1950~1960年代に活躍した元スペイン代表のレジェンド、ホアキン・ペイロ氏が18日、マドリード市内の病院で亡くなった。享年84歳。
1934年生まれのペイロ氏はアトレティコ・マドリーのアカデミー育ちで、1954年にトップデビュー。レアル・ムルシアへの期限付き移籍を経て、55-56シーズンからアトレティコ・マドリーの主力に定着した。
ラ・リーガでは8シーズンで166試合95ゴールをいう成績を残し、1962年にイタリア・トリノへ移籍。同世代のルイス・スアレスに続いて、セリエAでプレーした2人目のスペイン人となった。
1964年から在籍したインテルでは名将エレニオ・エレーラの下で躍動し、64-65シーズンにはUEFAチャンピオンズカップ(現チャンピオンズリーグ)を制すなど、“グランデ・インテル”と称されたインテルの黄金期を支えた。ペイロ氏は64-65シーズンのチャンピオンズカップ準決勝、リヴァプールとの第2戦では前半10分に2-0となる追加点を決め、逆転での決勝進出に大きく貢献したことでも知られる。イタリア『コリエレ・デッロ・スポルト』は「リヴァプール戦でGKの後方からボールをかっさらい、そのまま奪ったゴールは、フットボールの歴史に永遠に刻まれる大仕事だろう」と称賛している。
1966年からはASローマに新天地を求め、1970年に現役を引退している。また、スペイン代表としては生涯12キャップ5ゴールと数字こそ少ないが、1962年のチリ・ワールドカップ、1966年のイングランド・ワールドカップでスペイン代表のメンバー入りを果たしている。
引退後は指導者に転身し、グラナダ、アトレティコ・マドリー、ムルシア、マラガなどの監督を歴任。2004年にムルシア指揮官のポストを解かれると、その後は一線から退いていた。近年は体調を崩し、マドリード市内で療養していたが18日にこの世を去っている。
なお、ペイロ氏の他界に伴い、アトレティコ・マドリーの後輩でもあるフェルナンド・トーレスは「レジェンドが僕らの世界から去っていった。今のアトレティコがあるのは、彼がいたからこそ。ペイロ氏の功績を僕らは誇り、語り継いでいくべき。ありがとうペイロ、アトレティはいつもあなたとともに」と先人を偲んでいる。
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