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マンチェスター・ユナイテッド、言い訳できない1カ月:テン・ハーグに勝利以外は許されない

ジェイドン・サンチョの反抗にアントニーの問題など、9月のインターナショナルウィーク時点でエリック・テン・ハーグ監督に降り掛かった問題は強烈だった。だからこそ、この10月のインターナショナルウィークは安堵して過ごすことができたかもしれない。選手に関する新たなスキャンダルはなく、クラブの買収問題が進展しただけだ。

そしてラファエル・ヴァラン、コビー・メイヌー、ソフィアン・アムラバト、セルヒオ・レギロンと、負傷者も続々と練習復帰。次節シェフィールド・ユナイテッド戦はカゼミーロを欠くが、ケガが深刻ではないことや最近の調子を考えると、悪いことばかりではない。

終わりのない負傷と数々のワースト記録を打ち立てた後、ユナイテッドには休息が必要だった。今回のインターナショナルウィークは良いきっかけとなっただろうが、一方で序盤戦の代償として、もうミスは許されないし言い訳もできない。もはやテン・ハーグには隠れる余地はない。次のインターナショナルウィークまでの約1ヶ月は、彼の運命を左右するものになりそうだ。

  • Scott McTominay Bruno Fernandes Man Utd Brentford 2023-24Getty

    勝たなければいけない試合(1)

    再開初戦はプレミアリーグ最下位のシェフィールド・ユナイテッド戦。敵地での遠征を前に、テン・ハーグは「プレミアリーグの試合はすべて難しい。彼らはマンチェスター・シティ戦(1-2)やトッテナム戦(1-2)も僅差で敗れただけだ。もし最高のプレーができなければ負けてしまうだろう」と語った。

    だが、ユナイテッドにとっては勝たなければいけない試合だ。対戦するシェフィールド・ユナイテッドは8試合でわずか1ポイント。22失点はリーグワーストであり、6得点もワースト2位だ。確かにマンチェスター・C戦やトッテナム戦は勇敢だったかもしれないが、ニューカッスルには0-8で完敗している。この相手に3ポイントを逃すわけにはいかないのだ。

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  • Rasmus Hojlund Manchester United 2023-24Getty Images

    勝たなければいけない試合(2)

    そしてシェフィールド・ユナイテッド戦を終えた後、チャンピオンズリーグのコペンハーゲン戦を迎える。これも、絶対に勝たなければいけない試合だ。グループステージは連敗スタートとなり、2位争いにおける最大のライバルのガラタサライに4ポイント差をつけられている。コペンハーゲンとの連戦で勝ち点を縮めなければ非常に厳しくなるだろう。そして最下位でグループを終えてしまえば、ヨーロッパリーグにすら出場できなくなる。

    ユナイテッドは、序盤の失敗から学ばなければならない。

  • Rashford Manchester UnitedGetty Images

    勝てなくてもいい試合?

    おかしな話だが、10月29日のマンチェスター・ダービーは「最も勝利へのプレッシャーがない試合」と言えるかもしれない。

    シティは直近の試合で調子を落として連敗中、ロドリやケヴィン・デ・ブライネの不在でクオリティを欠いている。さらにライバルは25日にヤング・ボーイズ戦を戦うため、日程的にも有利だ。そしてオールド・トラッフォードに詰めかける7万人の後押しも強力。昨シーズンのように(2-1で勝利)、サプライズを起こす可能性はある。

    しかし、地元のライバルとの一戦はいつだって勝利が望まれるが、あらゆる要素を考慮すると、引き分けや惜敗でもテン・ハーグが窮地に陥ることはないはずだ。

  • Kenilworth Road stadium general view Oak Road stand Luton TownGoogle Maps

    勝たなければいけない試合(3)、(4)

    ユナイテッドがトップ4に返り咲くためには、リーグ戦で勝利だけが求められる。内容云々ではなく、3ポイントが絶対に必要なのだ。

    ダービーでそれを確実に得るのが難しい分、他の試合では落とすわけにはいかない。その後に控える敵地フラム戦、ホームでのルートン・タウン戦と、次の中断までの試合は連勝が必須である。対戦相手を考慮すると、それ以外の結果は許されない。

  • Erik ten Hag Man UtdGetty

    言い訳は許されない

    シェフィールド・ユナイテッド、マンチェスター・C、フラム、ルートン、このリーグ戦4試合では最低でも勝ち点「9」、チャンピオンズリーグではコペンハーゲンとの連戦で「4」以上が求められる。

    もしテン・ハーグがそれを達成できれば、大多数のファンとクラブ上層部の支持を保つことができるだろう。しかし失敗し、プレミアリーグ中位以下にとどまるのであれば、彼への疑いの声は一気に大きくなる。指揮官自身はチーム内のメンタリティに自信を見せているが、一部選手の姿勢からは感じられず、またサンチョに対する扱いへの不満の声が漏れ聞こえているという話すらある。

    批判の声を沈める最高の方法は勝利であり、シティ戦を除けば、これだけ対戦相手に恵まれた1カ月はない。多くのファンや批評家は、ケガや厳しい日程が続いたことで「時間が必要」との論を展開することができた。しかし、もうケガ人の大半は復帰しており、対戦相手も比較的楽だと言える。言い訳は許されない。この1カ月は、指揮官とチームの運命を左右する重要な時期となりそうだ。