2022-23シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)が日本時間9月7日に開幕する。宿敵アーセナルとの激しい争いを制して3シーズンぶりに出場するトッテナムは、グループステージでフランクフルト(ドイツ)、スポルディングCP(ポルトガル)、マルセイユ(フランス)と同居。今回は『GOAL Japan』が選出したトッテナムのキーマン、期待の新戦力、ヤングスター(23歳以下)の注目5選手を紹介する。
(C)Goal
Gettyキーマン①:ハリー・ケイン
11歳でトッテナムのユースに加入すると、レンタル期間を除けばクラブ一筋でここまで活躍してきたエース。プレミアリーグで3度の得点王に輝き、通算得点数は「188」に到達。これは名だたるストライカーが活躍してきたプレミアリーグにおいて、史上3番目の記録となっている。さらに近年はゴールだけでなく、やや引いた位置から精度の高いパスや読みでチャンスメイクも担い、過去2シーズンのリーグ戦総アシストは「23」を数えるなど、9番としても10番としても世界屈指の存在となった。2枚看板であるソン・フンミンとの関係性も抜群で、コンビでのゴール数はプレミアリーグ記録を更新中。トッテナムが欧州の舞台で躍進できるかどうかは、このイングランド代表キャプテンの活躍にかかっていると言っても過言ではない。2019年に決勝で涙をのんだ経験を持つケインは、今季何を見せてくれるのだろうか。
(C)Getty Imagesキーマン②:ソン・フンミン
ケインと並び、トッテナム2枚看板のもう1人。2015年の加入から積み上げてきたゴール数は130を超え、昨季はアジア人選手として初めてプレミアリーグの得点王に輝いた(23ゴール)。クラブ史にも、リーグ史にも名を残す韓国代表ストライカーである。前述のケインとの関係性は世界屈指であり、チームが苦しい状況でも2人だけでスコアを動かすことが可能。抜群のフィジカルとキレを持ち、トップスピードでも技術は全く落ちず、左右両足のキック精度もスーパーだ。DFにとってはいつ何時でも気を緩めてはいけない、ワールドクラスのアタッカーである。今季はゴール数の少なさが指摘されることもあるが、これまで通りチーム戦術上は彼にしかできない役割をハイレベルで担っている。それだけに、欧州の舞台でも爆発に期待がかかる。30歳とキャリアで最も成熟した時期に差し掛かったソン・フンミンの活躍に注目だ。
Getty Imagesキーマン③:ウーゴ・ロリス
ケイン&ソン・フンミンの活躍ばかりに注目が集まるが、近年のトッテナムにおいてこのフランス代表守護神の存在は欠かせない。2012年の加入から10年が経ったが、常にレギュラーとして公式戦420試合以上に出場。大きなケガを抱えたのは1度のみで、安定してハイパフォーマンスを披露してきた。また、加入当初は飛び出しの判断やビルドアップなどでのミスも散見されたものの、シーズンを重ねるごとに落ち着きを手に。ピッチ上で感情を表に出すタイプではないものの、緩慢なプレーをした味方を容赦なく問い詰めるなど、キャプテンシーも抜群。アントニオ・コンテ監督やチームの信頼も厚い。最後方から支え続ける精神的支柱だ。35歳と成熟して迎える今シーズン。フランス代表主将としてのワールドカップも控える中で、このCLの舞台でハイパフォーマンスを継続したい。
Getty Images期待の新戦力:リシャーリソン
2017年に母国ブラジルからイングランドにやってくると、順調にステップを重ねてついに欧州最高峰の舞台にたどり着いた。特に2018年のエヴァートン加入以降はコンスタントに結果を残し、昨季はチームが苦しんだ中でも10ゴールをマーク。またブラジル代表でもレギュラーの座を獲得し、2019年のコパ・アメリカ優勝や2021年の東京オリンピックで金メダルを獲得(5ゴールで得点王)するなど、大舞台での経験も豊富に持ち合わせている。強靭なフィジカルとスピードだけでなく、ドリブルのキレや強引な突破など無理の利く選手であり、攻守にわたってチームのために走り抜く献身性も兼ね備える。前線ではすべての役割をこなすことが可能と、現代サッカーにおいて必要な能力をすべて有している。現状トッテナムではベンチスタートが多くなっているが、この大会でより多くの出場機会を与えられることが予想される。ケイン&ソンと並び、トッテナムを勝利に導く存在になれるかどうか。コンテ監督にしっかりとアピールしたい。
Gettyヤングスター:デヤン・クルゼフスキ
若い頃にイタリアにおける育成の名門アタランタで鍛えられ、強豪ユヴェントスへとステップアップ。そして2022年1月にトッテナムへとやってきたスウェーデン代表MF。加入から1年も経過していないが、すでに長い間チームにいたと錯覚するほどコンテ・スパーズにフィットしている。大柄で強靭なフィジカルを誇りながらも左足の技術はトップクラスで、右サイドからのカットインのキレも抜群だ。守備陣からケイン&ソンへとつなぐ役割を担っており、豊富な運動量で攻守に相手を混乱させる選手である。主力としてCLの舞台に挑むのはキャリアで初めてであり、今後に向けても大きなチャレンジのシーズンに。欧州最高峰の舞台で大きく羽ばたいていけるのか、22歳の挑戦に注目だ。

