ジャカは何を考えていた？リヴァプールvsアーセナルの勝者と敗者

アンフィールドに限って言えば、これほど人気のあるヒーローはいなかっただろう。

ロベルト・フィルミーノのリヴァプールでの最後の日かもしれないが、彼は自分を慕う人々に何か思い出を残そうと決意しているのではないだろうか。

マンチェスター・ユナイテッド戦でのゴールで会場を沸かせたブラジル人は、この有名な古いスタジアムの屋根を、終了間際の同点ゴールで吹き飛ばした。

フィルミーノは、素晴らしいクロスを送ったトレント・アレクサンダー＝アーノルドに感謝しなければならない、 しかし、間違いなく、これは彼の瞬間だった。

彼はアーセナルと対戦するのが大好きだ。実際、プレミアリーグの歴史上、彼ほどガナーズに対するゴール数（PKなし）が多い選手はいない。これはそのうちの10点目であり、PKを含めると11点目である。

グラニト、何を考えているんだ？ 昨シーズンから何も学んでいないのか。

35分経過した時点で、アーセナルは優雅な戦いをしていた。マルティネッリ、ジェズスの活躍で2点差をつけ、キックオフ前から大きな歓声が上がっていたアンフィールドは、自分たちの選手たちのだらしなさに困惑し、反感を抱き始めていた。

だがジャカは、昨年11月のこの試合でアルテタが見せたようにすべてを変えた。イブラヒマ・コナテと絡んだ後、ポール・ティアニー主審がフリーキックを与えなかったことに腹を立てたスイス代表MFは、ボールを持ったトレント・アレクサンダー＝アーノルドに突進し、ちょっかいを出した。

これにアーノルドが反応し、もみ合いになり、両者ともカードを提示された。しかし、一瞬にしてアンフィールドは本気モードに切り替わり、リヴァプールもそれに応じた。その後、レッズは元々自分たちを弱く見せていた相手を切り裂くように攻撃していく。

ジャカは、後半にフィルミーノを倒した後、幸運にも2枚目のイエローカードを免れたが、彼が受けた1枚は、アーセナルに勝ち点をもたらしたかもしれない。経験豊富な選手にしては、ナイーブな行動だった。

それでも、少なくともアルテタが彼に腹を立てることはないだろう。結局のところ、冷静さを失えばアンフィールドがどんなことになるか、彼は誰よりもよく分かっているのだ。

アーセナルはこれで勝ち点2を落としたことになるが、もしGKがいなかったら、もっと悪い結果になっていたかもしれない。

モハメド・サラー、そしてイブラヒマ・コナテが勝利を脅かす中、ラムズデールは終了間際に2度セーブし、ガナーズのヒーローとなった。このタイトル争いの中で最も緊張を強いられる一戦が終われば、その瞬間は大きなものとなる可能性がある。

イングランド代表は、サラーの華麗なパスに反応したダルウィン・ヌニェスのプレーを阻止し、もう1度大きな介入をした。確かに不完全燃焼ではあったが、GKの功績も大きい。ラムズデールは今シーズン、アーセナルにとって大きな存在であり、ここでもまた大活躍した。

サラーがPKで苦戦するようになったのは、スティーブン・ジェラードのせいかもしれない？

数週間前、リヴァプールの元キャプテンは、レッズのテレビチャンネルでエジプト人とインタビューを行い、サラーのPKに対する考え方やテクニックについて議論した。

サラーは「好きではない」と認めたが、今はもっと好きではないだろう。ジェラードとの対話以来、彼は2回失敗している。

サラーは威圧感と信念に満ちた、かなり良いパフォーマンスを見せたと言える。オレクサンドル・ジンチェンコとのマッチアップでも素晴らしいプレーを見せ、前半はかなり低調だったものの、リヴァプールのベストプレーヤーであった。もしラムズデールがいなければ、後半に試合を決めていたかもしれない。

しかし、もし彼が次もPKキッカーなら、驚きでありリスクでもある。

テレビドラマの脚本では決して再現できないような試合となり、素晴らしいものとなった。

アーセナルは勝っていたが、負ける可能性もあった。19本ペナルティーエリア内でシュートがあり、両者にチャンスがあった。アルテタは「激戦だった」と話し、クロップは「クレイジー」と振り返った。

「今まで見た中で最高の試合のひとつ」と『スカイスポーツ』のマイカ・リチャーズは評したが、これに異論を唱える人はほとんどいないだろう。これぞ、エネルギッシュでドラマチックなイングランドサッカーの醍醐味である。

4ゴール、30本のシュート、9つのコーナー、そして終盤の同点弾だけでは物足りないという人のために、この試合では副審が肘打ちで論争を繰り広げた。

コンスタンティン・ハジダキス氏が一体何を考えていたのかは誰にもわからないが、ハーフタイムにチームがドレッシングルームに向かう際、リヴァプールのDFアンディ・ロバートソンに肘を振るように見えたため、彼はPGMOLの調査に直面することになった。

ロバートソンは唖然とし、その抗議のためにティアニー主審から警告を受けたが、この最も奇妙で前例のない事件は、きっとこれで終わりではないだろう。アレクサンダル・ミトロヴィッチに代表されるように、審判に手を出したり、暴力を振るったりした選手が長期追放処分を受けるなら、審判が同じようなことをしたらどうなるのか？

私たちはすぐにそれを知ることになる。すでに審判団体は調査の開始を発表している。