Pagellone Napoli gfxGOAL

33年ぶりスクデット獲得の最強ナポリ、今季の全選手採点。マスタークラスのパフォーマンスを見せたのは?

ナポリは、33年間待ちに待ったクラブ史上3度目のスクデットをようやく手にした。ヴィクター・オシムヘンのゴールやフヴィチャ・クヴァラツヘリアの上質なプレーにけん引されたチームは、常に上位を維持し、悲願のタイトルへと突き進んだ。ナポリの並外れた快進撃の背景には、スタニスラフ・ロボトカの頭脳や足、アミル・ラフマニとキム・ミンジェによる双璧、主将ジョヴァンニ・ディ・ロレンツォの安定的な貢献もあった。

また、アレックス・メレトやマリオ・ルイのパフォーマンスや、アンドレ・ザンボ・アンギサの重要性、エリフ・エルマスやジョヴァンニ・シメオネの貢献や、ジャコモ・ラスパドーリの決定力も特筆しておくべきだろう。これらすべての材料があってこそ、セリエAをナポリの青色に彩ることができたと言える。

『Goal』イタリア編集部による主要全選手の採点は以下のとおり。※10点満点。及第点は【6.0】。

  • Gollini NapoliGetty Images

    GKピエルルイジ・ゴッリーニ【6.5】

    今年1月、サルヴァトーレ・シリグとのトレードでフィオレンティーナから加入。元アタランタGKは、自身の古巣との対戦(ナポリが2-0で勝利)の直前に負傷したメレトに代わって出場すると良い反応を見せ、準備ができていることを示した。ラ・デア(女神の意味でアタランタの愛称)との対戦におけるゴッリーニのパフォーマンスには、拍手を送るべきだろう。彼の将来は引き続き、ナポリの青色に染まるかもしれない。

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  • Meret NapoliGetty Images

    GKアレックス・メレト【8】

    昨夏、荷物をまとめてナポリを去る準備をしていたが、一転してチームに残留して契約を延長。するとビッグセーブを見せることで、疑いの目や困難の時をかき消した。メレトは、ナポリのスクデット争いにおけるカギとなるパフォーマンスを見せ、重要な役割を担ったと言えるだろう。パーソナリティの限界を指摘した者に、あり余るほどのパーソナリティを見せつけ、それまでのシナリオを覆した。

  • Bereszynski NapoliGetty Images

    DFバルトシュ・ベレシンスキ【6】

    冬の移籍市場でサンプドリアから加入。ナポリでの初戦となったコッパ・イタリアのクレモネーゼ戦では低調なパフォーマンスに終わったうえ、ふくらはぎのトラブルにも悩まされた。無尽蔵のディ・ロレンツォを前に、十分な出場機会を得ることができなかった。

  • Di Lorenzo NapoliGetty Images

    DFジョヴァンニ・ディ・ロレンツォ【8.5】

    ほぼ常に合格ラインを上回るパフォーマンスを見せ、フィジカル面でも継続性を示した。決定的なゴールを挙げるだけでなく、豊富な運動量を誇り、困難な目標を達成しようとする意欲も見せた。バランス感覚と気迫を融合させ、主将としての能力も示した。トリコローレ(三色旗を)で飾ったナポリの表紙の一面は彼なしに考えられない。

  • Juan Jesus NapoliGetty Images

    DFフアン・ジェズス【7】

    出番となれば、常に信頼できるパフォーマンスを示した。ルチアーノ・スパレッティの後押しを受け、ヴェスヴィオ山のふもとの街へやって来たブラジル人DFは、経験値と戦術理解力を活かしたパフォーマンスで契約延長を勝ち取った。

  • Kim NapoliGetty Images

    DFキム・ミンジェ【8.5】

    ミステリアスな存在から守備陣のリーダーに。キムはたちまちナポリで信頼をつかむと、具体的で安定したシーズンを過ごした。彼の性格も、驚くほどナポリにマッチした。「大黒柱だったカリドゥ・クリバリの退団を嘆かせてはならない」というミッションは困難なものであったが、韓国代表DFは華麗に成功してみせた。

  • Olivera NapoliGetty Images

    DFマティアス・オリベラ【7】

    ナポリでは長年にわたって左サイドバックが埋めるべき空白となっていたが、ウルグアイ人DFの加入により、ポジションは十分にカバーされることになった。サレルニターナ戦では、彼のゴールがスクデット弾になる可能性すらあった。マリオ・ルイと交互に出場して力強い試合を見せ、マティは自身の特徴を活かしつつ、ポルトガル人DFとともに左サイドを完璧に完成させた。

  • Ostigard NapoliGetty Images

    DFレオ・ウスティガール【6.5】

    ラフマニとキムのコンビに加えて、信頼できるフアン・ジェズスの存在により、元ジェノアのノルウェー人センターバックは出場機会を大きく減らした。だが、昨夏にブライトンから加入したレオには潜在能力がある。23歳とまだ若く、彼に賭けてみようと投資した者が正しかったことが間違いなく明らかになるはずだ。

  • Rrahmani NapoliGetty Images

    DFアミル・ラフマニ【8】

    “ごく普通の選手”から完成された選手へと、目覚ましい成長を見せた。コソボ人DFは、がむしゃらに懸命に努力を積み、ナポリのスクデット獲得における主役の1人としての地位をつかんだ。目立たないが、彼の存在は強く感じられる。まさに偉大なDFと言えよう。

  • Mario Rui NapoliGetty Images

    DFマリオ・ルイ【8】

    奮闘し、走り、アシストを記録する。スパレッティから“プロフェッサー”と呼ばれるマリオ・ルイは、トスカーナ人指揮官のカルチョ構想において唯一無二の人材となった。彼に対する不平不満は万雷の拍手へと変わり、時が経つにつれて彼の退団を予想していた者たちも、彼のことを再び信じるようになった。ポルトガル人DFは、クオリティとダイナミズムでアッズーリに貢献した。

  • Zedadka NapoliGetty Images

    MFカリム・ゼダドゥカ【6】

    スパレッティの招集リストに定着した22歳のアルジェリア人MFは、出場時間はわずかだったが、「スクデットを獲得したナポリのトップチームの一員だった」と胸を張れるだろう。

  • Anguissa NapoliGetty Images

    MFアンドレ・ザンボ・アンギサ【8】

    アンギサはスパレッティが常に信頼を寄せる、ナポリの中盤において不可欠な唯一無二の選手だ。最高のシーズンスタートを切ったのち、ワールドカップ(W杯)後にパフォーマンスを落としていたが、カメルーン代表MFはナポリのスクデットの主役の1人であることに疑問の余地はない。

  • Demme NapoliGetty Images

    MFディエゴ・デンメ【6】

    スパレッティの監督就任以降、ドイツ人選手は5つ星級のロボトカに阻まれ、永遠の“プランB”要員となった。さらには度重なるフィジカルトラブルにも悩まされた元ライプツィヒMFにとって、過去にもっと良いシーズンがあっただろうことは疑いない。

  • Elmas NapoliGetty Images

    MFエリフ・エルマス【8】

    問題がある? それならエルマスが考えてくれるから心配ない。彼なら途中出場から試合をこじ開けてくれる。ユーティリティ性を持ち、戦術面でも進化を遂げた。北マケドニア代表MFは、どんな監督でも重宝するジョーカーと言え、まだ計り知れないほどの成長の余地もある。“ビッグ・ルチアーノ”も文字通り、エリフに魅せられている。

  • Gaetano NapoliGetty Images

    MFジャンルカ・ガエターノ【6.5】

    スパレッティとクラブは、彼のポテンシャルと才能を盲目に信じている。出場機会は極めて限られていたが、それにもかかわらず、シーズン全体を通して彼を手元に置き続けた。ガエターノは毎回出場するたびに、このナポリに残る資格があり、彼自身も望んでいることを示してきた。

  • Lobotka NapoliGetty Images

    MFスタニスラフ・ロボトカ【8.5】

    額縁に入れて飾るべきシーズンとなった。うらやむほどのコンディションに加え、トッププレーヤーにふさわしいメンタル面での冷静さで、ナポリのプロジェクトにおいて、唯一無二の役割を果たした。ロボは、質と量、舵取りや戦術頭脳で継続性を示し、このチームにおけるかけがえのない支柱へと成長した。

  • Ndombele NapoliGetty Images

    MFタンギ・エンドンベレ【6.5】

    うらやむような名刺にふさわしいプレーをピッチで証明できないことが多かった。フランス人MFは、トッテナムから加入すると、時折、納得のいくパフォーマンスを見せたが、それ以外は疑問符が生じるものだった。アンギサ-ロボトカ-ジエリンスキのトリオは実質、アンタッチャブルな存在であり、先発のチャンスはほとんど巡ってこなかった。途中出場では良いときもあれば、そうでないことも。

  • Zerbin NapoliGetty Images

    FWアレッシオ・ゼルビン【6.5】

    ガエターノと境遇はやや似ている。出場機会はわずかだが、スパレッティに抜てきされた時の彼の答えは期待できるものだった。才能と自己犠牲のスピリットを持っていることは、彼自身の味方となるだろう。

  • Piotr Zielinski NapoliGetty Images

    MFピオトル・ジエリンスキ【7.5】

    ポーランド人MFは、継続性に欠けるという“悪い癖”を克服することができなかった。だが、計り知れないクオリティを持ち、インサイドハーフのポジションで完璧な飛びだしのタイミングと動きの才能を見せ、ポジションを失うことはなかった。また、トリノで行われたユヴェントス戦のように途中出場から試合の流れを変え、偉大な選手らしい片鱗も感じさせた。

  • Kvaratskhelia NapoliGetty Images

    FWフヴィチャ・クヴァラツヘリア【9】

    ジョージアからやって来た若者は、ナポリをイタリアの頂点へと導いた。アッズーリの補強を疑っていた者は、彼のデビュー以来、あふれ出した上質なプレーにあ然としたに違いない。背番号77番は、あらゆるチャンスにおいて、軽快で効果的なアプローチを披露し、ゴールを決め、アシストを決め、まるですでに認められたカンピオーネ(王者)のように爪痕を残した。ディエゴ・マラドーナ氏との比較が本当に意味のあるものかどうかはまだわからないが、ナポリの3度目のスクデットにおいては、フヴィチャの刻印が際立っていたと言える。

  • Lozano NapoliGetty Images

    FWイルビング・ロサーノ【7.5】

    チャッキーを見ていると、まるでシーソーに乗っているかのように感じるだろう。良いときがあったと思えば、下降し、その後は再び最高のプレーを見せる。ナポリのスクデットのシーズンにおいては、リーグ戦後半の働きが重要だった。メキシコ人FWは、並外れた意欲と献身性を示し、ようやくストイックな姿勢を見せるようになったと言える。

  • Osimhen NapoliGetty Images

    FWヴィクター・オシムヘン【9】

    あのフェイスガードで、あのどん欲な表情を見せる。目の前に立ちはだかる守備陣がどんな相手であっても、脅威となれる確信を持っていた。ヴィクターの今シーズンは、ゴールの嵐とスプリント、フィジカルのぶつかり合いやデュエルなどに象徴され、スクデットという目標に到達するためには、何が求められるのかを示す模範となった。ナポリをけん引したのは彼だった。

  • Politano NapoliGetty Images

    FWマッテオ・ポリターノ【7.5】

    ナポリのフォーメーションを目にするとき、「右ウィングでプレーするのは誰だろう? ロサーノかポリターノか?」と必ず考えるだろう。それが永遠の難題となっているワケは、元インテルFWに好不調の波が見られるからと言える。時折、破壊的で称賛に値するプレーをする一方、それ以外は精彩を欠き、雑なプレーに終わる。それでも彼の貢献は貴重だったはずだ。

  • Raspadori NapoliGetty Images

    FWジャコモ・ラスパドーリ【7.5】

    ジャックにとって、フィジカルトラブルや戦術面での配置の問題がヴェスヴィオ山のふもとでブレイクを果たす足かせとなった。だが元サッスオーロFWが誇る計り知れないテクニックやナポリで爪痕を残そうとする決意を見れば、コップ半分の水にも満足できるはずだ。そして彼に対する総合評価は、スペツィア戦およびユヴェントス戦のゴールでもぎとった3ポイントにより、いっそう貴重なものとなった。

  • Simeone NapoliGetty Images

    FWジョヴァンニ・シメオネ【7.5】

    ナポリとの化学反応でチョリートの胸は高鳴った。狂ったように走り、巨石のように重たいゴールのチャンスが巡って来た時は、感極まっているかに見えた。序列の上にオシムヘンのような9番がいたとしても、今シーズンのナポリの表紙を飾る1人となったことは、シメオネが残したインパクトがどれほど大きいかを物語っている。

  • Spalletti NapoliGetty Images

    ルチアーノ・スパレッティ監督【9】

    この伝説のナポリを形成した張本人。チェルタルド出身の指揮官は、アッズーリにメンタリティをもたらすと、欠点を修正しながらひとつずつレンガを積み、ほぼ完璧なシーズンでスクデットへと導いた。技術面および心理面において人材管理をうまくこなし、数々の勝利を収めて継続性を示したスパレッティ。その結果、オシムヘンと仲間たちはナポリの街を歓喜に沸かせることができた。ナポリの3度目の栄冠に刻まれた“ビッグ・ルチアーノ”の刻印は明らかだ。