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Man City mentality problem GFXGetty/GOAL

マンチェスター・シティの“脆さ”と“慢心”:ペップが絶賛していた「メンタリティ」の崩壊

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ジョゼップ・グアルディオラが「選手において最も重要視しているものは?」と問われたのはわずか4カ月前のことだった。今季も開幕12試合で9勝&無敗を維持、アーセナルとの直接対決でも劇的な同点弾を叩き込み、プレミアリーグ5連覇へ向けて最高のスタートを切っていた時だった。

「選手は信じられないほどのメンタリティを持っている。あの競争心は凄まじいよ。勝利を重ねていくと気を緩めてしまうのが普通だし、私はいつも、パフォーマンスが良くても悪くても懸念している。だが、彼らはまったくそうならない。“落ちる”要素がないんだ。常に互いをプッシュし合っていて、新しいアイデアをスタッフや私に提案してくる。そのアイデアを気に入らなかったとしても、チームのためだからと快く受け入れてくれるんだ。良い意味ですぐに忘れて、勝っても負けても『次になるをすべきか』と考え始める」

あれから4カ月、この言葉は今一度考える必要があるだろう。今のマンチェスター・シティを見て、ペップの言う「メンタリティの強さ」が彼らに備わっていると考える人は多くないはずだ。

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  • Man City Haaland DiasGetty

    “脆さ”

    リヴァプール元指揮官ユルゲン・クロップは、教え子たちを「メンタリティモンスター」と形容した。確かに、彼らが見せた異次元の逆転劇は人々の記憶に残り続けるものだった。しかし、そんなリヴァプールを4シーズン中3回上回ったのは、シティだった。過去7年間で6度のプレミアリーグ優勝を達成、ペップ指揮下で18個ものタイトルを獲得したのだ。

    過去の成績を踏まえると、2024-25シーズンは異常事態だ。シティは24試合を終えた段階ですでに首位リヴァプールに16ポイント差をつけられた。リーグ戦で喫した7敗は過去4シーズンで最多である。チャンピオンズリーグを含め、彼らがその“脆さ”を露呈する試合は何度もあった。

    11月のフェイエノールト戦では3点リードから追いつかれ、12月のマンチェスター・ユナイテッド戦は87分から2点を奪われて逆転負け、1月のパリ・サンジェルマン戦も2点先行するも4失点を許した。今季はあまりにも、リードした状況からコントロールを失う試合が多すぎる。

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  • Manchester City v Real Madrid C.F. - UEFA Champions League 2024/25 League Knockout Play-off First LegGetty Images Sport

    止まらない失点

    そして11日、欧州最高峰の舞台でレアル・マドリー相手に残り4分からの2失点で敗れた。確かに展開自体は劇的なものだが、シティの逆転負けは珍しくなくなっていた。今季のチャンピオンズリーグでは、9試合中5試合でラスト16分に失点している。その数字は「8」と驚くべきものだ。

    ホームでの大一番も、判定やバーに救われたシーンがあったとは言え、優勢に進めていたと言えるだろう。ボールを支配し、80分にアーリング・ハーランドのPKで勝ち越した後はファンもリードでセカンドレグへ迎えると確信していたはずだ。だからこそ、あらゆるタックルや相手のミスに大歓声を送っていた。そして、ヴィニシウス・ジュニオールに容赦ないフラッグも見せつけている。

    だが、またもその“脆さ”が露呈する結果となった。

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  • Pep Guardiola Man CityGetty

    「今季を象徴するもの」

    後半アディショナルタイム、リコ・ルイスのボールロストから招いた最悪の事態は、2022年の準決勝を既視感があった。あのヴィニシウスの突破からジュード・ベリンガムに決められた決勝点は、ロドリゴの2失点を想起させる。だが、ベルナベウのあの2失点は「奇跡的」で単発の出来事と思えても、今回エティハド・スタジアムで起きたこの逆転負けは「今季のシティを象徴するもの」と言っても過言ではない。ペップも認める。

    「状況をコントロールできなかった。2-1の場面で、今季何度も起きたことが起きてしまった。フェイエノールト、スポルティング、ブレントフォード、ユナイテッドでも同じことが起きた。最後の最後で、すべてを手放してしまったんだ」

    「このレベルでは非常に厳しい。初めてのことではないし、何度も起こっている。だからこそ難しい。我々はそれについて話し合っているが、難しいんだ」

  • Man CityGetty

    「我々全員が問題」

    指揮官は「個人の問題ではない」と強調した。チーム全体が低迷していることを認め、その評価には自分自身も含まれると語った。

    「これは選手だけの問題ではなく、我々全員の問題だ。うまくいかないということを受け入れるのは問題ない。だが、我々全員が問題なんだ。特定の選手を責めるのは簡単だが、それは馬鹿げているし、うまくいかない。我々全員が、大きな局面で安定感がないんだ。今日が例外ではなく、何回も起きていることだ」

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  • Manchester City v Real Madrid C.F. - UEFA Champions League 2024/25 League Knockout Play-off First LegGetty Images Sport

    「答えは見つかっていない」

    ジョン・ストーンズも、状況説明に苦悩した。『Amazon Prime』で「今すぐ説明するのは難しいよ。まだ生々しいしね」としつつ、こう語る。

    「みんなフラストレーションを感じている。試合終了間際まで、僕らは試合をコントロールしていたんだ。それから2失点してしまった。ディフェンダーとして、このような結果にはフラストレーションが溜まる。怒りとフラストレーションが溜まっているというのが、今の気持ちだ」

    「正直なところ、答えは見つかっていない。もっと試合をうまく運ばないと。それだけは確かだ。監督は『ピッチ上の出来事に責任を持たないと』と言っているけど、そのとおりだと思う」

    「試合の立ち上がりは、僕らが優勢だった。マドリーのクオリティはわかっているけど、今日起きたことは防げたはずだ。もっとうまくやらないと。ポジティブなメンタリティを保ち、前向いて進んでいく必要がある。あと90分あるからね」

  • Erling Haaland Man City 2024-25Getty

    “脆さ”と“慢心”

    だがストーンズの言うように、「ポジティブなメンタリティを保つ」のは難しいだろう。なぜなら、今のシティはメンタル面が最大の問題になっているからだ。リードして迎える試合終盤、過去に成し遂げた栄光が脳裏をよぎってパフォーマンスが低下するように見える。明らかに選手1人ひとりが昨季より低迷しているにも関わらず、その時と同じような振る舞いから抜け出せないでいるのだ。かつての宿敵、ウェイン・ルーニーはこう語る。

    「シティは特に試合終盤に甘さがある。ここ数年のシティの選手たちからは、どんな試合でも『必ず勝ってやる』という信念と自信を見ることができた。だが今夜の彼らは、お互いを信頼していないようにも見えた。グアルディオラにとってはそれが一番の心配事だと思う」

    来週には逆転を目指すセカンドレグがすぐにやってくるが、ベルナベウでの過去6試合で勝てたのはたった1試合。相性は最悪だ。仮にチャンピオンズリーグでラウンド16にもたどり着けないとなれば、現実的な目標はプレミアリーグでのトップ4フィニッシュとFAカップのみ。彼らにとっては「失敗」である。

    彼らが抱える“脆さ”は“慢心”とも言えるだろう。完璧を追求して走り続け、彼らを王者たらしめていた最大の長所であるメンタリティは、たった4カ月で最大の弱点となってしまった。そしてこれは、シティの今シーズンを終わらせてしまうものになるかもしれない。

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