『ガゼッタ・デロ・スポルト』は“オールド・レディー”(ユヴェントスの愛称)を「冬のウィンドーの女王」と命名した。
中立的な立場の人の中には同意できない人もいるだろう。だが、ユーヴェの1月の動きは印象的であるとともに、驚きをもたらした。
元監督アルベルト・ザッケローニ氏は『ガゼッタ』に対して「ユーヴェがこんな動きをするなんて誰も予想できなかっただろう。今回は少しだけレベルを下げた取引をするにとどめて、夏に大きな移籍をするのではないかと予想していたんだ」と話した。
その予想に反して、ユーヴェはヨーロッパを驚愕させた。マーケットで最注目のストライカー、ドゥシャン・ヴラホヴィッチと契約したのだ。また、同時にデニス・ザカリアを素早く獲得する決断力を見せた。ボルシア・メンヘングラードバッハとの契約が今夏切れることになっていたため、いくつかのクラブが興味を示していたところであった。
完璧に実行された2つの移籍によって、ビアンコネリは「前線の得点力不足」と「中盤のクオリティ不足」という2つの最も大きな問題を基本的に解決することができたのだ。
また、フロジノーネからフェデリコ・ガッティを獲得したことでDF中央の若返りに大きな一歩を踏み出すことにも成功している。
それ以上に、ユーヴェは今回、余剰戦力の整理という大きな悩みのタネを解決することができたのだ。
皮肉なことに、その件に関しては前スポーツダイレクターのファビオ・パラティチ(※現トッテナム)が大きな役割を担っていた。
多くの高額移籍をこのクラブで担ってきたこの男は、ロドリゴ・ベンタンクールとデヤン・クルゼフスキを総額7000万ユーロ(約91億7000万円)で獲得したのだ。オールド・レディーの財政を圧迫していた二人を放出することができ、ユヴェントスは余裕を取り戻すことができたのだ。
そして、アーロン・ラムジーの移籍先をついに見つけることができたという事実も加わった。ひっきりなしにケガをしていたウェールズ人はローンでレンジャースに加入した。
オーナー企業のエクソール社からの資金注入があったことを考慮に入れても、ユーヴェのファンは冬のウィンドーがここまでうまくいくとは想像もできなかっただろう。来季のチャンピオンズリーグ(CL)に出場できなくなることを恐れていたサポーターも多かったが、今や楽観的に語るようになっている。