Raul Gonzalez Real MadridGetty

アトレティコ、ラウール退団の真実「下部組織解体の1年前、父親がレアルに説得された」

アトレティコ・マドリーの元選手で、スポーツディレクターも務めたルベン・カノ氏が、元スペイン代表FWラウール・ゴンサレス氏がなぜアトレティコの下部組織を退団したのか、その真実を明かしている。

今やマドリーの伝説的存在であるラウール氏だが、子供のの頃は家族全員と同様にアトレティコファンであり、マドリーを憎悪の対象とも呼べるクラブだった。しかしながら15歳の頃、当時のアトレティコ会長だった故ヘスス・ヒル氏が下部組織を解体したことをきっかけに、レアル・マドリーへ移籍したとされる。

だが当時スポーツディレクターを務めていたルベン・カノ氏は、ポッドキャストの番組内でラウール氏のアトレティコ退団のきっかけが、下部組織解体ではないことを告白。ラウール氏の父親が、マドリーの勧誘に抗うことができなかったと話している。

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「ラウールはあの世代では飛び抜けた選手だった。私はマラドニータ(小さなマラドーナ)と呼んでいたね。私たちは契約延長まであと1週間という状況で父親に連絡をしたが、彼はやって来なかった。マドリーが接触していたのさ。彼らは金や何やらを駆使しながら、いつも私たちの選手をつけ狙っていた。そしてある日、ラウールがマドリーと契約したことを伝えられたわけだ。それはヘスス・ヒルが彼のクレイジーな決断の一つである、下部組織解体を決める1年前のことだった」

「人々はラウールの退団がアトレティコが下部組織を解体したためだと言っている。しかし彼がクラブを去ったのは、それより少し前のことだったんだ。マドリーは父親を説得して、彼をアトレティコから連れ去ったんだよ」

ルベン・カノ氏はさらに、アトレティコがブレイク前の元ブラジル代表FWロナウド氏を獲得できた可能性があったことも明かした。

「その頃の私はアトレティコを退団して、仲介人を務めていた。南米を中心に多くのコンタクトを有していたからね。私はブラジルで当時クルゼイロに在籍していた16歳のロナウドを目撃し、『こいつはすごいぞ』と口にすることになった。私はミゲル・アンヘル(ヘスス・ヒルの息子で、現アトレティコCEO)に彼という選手の存在と、PSVも600万ペセタ(スペインの旧通貨)で彼の獲得を狙っていることを伝えたんだ」

「その頃にはもう、アルゼンチンで選手の保有権というものが生まれており、私はヘスス・ヒルから許可をもらって、クルゼイロに対してロナウドの保有権の50%を買い取ることをオファーした。彼らはOKだと言ったよ。(PSVへの売却ではなく)保有権を分けることを望んだんだ。だがしかし、ミゲル・アンヘルがアルゼンチンではすでに行われていた保有権の売買について『何だ、その50%というのは?』と言い、ノーを突きつけたんだよ」

「ロナウドは全キャリアをアトレティコで過ごす可能性すらあった。ロナウドはアトレティコに加わり、もし他チームに移籍する場合には、クルゼイロが移籍金の半分を受け取る算段となっていたんだ」

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