ気持ちでいたはずだ。久保がバルセロナ復帰後に加入するはずだったBチームの責任者の一人、ホセ・マリ・バケロは、その約束の時が訪れる1年前に『ムンド・デポルティボ』のインタビューで次のように語っていた。
「私たちは彼のことを見守り続けている。試合での様子はしっかりとチェックしているし、スカウティング部門も彼の成長を見守り続けている。久保については、少し特別な状況と言えるだろう。私たちは彼の家族とも話しているし、18歳になったとき、ここに戻れるレベルにあるならば、もちろん戻ってくることになる」
その時点では、久保がほかの欧州のクラブに移籍することは誰も想像していなかった。実際、彼の家族はU-20ワールドカップ終了後にジェラール・ピケ、イヴァン・ラキティッチ、サミュエル・ユムティティらバルセロナの選手たちを顧客とする代理人、アルトゥーロ・カナレスと契約を結んだのだから。
だがしかし、過去や裏でのつながりはともかく、現実的にバルセロナと契約を結んでいるわけではない久保を、欧州のビッグクラブが見逃すわけはなかった。チェルシー、マンチェスター・シティ、パリ・サンジェルマン(PSG)、そしてレアル・マドリー……。PSGやレアル・マドリーは久保の家族とも接触したが、提示したオファーに断りを入れられている。その理由は、カナレスが2018年10月からバルセロナとの交渉を開始していたためだ。バルセロナ関係者によれば、交渉は基本合意にまで達していた。両者とも契約条件には納得しており、あとは久保が18歳になるのを待つだけだったのだ。
■恐怖と憎悪
(C)MutsuFOTOGRAFIAしかし久保のバルセロナ帰還が果たされようとしていた直前に、状況は一変してしまう。久保側が代理人を変更し、中村俊輔、長友佑都らを顧客としてスペイン人の代理人マネル・フェレールとも関係を持つロベルト佃と契約を結んだのである。バルセロナはロベルト佃、マネル・フェレールを相手に久保についての交渉を再度行ったものの、レアル・マドリーが新たに提示したオファーの方が条件が良かった。レアル・マドリーはバルセロナがそうすることを嫌った、加入後2シーズン目でのトップチーム昇格を約束したのだった。そこでバルセロナは久保から手を引くことを決断し、永遠のライバルに移籍することを受け入れるほかなかった。
久保のレアル・マドリー移籍は、カタルーニャに大きな動揺と悲嘆をもたらすことになった。そして今現在、バルセロナのサポーターの大多数が、彼が永遠のライバルで成功をつかむことがないよう祈っている。久保という選手がこれから大成することは、フットボール界にとっては間違いなく素晴らしいことである。しかしそれは同時に、バルセロナが白いユニフォームを着る日本人選手に長い間苦しむことを意味するのだ。
バルセロナと久保の完璧だと思えた物語は今や、ホラー映画になりつつある。バルセロナのサポーターは、ただでさえ心臓が高鳴るクラシコで叫び声をあげなければならない未来を予感して、恐怖に慄いている。マジョルカでも徐々にそうしているように、彼の才能が本物であることが証明されればされるほど、その恐怖と憎悪はどんどんと増していくのである。
▶ラ・リーガ観るならDAZNで。1ヶ月間無料トライアルを今すぐ始めよう
【関連記事】
● DAZNを使うなら必ず知っておきたい9つのポイント
● DAZN(ダゾーン)をテレビで見る方法7つを厳選!超簡単な視聴方法を紹介
● DAZNの2020年用・最新取扱説明書→こちらへ ┃ 料金体系→こちらへ ※
● 【簡単!】DAZNの解約・退会・再加入(一時停止)の方法を解説 ※
● DAZN番組表|直近のJリーグ放送・配信予定 ☆
● DAZN番組表|直近の海外サッカー放送・配信予定 ☆
● Jリーグの無料視聴方法|知っておくと得する4つのこと
「※」は提携サイト『 Sporting News 』の提供記事です
「☆」は提携サイト『 DAZN News 』の提供記事です




