Xhaka Arteta Haaland Guardiola Arsenal Man City 2022-23 GFX Getty/GOAL

【議題】「アーセナルはプレミアリーグ優勝できるのか?」ビッグクラブ番記者が徹底議論

アーセナルの素晴らしいシーズンスタートは、サッカー界の話題をさらっている。

ミケル・アルテタ率いるチームは本物なのだろうか? 今シーズン、彼らは皆を驚かせ、マンチェスター・シティからプレミアリーグのタイトルを奪い取ることができるのだろうか?

前節のトッテナムとのノースロンドンダービーに続き、リヴァプールとのスリリングな勝利は、アルテタ率いる若きガナーズにとって大きな自信となったことだろう。これまでで最大の試練を、彼らは典型的なエキサイティングなスタイルでくぐり抜けた。

では、彼らは考えられないようなことをやってのけ、2004年以来のリーグタイトルを持ち帰ることができるのだろうか?

GOALグローバルチームのメンバー数人に、彼らの考えを聞いてみた。

  • Arsenal celebrate 2022-23Getty Images

    チャールズ・ワッツ(アーセナル番記者)

    アーセナルはプレミアリーグを制覇できるのか? それは、クラブの誰もが今のところ本当に答えたくない質問だ。

    ミケル・アルテタはリヴァプール戦での3-2の勝利の後、この質問をされ、ここ数週間で何度もしているように、うまくはぐらかした。

    同じ質問をガブリエウ・マルティネッリにもぶつけてみたが、彼は自分もチームメイトも夢見ていたことだと認めたものの、「一戦一戦臨むだけだよ」という言葉も口にした。

    事実、シーズン開幕からまだ9試合しか戦っていない。

    アーセナルは列車を走らせるようにスタートし、アーセン・ヴェンゲル率いる“インヴィンシブルズ”が栄光を極めた時代以来、おそらく見られなかった信念と一体感がクラブを包んでいる。

    彼らは首位に立ち、その位置にふさわしい戦いを見せている。しかし、このままの順位でいられるかどうかは、まったく別の問題である。

    個人的には、このタイトルは“マンチェスター・シティが失うもの”だと考えているし、私の意見に反対する人はそれほど多くないだろう。

    しかし、アーセナルがタイトルを獲得することができないと言っているわけではない。もちろん可能性はある。

    タイトルの可能性について質問されたときのアルテタの答えは、陳腐で予想通りだが、それは正しい。

    重要なのは1試合ずつを大切にし続けることだ。もし彼らが3月頃までレースに留まることができれば、もうどうなるかは誰にもわからない。レスターは6年前に何ができるかを示し、完全にこの段階でアーセナルのチャンスはないと書くことは愚かだろう。

    マンチェスター・シティとアーリング・ハーランドの爆発力は全く馬鹿げているが、今現在、アルテタのチームが国内最高のチームなのだ。古くから言われているように、リーグ戦の順位表は嘘をつかない。

    シティほど強力なチームでないことは明らかだが、2015-16シーズンのレスターもそうだった。ガブリエウ・ジェズスやブカヨ・サカ、ガブリエウ・マルティネリが負傷したらどうなるかと、人々は思案するかもしれない。

    しかし同様に、ハーランドがケガをしたらどうだろう? ケヴィン・デ・ブライネでもいい。シティはタレントが揃っているかもしれないが、そういった選手はやはり替えがきかない。

    だから、アーセナルは今やっていることを続けて、できるだけ長くレースを続けることが求められる。

    誰もが、彼らがスリップすることを期待している。シーズン開幕以来、「まだビッグクラブと対戦していない」という声がずっと聞こえてきていた。

    だが、9試合でいわゆる "ビッグ6 "と対戦したのは3試合、それでも彼らは首位にいる。アーセナルはリーグを制覇できるのか? 正直可能性は低いと思う。だが、間違いなくその可能性はあるはずだ。

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  • Granit Xhaka Gabriel Jesus Arsenal 2022-23Getty

    ニール・ジョーンズ(リヴァプール番記者)

    アーセナルはタイトルに挑戦することができるのか? 話し合おうじゃないか。

    ミケル・アルテタの下で、このチームがどれだけ多くのことを学び、どれだけ多くのことを身につけたかを示している。特に、インテンシティ、コントロールされたアグレッシブさ、そして精神的な強さ。これらはすべて、過去何年にもわたって欠如していると非難されてきたものだ。

    特に前線の4人には多くの才能があるが、トーマス・パーティー、グラニト・ジャカ、ウィリアム・サリバのような選手がもたらす堅固さを維持することがカギとなる。特に中盤やセンターバックの選手層は問題かもしれないが、冨安健洋、エディー・エンケティア、キーラン・ティアニー、スミス=ロウ、ファビオ・ヴィエイラといった選手たちがまだリーグ戦で活躍していないこともあり、もしものときのために多少の離脱者には耐えられるだろう。

    当然ながら、ユルゲン・クロップ監督率いるリヴァプールの台頭と比較されているが、その理由がよくわかる。アーセナルの若手選手と若い監督にはハングリー精神があり、あまりにも長い間、移籍市場で貧しい決断をしてきた彼らが、非常に良い決断をし始めているように見える。彼らは目的を持ってプレーし、アンフィールドで見たように、大きな違いを生むことができる彼らのファンを目覚めさせた。

    ホームでの好調をアウェーでも発揮できるのかも問題だ。スタンフォード・ブリッジやエティハド、アンフィールド、トッテナムで結果を残すことができるだろうか? オールド・トラッフォードで敗れた彼らは、荒波にどう対応するのかまだ見えていない。

    だが、今は好調という波に乗らないといけない。プレミアリーグには強いアーセナルが必要であり、今は正しい方向に進んでいる。

  • Mikel Arteta Zinchenko

    ジョナサン・スミス(マンチェスター・シティ番記者)

    リヴァプールのエミレーツ遠征の前に、マンチェスター・シティファンに誰が最大の脅威かと尋ねたら、やはりユルゲン・クロップ監督率いるチームを挙げる人が最も多かったはずだ。アーセナルが勝利した今でも、リヴァプールの挑戦を否定する人は少ないだろうが、アーセナルが注目すべき存在かもしれないとの見方が強まっている。

    確かにシティは、最近の成功に大きく貢献したガブリエウ・ジェズスやオレクサンドル・ジンチェンコ、そして舞台裏でインスピレーションを与えてくれたミケル・アルテタを筆頭に、チームのクオリティについてはよく分かっているはずだ。

    今年に入り、元旦にノースロンドンで行われた両者の対戦では、アーセナルが優勢だったものの、ガブリエウに馬鹿げたレッドカードが出されたことで自滅した後、後半のロドリのゴールで敗れた。

    だが、アルテタはこの夏、それらの欠点を解消し、強固さと知性を加えたようだ。加えて、チャンピオンズリーグのように目移りするコンペティションもない。

    アーセナルがシティと同じレベルにあるのか、それともまだやるべきことがあるのか、それを証明するものだったはずなのに、来週の直接対決が延期されたのは残念だ。

  • 20221008 Erling HaalandGetty Images

    マーク・ドイル(GOALグローバル版副編集長)

    アーセナルはタイトルを獲得できる、と言いたいところだが、実際のところ、ガナーズにとってもプレミアリーグにとっても残念なことに、そのチャンスはない。

    ミケル・アルテタ率いるチームは、エキサイティングな若い選手たちが攻撃的なサッカーを展開し、見る者を惹きつけてやまない魅力に溢れている。

    エミレーツがかつてないほど活気に満ちている理由もよくわかる。このチーム、そしてクラブは、長年にわたる不始末の末に、ようやく正しい方向へ向かっているのだ。

    そして、大局的に見れば、プレミアリーグが世界のサッカーで最も競争力のあるトップリーグであるという幻想を維持するため、好調は維持してほしい。だが、実際はそうならない。今シーズン、シティがここ6年で5度目のタイトルを惰性で獲得したとき、その事実が明らかになるだろう。

    アブダビの支援を受けたこのスーパークラブに1シーズン中ついていけるだけの戦力と資金力を持ったチームは、他にいない。リヴァプールがいなければ、彼らは連覇を続けていただろうし、アーリング・ハーランドの加入で、今後数週間、数か月、そして数年間は止められないだろう。

    確かにアーセナルは今後も注目のチームだ。彼らは成長し、これからも改善し続けるだろう。いつか彼らはタイトルに手を伸ばせるかもしれない。ただ、悲しいかな、今シーズンはそうではない。

  • Arsenal huddle

    トム・マストン(特集エディター)

    アーセナルが今季のリーグを制覇できると信じて疑わないのはなぜだろう? 9試合を終え、マンチェスター・シティに1ポイント差をつけ、エミレーツ・スタジアムではおそらくこれまでで最高のフットボールを展開している。

    シティにはアーリング・ハーランド、ケヴィン・デ・ブライネ、フィル・フォーデンなどがいるかもしれないが、彼らもニューカッスルやアストン・ヴィラで勝ち点を落とし、今アーセナルの後塵を拝している。

    ペップ・グアルディオラ監督がシーズン序盤の数週間、格下相手に勝ち点を落とすのは目新しいことではないし、それが決定打になるわけではない。しかし、シーズンが進むにつれて同様の結果が続く可能性を示す兆候がいくつか出てきている。

    すでにディフェンダーの負傷者が続出し、カタール・ワールドカップのために史上最も消耗するシーズンと言われる中、ただでさえ少ないメンバーが限界まで追い込まれているのだ。

    一方、アーセナルは、ミケル・アルテタが基本的にすべてのポジションに2人の選手を配置し、レベルをあまり落とすことなくチームを作り上げている。それに匹敵するのは、潜在的な挑戦者たちの中で本当にシティだけだ。

    アーセナルにとって試練となるのは、今後のビッグ6との対戦だろう。次の3試合(リーズ、サウサンプトン、ノッティンガム・フォレスト)が比較的簡単に見えることを考えると、11月6日のチェルシー戦は何かを証明する重要な一戦となりそうだ。

    西ロンドンで勝てば、さらに多くの疑い深い人は信者になるだろう。

  • Bukayo Saka Arsenal 2022Getty

    オーウェン・ブラックハースト(ムンディアル)

    アーセナルにリーグ優勝の望みはない、と言い切ってしまうのは簡単なことだろう。

    チームがどんなにいいプレーをしていても、エミレーツのファンがどれだけ熱狂しても、イアン・ライトのセレブレーションビデオがどんなに感動的であっても、アーリング・ハーランド率いるマン・シティはあまりにも手に負えないのだ。

    ここ数年、シティはリヴァプールに主役の座を譲っていたこともあり、すべてを勝ち取ることに執念を燃やしているように見える。かつては相手を窒息させることに執着していたのに、今はワンチャンスで粉砕している。

    一方で、アーセナルだって負けてはいない。マンチェスター・ユナイテッドに対する敗北から立ち直り、難しい試合であったリヴァプール戦でも3ポイントをもぎ取った。彼らは10年間の平凡さを払拭することに執着しているチームのように見える。

    チームを見渡せば、タイトルを獲得するための材料はすべて揃っている。プレッシャーに負けないキーパーだっているし、インスピレーションに満ちた選手、能力を証明しようとする新戦力もいる。

    これまでの歴史を考えればマンチェスター・シティの優位は揺らがない。だが、予想外のことが起きなければ、私たちは歴史を見たり、読んだり、聞いたりすることはなくなるだろう。だからこそ、アーセナルは優勝できると言っておきたい。私たちがそれを信じなくなったら、フットボールというエンターテインメントに何の意味があるのだろうか?

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