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Champions League W+Ls GFXGetty/GOAL

チャンピオンズリーグの勝者と敗者:「完璧な」リヴァプールにブレスト躍進の一方で…マンチェスター・シティ低迷やUEFAの功罪

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5カ月にわたる熾烈な144試合を経て、新方式となったチャンピオンズリーグ(CL)リーグフェーズの戦いが終了した。

最終節だけでも64得点が生まれるなど、エンターテイメント的な面では魅力的な戦いが続いた中、8位に入ったリヴァプール、バルセロナ、アーセナル、インテル、アトレティコ・マドリー、レヴァークーゼン、リール、アストン・ヴィラが決勝トーナメントへストレートイン。一方で、レアル・マドリーやバイエルン・ミュンヘン、マンチェスター・シティといった優勝候補がプレーオフに回ることになったのも大きなトピックだろう。

今回『GOAL』は、2024-25シーズンにおけるCLリーグフェーズの勝者と敗者を振り返る。

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  • FBL-EUR-C1-LIVERPOOL-REAL MADRIDAFP

    勝者:リヴァプール

    今夏ユルゲン・クロップの後を継いだアルネ・スロットの下、リヴァプールは急速にヨーロッパ最高のチームへと変貌を遂げた。最初の7試合は全勝で16ゴール2失点、ミラン、レアル・マドリー、レヴァークーゼンに完勝するなど、これ以上な完璧なリーグフェーズだったと言えるだろう。

    クロップの“ヘビーメタル”なスタイルはリヴァプールに多くの成功をもたらしたが、スロットはポゼッションとポジショニングによるゲーム支配やスムーズなトランジションを目指し、規律を強化することでチームを次のレベルへと引き上げた。恐ろしいのは、特別なギアを入れる必要がなく首位突破を決めてしまったことだろう。

    フィルジル・ファン・ダイクが最高の調子を取り戻し、ライアン・フラーフェンベルフが中盤を支配し、止められないモハメド・サラーが攻撃を牽引する今、リヴァプールには7度目のビッグイヤーを獲得するすべての要素が揃っている。現状で心配なのはケガだけだが、自信を持って欧州の頂点を狙うべきだろう。

  • 広告
  • Paris Saint-Germain v Manchester City - UEFA Champions League 2024/25 League Phase MD7Getty Images Sport

    敗者:マンチェスター・シティ

    リヴァプールには三冠達成のチャンスがあるが、マンチェスター・Cが2022-23シーズンを再現するチャンスは限りなく低い。ジョゼップ・グアルディオラ監督のチームは最強を誇ったかつての姿から、相手に自由に付け入る隙のある脆弱なチームへと変わってしまった。

    最終節のクルブ・ブルッヘ戦の逆転勝利でなんとかプレーオフに滑り込んだものの、その試合ですら説得力に欠ける内容であった。スポルティングCPやユヴェントス、パリ・サンジェルマンに敗れ、フェイエノールト戦ではホームで3点差を追いつかれた。つまり、レアル・マドリーやバイエルンが待ち受けるプレーオフの戦いは苦戦必須だ。

    ロドリの欠場は壊滅的な打撃となり、未だに立ち直れていない。誰もシティを恐れなくなっている。1月には重要な補強を行っているが、このバラバラのチームが再び優勝候補となるにはまだ長い道のりがある。

  • FC Barcelona v BSC Young Boys - UEFA Champions League 2024/25 League Phase MD2Getty Images Sport

    勝者:バルセロナの攻撃陣

    ハンジ・フリックは今シーズン、前任のチャビとは対照的な戦術を展開。バルセロナを欧州屈指のエンターテイナーに変貌させた。ゴールへの最短ルートを探し、強烈なハイプラス&ハイラインを仕掛け、冷酷であり爆発力を持つ攻撃陣が相手を仕留めてきた。

    リーグフェーズの通算得点数は「28」で、ロベルト・レヴァンドフスキは9ゴールで得点ランクトップタイ、ハフィーニャも8ゴールで2位だ。そしてラミン・ヤマルもますます脅威を与えている。特にバイエルン戦での4-1の勝利では、ブンデスリーガの強豪を完全に圧倒。素晴らしいパフォーマンスだった。

    しかしその一方で、守備面では不安が残る。ドルトムントとベンフィカ相手に計6失点。重傷で離脱中のGKマルク=アンドレ・テア・シュテーゲンの穴はあまりにも大きいことを痛感しただろう。優勝を狙うためにはこの課題を解決しなければならないが、圧倒的な攻撃力で2015年以来となるビッグイヤーを手にする可能性もゼロではないはずだ。

  • Thiago Motta Juventus Benfica Champions LeagueGetty

    敗者:退屈なユヴェントス

    ホームでのマンチェスター・シティ撃破(2-0)は大いに価値があるものであった。しかしこの夜を除けば、あまり見ごたえのないリーグフェーズと言っていいだろう。

    チアゴ・モッタ率いるチームはわずか9ゴールしか挙げることができず、上位23チームではワーストだ。9失点は称えるべきかもしれないが、創造性を失い意欲を欠いていたことによるものかもしれない。その硬直した戦術と奇妙な選手起用は、大きな後退につながってしまった。

    トルコの天才、ケナン・ユルディズは自身が最も好むNo.10から右サイドへと移され、苦戦が続いている。夏に獲得したトゥーン・コープマイネルスとドウグラス・ルイスは、それぞれ過去のプレーは見る影もない。さらに、ドゥシャン・ヴラホヴィッチは未だに前線で孤立している。

    最終節でベンフィカにホームで0-2と完敗したことは、今のユヴェントスの問題点をすべて象徴している。5月にビッグイヤーを獲得するのは、現状では夢のまた夢だろう。

  • FC Salzburg v Stade Brestois 29 - UEFA Champions League 2024/25 League Phase MD2Getty Images Sport

    勝者:ブレスト

    2000年にはアマチュアリーグへ転落死、19年をかけてリーグ・アンに戻ってきたブレストだが、今季はクラブ史上初めてCLに挑戦。そして、欧州最高峰の舞台で躍動。おそらく彼らの成功を予想したものはなかったが、18位でプレーオフ進出を決めている。

    エリック・ロワ監督と選手たちがここまで成し遂げたことは、クラブの財政的な制約や現在も続いている負傷者続出の危機、ホームスタジアムを使用できない状況を考慮すると、注目に値する。確かに“アンダードッグ”であるかもしれないが、決勝トーナメントに進む可能性だって十分だ。

  • FBL-EUR-C1-LEIPZIG-ASTON VILLAAFP

    敗者:RBライプツィヒ

    昨季はブンデスリーガ4位で、2023-24シーズンのCLでラウンド16に進出していたため、リーグフェーズ抽選会ではポット1に入った。大会前には、彼らを優勝候補のダークホースと評する者もいた。それだけに最初の6試合を全敗で終え、新方式のリーグフェーズで一番最初の敗退チームになったことは衝撃だった。

    アトレティコ・マドリー、ユヴェントス、リヴァプール、インテルには惜敗したとはいえ、セルティック(1-3)やアストン・ヴィラ(2-3)にも敗れたのは大きな痛手だ。ベンヤミン・シェシュコやシャビ・シモンズなど、豪華な攻撃陣を誇るチームはもっと良い結果を残すべきだったはずだ。

    ここ数カ月間、ローズ監督の下で停滞しているライプツィヒにとって、今回のチャンピオンズリーグは惨憺たる結果に終わったことは否定できない。

  • FBL-EUR-C1-YOUNG BOYS-ASTON VILLAAFP

    勝者:ウナイ・エメリ

    ウナイ・エメリ監督は、アストン・ヴィラを1983年以来初めてチャンピオンズリーグ出場に導くという奇跡を起こしたが、ただ単に枠を獲得しただけじゃない。リーグフェーズ8試合で5勝を挙げ、決勝トーナメントストレートインを決めている。特にバイエルン戦の勝利(1-0)は大きな衝撃を与えた。

    確かにプレミアリーグでは8位まで転落したが、選手層を考えれば仕方がないことだ。それでも4度のヨーロッパリーグ優勝を誇るエメリの下、ビジャレアル時代のようなベスト4入りも果たす可能性は十分にある。「ダークホース」と呼ぶにはまだ時期尚早だが、長年苦しい時期も支えたファンは夢を見てもいいはずだ。

  • SK Slovan Bratislava v AC Milan - UEFA Champions League 2024/25 League Phase MD5Getty Images Sport

    敗者:“アウトサイダー”

    “アウトサイダー”とされたチームの中で、最も結果を残したのはブレストだろう。しかし、彼ら以外の“アウトサイダー”にとっては厳しい結果に。レッドスター(29位)やシュトルム・グラーツ(30位)、レッドブル・ザルツブルク(34位)も苦しみ、スロヴァン・ブラチスラヴァとヤングボーイズは全敗だ。

    彼らは国内リーグでは常に優勝争いに絡む強豪チームだが、チャンピオンズリーグのレベルに達するにはまたしても大きな壁があることが証明された。UEFAの新方式ではエリートクラブとの対戦が増えたことで、財政的な利益がもたらされたが、サポーターが歓声を上げるようなことはほとんどなかった。屈辱的な結果が当たり前のように発生している。36チームへの拡大により競争の質は低下した側面もある。そして、“アウトサイダー”の決勝トーナメント進出はこれまで以上に厳しくなった。

  • Christian PulisicAFP

    勝者:マウリシオ・ポチェッティーノ&アメリカ代表

    ミランでは、クリスティアン・プリシッチが中心選手として1シーズンにおけるチャンピオンズリーグのアメリカ代表選手の最多出場記録を更新。ウェストン・マッケニーとティモシー・ウェアはユヴェントスのリーグフェーズ突破に貢献、PSVではマリク・ティルマンとリカルド・ペピが合わせて5ゴールを挙げ、セルティックではオーストン・トラスティとキャメロン・カーター=ヴィッカースが守備陣を引き締めてプレーオフ進出を達成した。

    アメリカ代表の選手たちは、今季のCLでこれまで以上に活躍を見せたと言っていいだろう。2026年のワールドカップ開催を控える中で、代表チームの確かな成長を感じさせる。マウリシオ・ポチェッティーノ監督も笑顔で彼らの活躍を見守っているかもしれない。

  • Aleksander CeferinGetty Images

    敗者:UEFA

    UEFAが導入した「スイス方式」によるリーグフェーズについては、意見が完全に分かれている。

    バルセロナがベンフィカを5-4で逆転で破った試合や、PSGマンチェスター・シティに4-2で勝利した試合など、手に汗握る素晴らしい試合がいくつもあった。最終節の18試合でも、16試合がいわゆる「消化試合」ではなく、何かしらをかけた戦いになっている。最後まで見どころは十分だった。

    だが、誰もが納得したわけではないだろう。リーグフェーズは全部で144試合、各クラブは過密日程を強いられている。さらに24位まで決勝トーナメント進むチャンスがあるフォーマットでは、プレーオフ出場枠で満足しているビッグクラブも多いはずだ。強豪同士の激突でも、鬼気迫る攻防は多くなかった。

    しかし、これらのクラブを責めることはできない。なぜなら、すでに過密日程を戦っていた各クラブにさらに厳しい日程を強いることになったからだ。UEFAがこの不必要な拡大計画にゴーサインを出した際には、選手の健康や福利厚生はまったく考慮されていなかった。また、より多くの利益を追求するあまり、この大会の魂も失われてしまったと言えるかもしれない。

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