Liverpool issues GFXGetty/GOAL

サラーのバロンドール受賞の望みは薄れ、アーノルドは負傷…プレミアリーグの栄光に向けて無気力なリヴァプールが抱える6つの問題

火曜、チャンピオンズリーグでパリ・サンジェルマンと激突したリヴァプールは、これ以上ないほど最悪な結果を迎えた。まず何より、彼らは負けてしまった。しかも、肉体的にも精神的にも大きな痛手となる厳しい試合を戦ったアルネ・スロット監督のチームは、PK戦を4-1で負けるという胸が張り裂けるような結末を迎えてしまったのである。

その結果、先週末にはプレミアリーグでアーセナルに勝ち点差15という差をつけて首位に立っていたチームは、日曜のニューカッスルとのカラバオ・カップ決勝を、落ち込んだ気持ちで迎えることとなった。

もちろん、リヴァプールの回復力は有名だ。ウェンブリーへの遠征は、20回目のイングランドのタイトル獲得に向けた非常に楽しみな試合を前に、すぐに立ち直る素晴らしい機会となるに違いない。

しかし、欧州での衝撃的な敗退により王者リヴァプールが突然、不安に包まれることになったことは否定できない。それはクラブに、そして多くの選手たちに深刻な影響を及ぼすかもしれない。

  • FBL-ENG-PR-LIVERPOOL-FULHAMAFP

    信頼できる9番の不在

    昨夏にストライカーを獲得できなかったアーセナルは、今シーズンのプレミアリーグのタイトル争いにおいて大きな痛手を負っているとよく言われるし、それは非常に妥当な指摘である。しかし、リヴァプールにも頼れる背番号9がいないことは注目に値し、それがベスト16での敗退の大きな要因となった。

    ベスト16の2試合とも、ディオゴ・ジョタが最前線で先発し、彼が努力していなかったと非難することはできない。しかし、ポルトガル代表は、まったく試合にフィットしていないように見えた。2試合ともに75分になる前に交代させられたのも驚くことではなく、また、得点できなかったため、チャンピオンズリーグで4年間無得点という記録は、次のシーズンに持ち越されることとなった。

    もちろん、2024-25シーズンの開始時に、ジョタがまだアンフィールドにいるという保証はない。彼は素晴らしい点取り屋であり、非常に万能なFWだが、悲しいことに、体調維持に関して期待できないのである。

    他方、ダルウィン・ヌニェスは期待を裏切ること以外のことは何もできないとしか思えない。ヌニェスは、彼なら状況を好転させられるかもしれないと思えた矢先に何度も期待を裏切ってきた。この1週間は、その典型的な例だった。この予測不能なウルグアイ代表は、パルク・デ・プランスでハーヴェイ・エリオットの決勝点を演出し、週末のサウサンプトン戦ではネットを揺らした。そのため、一部の関係者からPSGとの第2戦でスタメン起用すべきだという声が上がった。しかし、途中出場した彼の出来はひどく、重要なPKを失敗しても誰も驚かなかった。

    要するに、リヴァプールは今夏、新たな9番を獲得する必要があるということだ。このチームの絶望的なセンターフォワード不足は、モハメド・サラーの驚異的な得点率によって、長年にわたって隠されてきたのである。

  • 広告
  • Liverpool FC v Paris Saint-Germain - UEFA Champions League 2024/25 Round of 16 Second LegGetty Images Sport

    エンジンルームが故障する危険性

    アレクシス・マクアリスターは、リヴァプールがマンチェスター・シティとニューカッスルに連勝してプレミアリーグで重要な勝利を収めながら、FAカップでは早々に敗退したことについて、自分も他のチームメイトたちも週末のオフを楽しみにしていると認めた。過酷な日程のリーグ戦における初めての長期休暇が、チームの英気を養うのに役立つだろうという期待もあった。ニューカッスルに0-2で敗れたのは、リヴァプールにとってわずか15日間で5試合目のプレミアリーグの試合だったことを思い出してほしい。

    しかし、スロット監督のチームは、試合に復帰してから、さらに足取りが重くなっている。彼らはパルク・デ・プランスでPSGの激しさにまったく対応できず、プレミアリーグ史上最悪のチームのひとつであるサウサンプトンに対しても予想外に不甲斐ない試合ぶりを見せ、火曜の試合では、ところどころで以前の調子を取り戻したものの、主力選手のほとんどは90分が終了する頃に疲れ果てていた。

    マクアリスターは、あの夜のリヴァプールで最高の選手のひとりだったが、全力を出し切った結果、延長戦には出場できなかった。一方、疲れ知らずに見えるソボスライも105分で力尽きた。リヴァプールのプレッシングにおけるこの2人の重要性の高さを考えると、彼らの疲労はスロット監督にとって大問題だった。ライアン・フラーフェンベルフも限界に達しているように思えるだけに、なおさらだ。

    パリでひどい出来だったリヴァプールは、ホームでも少しマシだった程度だった。そのため、1日多く休養を取っているニューカッスルを相手に戦うことを考えると、カラバオ・カップの決勝でレッズ自慢の中盤の3人に不安を感じないわけにはいかない。

    もちろん、リヴァプールはメンバーを変更することも可能だ。遠藤航は間違いなく、この試合に必要とされるエネルギーをチームにもたらすだろう。しかし、イブラヒマ・コナテがPSG戦で痙攣により途中交代を余儀なくされたことを考えると、遠藤はセンターバックとして起用される可能性もある。カーティス・ジョーンズも選択肢のひとつだが、彼は延長戦の開始時に途中出場した後、試合の激しさにうまく対応できなかった。

    ここに来て突然、リヴァプールのエンジンルームが故障する危険性が現実味を帯びてきたのである。

  • FBL-EUR-C1-LIVERPOOL-PSGAFP

    アレクサンダー=アーノルドの最悪のタイミングでの負傷

    リヴァプールのユニフォームを着たトレント・アレクサンダー=アーノルドをアンフィールドで見るのはこれが最後になるのだろうか? このフリーエージェントになる寸前の選手が残り17分というところで退場を余儀なくされた火曜、多くの専門家やサポーターがそんな疑問を抱いたのだった。

    この記事を書いている時点では、アレクサンダー=アーノルドがサイドライン上で不自然に倒れた際に右足首に負ったダメージの程度について、リヴァプール側からの公式発表はない。しかし、スロット監督が後に認めたように、それは良い兆候ではなかった。このイングランド代表はカラバオ・カップ決勝への出場が危ぶまれており、そのことはアレクサンダー=アーノルドがリヴァプールでの最後の試合を戦った可能性があるかどうかよりも、現時点では監督にとってより大きな懸念事項となっている。

    結局のところ、コナー・ブラッドリーはすでにウェンブリー行きを断念しているし、CBジャレル・クアンサーが右サイドバックを務める唯一の正当な選択肢となる可能性が高い。その意味で、アレクサンダー=アーノルドスロット監督両者にとって、最も歓迎できないタイミングでの負傷であった。

  • Federico Chiesa LiverpoolGetty Images

    納得いかないキエーザの冷遇

    コーディ・ガクポが延長戦で投入されたことは、リヴァプールの準々決勝進出への期待を後押しするはずだった。しかし、実際には逆の結果となった。

    このオランダ代表は今シーズン、リヴァプールで最高のプレーヤーのひとりであり、自身が好む左サイドに配置されてから、小さな驚きをもたらしている。第2戦で彼がプレーできるというだけで、ファンは歓喜した。たとえ20~30分しかプレーできなくても、ベンチから大きなインパクトをもたらすことができるだろうという期待があったのだ。しかし、101分目に投入されたガクポは、ほとんど動くことができなかった。

    パスを完璧にこなすことはおろか、シュートを放つことすらできず、ボールに触れたのはわずか3回だけだった。さらに悪いことに、自陣に戻ろうとしても全力で走ることができず、PSGの選手たちに簡単に追い越されてしまっていた。ガクポは完全に戦力外であり、守備ができないことが、試合終盤に相手チームが優勢だったことに間違いなく影響した。

    では、スロット監督が彼を投入した理由は何だったのか。特に、もうひとりの勤勉なウイング、フェデリコ・キエーザがベンチに控えていたというのに。結論から言えば、監督は、アンフィールドに到着して以来、フィットネスに問題を抱えてきたイタリア代表を全く信頼していない。キエーザが今シーズン中にプレーする可能性は、もはや見込めないだろう。彼のリヴァプールでのキャリアはすでに終わったも同然だ。

    ガクポに関して今心配なのは、投入直後に負傷したことで、ウェンブリーでのニューカッスル戦にも出場できなくなることである。

    スロット監督はアンフィールドに到着して以来素晴らしい働きを見せており、インタビューにも率直に答えている。試合前の記者会見で、キエーザとガクポに一体何が起こっているのか、説明してもらえるとありがたい。

  • Liverpool FC v Paris Saint-Germain - UEFA Champions League 2024/25 Round of 16 Second LegGetty Images Sport

    サラーのバロンドール受賞は絶望か

    リヴァプールがチャンピオンズリーグで敗退した後、ティエリ・アンリがモハメド・サラーのバロンドール受賞の可能性について語らずにいられなかったのは当然のことだろう。この元フランス代表FWのレジェンドは、サッカー界で最も権威のある個人賞を逃すという経験を一度ならず二度もしたことがあるからだ。2003年と2004年に、アンリは疑いなく世界最高の選手であり、プレミアリーグでは無敵の存在だった。しかし、その2年間で彼はバロンドールを受賞できなかった。それはなぜか。ヨーロッパ規模の大会で成功を収めることができなかったからである。

    2002-03シーズンのチャンピオンズリーグで7得点を決めたアンリだが、アーセナルはグループリーグで2位以内に入ることができず、結果として、ユヴェントスの決勝進出に重要な役割を果たしたパベル・ネドベドに次ぐ2位という順位に甘んじることとなった。その翌シーズン、アーセナルは準々決勝でチェルシーに敗れ、EURO2004でも期待外れに終わった。そのため、アーセナルがプレミアリーグで無敗だったシーズンで主力として活躍した選手は、バロンドールの表彰台にすら立てなかった。

    サラーも同様の失望を味わうことになるだろう。現時点では、プレミアリーグにおける今シーズンは、アンリが全盛期だった頃以来の最高のシーズンになる可能性が高い。29試合の出場で27得点17アシストという成績を残しているが、チャンピオンズリーグの栄光を狙う多くのワールドクラスのライバルがいる限り、バロンドールを獲得するには十分ではないだろう。

    アンリが指摘したように、ハフィーニャがレースをリードしているが、ラミン・ヤマルやハリー・ケインも有力な候補であり、2週連続でPSGの左サイドバック、ヌーノ・メンデスに負けたことはサラーにとって苦い結果となった。

    もちろん、火曜にサラーが流した涙は、敗北の仕方や、アンフィールドでの最後のチャンピオンズリーグの試合だったかもしれないという思いからだったかもしれない。しかし、ゴール量産型のウイングであるサラーは、長らく、自身の個人としての卓越性が投票者たちから不当に過小評価されていると感じており、バロンドールのことを考えなかったはずはないだろう。

    チャンピオンズリーグでの敗退は、チームメイトの多くよりも、リヴァプールのエジプト王にとってより重くのしかかる可能性が高い。彼はこれまで同様に活躍しているが、32歳で今夏に契約が切れるため、今後バロンドールを獲得するチャンスは二度とないかもしれないのだ。

  • FBL-EUR-C1-LIVERPOOL-PSGAFP

    契約の行方に関する騒動

    火曜、フィルジル・ファン・ダイクがアンフィールドの廊下で、PSGのナセル・アル・ケライフィ会長やスポーツ・ディレクターのルイス・カンポスと話している姿が目撃された。そのせいで、この3人が、今夏にこのオランダ代表がフリーでフランス王者に加わる可能性について話し合っているのではないかという憶測が飛び交った。実際には、ファン・ダイクは、パルク・デ・プランスでの第1戦での審判の判定についてカンポスが不満を漏らしている間、カンポスとリーグ・アンのことを軽口で非難したことを丁重に謝罪していたのだった。

    しかし、ファン・ダイクが試合後に認めたように、彼の将来は依然として未解決であるため、噂が過熱するのは避けられない。彼はリヴァプールとの契約延長に合意しておらず、前述のアレクサンダー=アーノルドやサラーも同様である。つまり、クラブの最も重要な選手3人が今シーズン限りで退団する可能性があるという、滑稽かつ全くもって容認できない状況が続いているのだ。

    このような状況下で、スロット監督がタイトル獲得に向けた努力を維持しながら、この最も望ましくない、回避可能な妨害に対処しなければならないことに仰天する。オランダ出身監督は試合後の記者会見で最新情報を求められ、このような痛恨の敗戦の後にそのような要求を受けたことに、明らかに狼狽していた。

    実を言えば、彼が今までキレなかったのが不思議なくらいだ。このような状況が長引くことを許しただけでなく、絶え間ない問い合わせに対処することを、彼ひとりに押し付けてきた雇用主に対して、彼は激怒する権利がある。本当に厄介なのは、シーズン終了が近づくにつれ、質問がさらに激化するだろうということだ。そして、3人の選手の将来が何らかの形で決着するまで、質問が止むことはないだろう。

    そうなると、現時点ではほぼ確実視されているリヴァプールのプレミアリーグ優勝も、移籍の噂によって台無しになるというリスクも現実になりうるかもしれない…