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目標は東京五輪金メダル。U-24日本代表、アルゼンチン戦で求められるのは勝利のみ/予想スタメン、注目選手

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    強豪との試合、移動、中2日の日程

     本大会までに残された時間は約4カ月。1年2カ月ぶりに海外の国と対戦する五輪世代の日本代表は、東京五輪に向けたリスタートかつチーム強化のための重要な強化試合に臨む。

     これほど貴重な機会はない。本大会への出場を決めているチームと対戦できるだけでなく、本番の日程を想定して中2日で連戦を行い疲労度をチェック。移動を含めたストレス面の傾向等を知る上でも、今回の国際親善試合は大きな意味を持つ。

     何より、東京五輪での金メダルを目指す中、頂点を争うライバルとなる南米の強豪・アルゼンチンと対峙できることは確かな経験となるに違いない。相手はベストメンバーではないとはいえ、これまでチームを支えてきた選手もメンバー入り。本大会で対戦することになれば、再び相対することになる選手もいるはずだ。

     これまで五輪世代代表は、ブラジルと2度対戦して1勝1敗。ここでアルゼンチンに勝利することができれば、南米に対して“やりやすさ”を手にすることにもつながる。

     もちろん選手たちにとっては東京五輪の招集枠18人に入るためのサバイバルな面もあるが、そういった点を踏まえれば、今回は本番に向けた真剣勝負の場となる。頂にたどり着くためには負けられない相手。手にしたい結果は勝利のみだ。

    「僕らが目指しているのは金メダル。もちろんアルゼンチンは良いチームだし、強いチームだと思う。だけど、そういう相手を倒していかないと目標には届かない。オリンピックで金メダルを取るうえで、今回はすごく良い機会になる。とにかくこの短い期間でチームメートとコミュニケーションをとって、チームを良い状態にすることでアルゼンチンを倒せるようにしたい」(板倉滉)

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  • U24Japan_lineup_20210326(C)Goal

    予想布陣

    ■4バックシステムで成長した姿を

     迎える初戦では、南米の相手に対して球際のところで負けないことはもちろん、4バックシステムの醸成と選手個々の積極的な姿勢に注視したい。また、三笘薫、久保建英、三好康児といったタイプの異なる2列目の選手たちには、勝利を決定づける活躍が求められる。

     簡単な試合にならないことは間違いない。ただ、東京五輪本大会が延期となった中で、この1年間を通して大きく成長した選手たちがどんな試合を見せてくれるのか。東京五輪では、「応援したい」と多くのサッカーファンに思わせるようなプレーを見せて欲しい。

  • 20210326_Japan_Training2©Kenichi Arai

    注目選手

    ■“五輪延期の一年”で評価を上げた三笘薫

    そして、Jリーグの川崎フロンターレで昨季の優勝に大きく貢献した三笘は、本大会が延期となったこの1年間で大きく評価を上げた選手だ。以前に五輪代表に呼ばれることはあったが、そこまで存在感を出せていたわけではないだけに、ここでどれだけのパフォーマンスを見せられるかが、今後のメンバー入りの可能性に影響してくる。

    緩急をつけたドリブルで相手を翻弄し、高い決定力でネットを揺らす力は、Jリーグの舞台で証明済み。あとは海外の強豪に対しても同様の結果を得ることができれば、“止められない”ドリブルは本物となる。左SBに入ることが想定される同じく川崎Fの旗手怜央と共に、これまでの序列をひっくり返すようなパフォーマンスに期待したい。

    取材・文=林遼平