Getty Imagesキリアン・エンバペはいじめっ子であり、ワールドカップは彼の遊び場である。他に言いようがない。フランス代表ストライカーは恐ろしく、彼の邪魔をするディフェンダーをことごとく苦しめている。
さらに、この大会は彼の能力を最大限に引き出してくれる。パリ・サンジェルマンのスーパースター、エンバペはデンマーク戦で2得点を挙げ、W杯での2試合中3ゴールをマークしたことになる。
エンバペがテオ・エルナンデスとの見事なワンツーで均衡を破った後、アンドレアス・クリステンセンがCKから同点弾を決めるなど、北欧勢は彼の夜を台無しにしようと脅かしていた。
しかし、エンバペを否定することはできなかった。彼は今、ただただ止められないのだ。そして彼は、アントワーヌ・グリーズマンからのクロスを束ねて、フランスがベスト16に進出する最初のチームとなる勝利を手にしたのである。
GOALがエンバペのパフォーマンスから得た勝者と敗者、そして全選手採点を紹介する。
Getty Imagesキリアン・エンバペ
この試合に向けて、元フランス代表MFエマニュエル・プティは再びキリアン・エンバペのエゴの問題を持ち出し、EURO2020以来フランスで大きな話題となっている。しかし、公平に見て、これほどの選手であれば、多少生意気であっても問題にはならない。この子は本当にすごい。彼のペースは恐るべきものであり、フィニッシュも正確だ。フランス人選手としては、伝説的なジュスト・フォンテーヌ以来となるワールドカップ3試合連続得点記録を樹立した。エンバペのワールドカップは、これまでのところ彼のものであり、私たちは彼の輝きを目撃するためにここにいるのだから、これ以上の記録は形式的なものだ。
テオ・エルナンデス
ACミランのテオは、兄のリュカがオーストラリア戦で負った負傷の影響で、ワールドカップでの初先発は最高の状況とは言えなかった。しかし、テオはそのチャンスを最大限に生かし、過去数シーズンの間にセリエAのファンが慣れ親しんできたようなプレーによって、エンバペの先制点を演出した。テオは兄のような守備的な安心感はないが、前方への推進力は抜群で、エンバペとのコンビはカタールにおけるフランスの最も強力な攻撃的武器の一つとなるだろう。
アントワーヌ・グリーズマン
アトレティコ・マドリーに所属するアタッカーは、非常に人気のある選手だ。彼を過大評価し、フォワードとして十分なゴールを決められないと考える人はたくさんいるし、バルセロナで大失敗したことも否定できない。しかし、グリーズマンはフランスの攻撃陣にとって必要不可欠な存在である。彼の仕事ぶりは並外れたものであり、そのパス回しはあらゆるブレイクやビルドアップのカギになる。後半、グリーズマンはビッグチャンスを逃したが、エンバペのために勝ち越しゴールを演出し、選手としての彼を見事に表現していた。欠点もあるが、デシャン監督に言わせれば、彼は刺激的で必要不可欠な存在なのだ。
Getty Imagesデンマーク攻撃陣
デンマークの同点ゴールがディフェンダーによるもので、しかもコーナーからのものだったのは、少しも驚くことではない。例えば、センターフォワードのアンドレアス・コーネリアスは交代するまでわずか20回のタッチしかしておらず、ゴール期待値は0.03であったし、マーティン・ブライスウェイトはせっかく訪れた好機を無駄にした。確かに、デンマークがフランスを破るのは難しいだろうが、彼らがチュニジアと0-0の気の抜けたドローでこの試合に臨んでいることを忘れてはならない。明らかに対戦相手にとって厄介な相手であることは、今回もまた証明されたが、彼らの攻撃陣にはカタールで勝ち進むだけの得点力がないのではないかという疑惑は残る。
王者の呪い
呪いは解けた。2006年のブラジル大会以来、ディフェンディング・チャンピオンがグループステージを突破することはなかった。しかし、フランスはカタールでの2連勝のおかげで、1試合を残してノックアウトステージに進出。この勝利はわずかな差でもたらされたものかもしれないが、そのメリットは見逃すことができない。フランスは今年のネーションズリーグでデンマークにホーム＆アウェイで敗れ、グループDの通過が危ぶまれたが、ベスト16に進出し、1962年のブラジル大会以来のワールドカップ連覇の可能性も十分にある。
Getty Imagesウーゴ・ロリス （7/10）
プレッシャーのかかる中、難しいクロスを何度も対処し、1-1の微妙な展開の中、イェスパー・リンドストロムのシュートを見事に止めた。
ジュール・クンデ（6/10）
ピエール・エミール・ホイビュアのシュートは、ライン上でブロックしたが、ビクトル・ネルソンのスルーパスは、警告を受けた。
ラファエル・ヴァラン （7/10）
コーナーキックからゴールに迫ったが、メーレがライン上でクリアした。負傷から復帰した後、残り16分のところで交代した。
ダヨ・ウパメカノ（8/10）
コーネリアスからボールを奪い、反撃の狼煙を上げた。また、エリア内でマーティン・ブレイスウェイトを見事にブロックした。ブレイスウェイトはオフサイドだったが、ウパメカノはそのことを知らなかったため、彼のプレーはより印象的だった。
テオ・エルナンデス（7/10）
ディフェンス面では、あまり良い出来ではなかった。ラスマス・クリステンセンのクロスは、もっと良いものであった。しかし、エンバペとの見事な連係プレーで、この試合の先制点を演出し、チームに貢献した。
Getty Imagesアドリアン・ラビオ（7/10）
初戦の得点に続き、ヘディングでゴールを狙ったが、惜しくもシュマイケルにはじかれた。ピエール・エミール・ホイビェアにボールを奪われ、一時は中盤を支配されたが、最後は力強くプレーした。
オーレリアン・チュアメニ（7/10）
素晴らしい働き。グリーズマンに素晴らしいボールを送り、ゴールを目指したが、そのボールは無駄になってしまった。
Getty Imagesウスマン・デンベレ（7/10）
序盤からドリブルを披露し、メーレを翻弄した。また、ラビオへのクロスは、カスパー・シュマイケルのファインセーブを誘って、見事なものだった。しかし、試合が長引くにつれ、彼の影響力は弱まっていった。
アントワーヌ・グリーズマン（8/10）
得点には絡まなかったが、オールラウンドなプレーが光った。ハイライトは、エンバペへの見事なアウトサイドのスルーパスで、クリステンセンは20分で警告を受けた。しかし、勝ち越し点につながるクロスもなかなかだった。
キリアン・エンバペ（9/10）
前半はクリステンセンと良いバトルを繰り広げたが、最終的には決定的な勝利を収めた。カタールでは彼を封じ込めることができるのか、興味深いところだ。彼は燃えている。
オリヴィエ・ジルー（5/10）
空中で常に脅威を与え、エリア内に侵入してくるクロスで能力を発揮した。しかし、4日間で2試合目ということもあり、36歳のジルーは力尽きたようだ。
Getty Imagesマルクス・テュラム（5/10）
後半からジルーの代わりにトップに入ったが、父親のリリアンがスタンドから見守る中、目立った活躍はなかった。
イブラヒマ・コナテ（N/A）
ヴァランと交代でピッチに立った。
キングスレイ・コマン（N/A）
74分、デンベレと交代。
ユースフ・フォファナ （N/A）
グリーズマンに代わって、ロスタイムに投入されたのみ。
ディディエ・デシャン （7/10）
味方は危険なように見えたし、監督もそれほど間違ったことはしていない。しかし、フランスがこの試合に勝ったのはエンバペのおかげであり、監督の交代劇のおかげではない。