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ドイツを救った"秘密兵器"フュルクルーグとは?2部リーグの無名選手からW杯のヒーローになるまで

ハンス・フリック監督率いるドイツは、27日のスペインに1-0で時間が進み、ワールドカップへの望みは絶望的となっていた。しかし、ヴェルダー・ブレーメンの29歳FW、ニクラス・フュルクルーグがベンチから登場し、思わぬヒーローとなったのだ。

トーマス・ミュラーに代わって出場したこの選手は、残り20分というところで、ドイツを同点に導き、カタールでのベスト16進出を目指すチームに新しい息吹を吹き込むゴールを決めたのである。

これでドイツは1-1とし、コスタリカとのグループリーグ最終戦に向け、フリック監督は重要な勝ち点1を手にした。

このゴールは、1年前までA代表で1分もプレーしていなかったフュルクルーグにとって、目覚ましい成長を遂げるきっかけとなった。

彼はどのようにしてカタール・ワールドカップへの切符を手にしたのか?『GOAL』が紹介していく。

  • Fullkrug(C)Getty Images

    ニクラス・フュルクルーグとは?

    生年月日:1993年2月9日

    出身:ドイツ・ハノーファー

    所属クラブ:ヴェルダー・ブレーメン

    ヴェルダー・ブレーメンのユース出身で、グロイター・フュルト、FCニュルンベルク、ハノーファー96を経て、現在は自身のキャリアをスタートさせたクラブに復帰している。

    U-18、U-19、U-20のドイツ代表としても活躍したが、A代表での活躍は待たされた。

    ニュルンベルクとグロイター・フュルトで過ごしたドイツ2部では、2016年にハノーファー96に加入するまで、フュルクルーグは85試合で24得点を挙げている。2017-18シーズンにはドイツ1部リーグのハノーファーで14得点を挙げたが、その後、膝を負傷して足踏みをした。

    2019年にヴェルダー・ブレーメンに復帰したストライカーは、ゴールを量産。この活躍でフリックの目に留まるようになった。フュルクルーグはブレーメンが昨シーズンのブンデスリーガ昇格に大きく貢献している。

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  • Fullkrug(C)Getty Images

    フュルクルーグは何ゴールを決めた?

    ブレーメンの11番は昨シーズン、19ゴール8アシストという素晴らしい成績を収め、今シーズンもその勢いは止まらず。14試合で10ゴールを決め、 ブンデスリーガで最も得点を決めたのあるドイツ人に。9月と10月にはブンデスリーガの月間最優秀選手賞を受賞し、カタール・ワールドカップのメンバーとしてドイツ代表に初招集された。

    今月初め、オマーンとの親善試合でドイツ代表デビューを果たしたフュルクルーグは、29歳280日でドイツ代表の選手としては最年長デビューを飾った。そして彼はすぐにその実力を発揮し、1-0で勝利したこの試合で、唯一のゴールを決めたのだ。

    ヴェルダー・ブレーメンのストライカーは、2-1で敗れた開幕戦の日本戦でワールドカップデビュー。続くスペイン戦では大会初ゴールをマークした。また、フュルクルーグのゴールは、2014年大会の決勝・アルゼンチン戦でゴールを決めたマリオ・ゲッツェ以来、ドイツの交代選手として初めてワールドカップでゴールを決めた選手となった。

  • Fullkrug(C)Getty Images

    フュルクルーグへの評価

    フュルクルーグは以前、元ドイツ代表FWミロスラフ・クローゼやマリオ・ゴメスと比較されてきた。そしてすきっ歯な見た目から「リュッケ」(ドイツ語で隙間の意)というニックネームがつけられている。

    ドイツ代表のハンス・フリック監督は、カタールでの大会に向け、フュルクルーグをメンバーに招集した理由を嬉しそうに説明している。フリック監督は、ティモ・ヴェルナーとルーカス・ヌメチャのFW2人をケガで欠き、カタールでは好調なストライカーを起用することを明言していた。

    「ニクラスには勢いもあるし、チームに貢献する姿もある」と彼は記者会見で言及。

    「それは、彼のゴールを見れば明らかだし、オレ・ヴェルナー(ヴェルダー・ブレーメン監督)からもそう言われたよ」

    ヴェルダー・ブレーメンのチームメイトであるニクラス・シュタルクも、フュルクルーグを招集することを支持した。

    「フュルレは代表チームにとって重要な存在になり得るし、僕らにとってもそうだ。彼より優れた技術を持つ選手はいるが、クラシックな9番を起用したいのであれば、これ以上の選手はいないと思う」

    フュルクルーグは、ドイツをW杯の生き残ることに貢献し続け、優勝のチャンスが増えることを望んでいることだろう。フリック監督率いるチームは、グループリーグ最終戦でコスタリカを破り、日本がスペインに衝撃を与えないようにしなければならないが、それはドイツの9番がさらなる勇姿を見せる時間がまだあることを意味している。

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