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スールシャールがマンチェスター・ユナイテッドでやるべき3つの改革:クリスティアーノ・ロナウドを外し、ちぐはぐなプレスを捨てる…

先週末のリヴァプール戦で0-5の屈辱的な大敗を喫したことで、オーレ・グンナー・スールシャールは強烈なプレッシャーを受けている。だが、トッテナム戦でベンチに座ることは確実。今のところ、指揮を取り続ける方向のようだ。

それでも、“執行猶予中”であることは変わりない。さらに悪化するようなら、解任間違いなしだろう。だからこそ、スールシャールは抜本的な改革を行うべきなのだ。ドレッシングルームでもサポーターとの間でも不安が生じる中で、緊急措置が必要となっている。

このまま現在の戦術やメンバーを使い続けることは、彼にとって最高の利益にならないことは確かだ。一連の不調(公式戦13試合中12試合が満足できるものではなかった)は、彼が劇的な変化を必要としていることを示している。

今、スールシャールがすべきことは以下の通りだ……。

文=アレックス・キーブル(『Goal』戦術分析ライター)

  • 20211024 Harry MaguireGetty Images

    ビッグゲームに向けて深いDFライン設定を

    次の3試合でトッテナム、アタランタ、マンチェスター・シティと対戦するが、現実的には7ポイントを獲得する必要があるだろう。そのためにも、距離感の広いプレッシングや冒険的なプレーを望むという新たな傾向を捨てる必要がある。それがレスター戦、リヴァプール戦で合わせて9失点を喫したことにつながった。

    この腐敗を止めるには、まず第一に過去のビッグゲームでスールシャールが見せてきた最後方からのカウンターシステムを復活させる必要がある。

    スールシャールは、明らかに世界屈指の指揮官たちと比べて戦術的洞察力が欠けている。組織的なプレスを指導できないため、今の選手達は独断で1人ずつ無計画に行ってしまっている。絶望的な状況だ。リヴァプール戦はその最悪な例だった。ボールを持った相手に頭から突っ込むのではなく、パスの角度をブロックしながら行う必要がある。もし彼らがそうできないのであれば、より深い位置に構え、より伝統的な方法でスペースを圧縮するべきだ。

    つまり、低くコンパクトなブロックで、相手に退屈な横方向へのポゼッションを強いる必要がある。これはスールシャールが成功してきた方法であり、危機的状況の時にいつも助けとなってくれた戦術だ。

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  • Jadon Sancho Man UtdGetty

    リヴァプールの3トップを模倣し、カウンターにフォーカス

    これから先のビッグゲームを考えると、ユナイテッドはリアクティブなカウンターアタックに徹するべきだ。現代のマネーゲームにおける不均衡は、ほとんどの試合でユナイテッドがポゼッションで支配することを必要とする。だが、より深いラインを敷けばプレスをかけられても困らないだろう。相手を前に出させることで、カウンターの機会を増やすことができる。

    今季のチェルシー、リヴァプール、マンチェスター・シティのゴール数は確かに注目に値する。毎試合高いポゼッション率を記録するだろう。だが、戦略の主な部分は相手が自陣に誘い込まれた瞬間を利用することだ。スールシャールはリヴァプールを参考にして、この戦術をどう構築するか考える必要がある。そのヒントとなるのは、狭いエリアでスピードのある3トップを採用することにある。

    現在のユナイテッドの攻撃はランダムなものばかりだ。3トップが近い距離で、ディフェンダーの背後へシンプルに攻撃を仕掛ける形を指示できれば、ある程度解決することができそうだ。特に、ジェイドン・サンチョが本来のポジションである右ウイングに起用されれば、その恩恵を得ることができる。メイソン・グリーンウッド、マーカス・ラッシュフォードとともに若くて貪欲な3トップを形成し、低い位置でのブロックとカウンターに重点を置く。これはスールシャールに短期的な成功をもたらすかもしれない。

  • Cristiano Ronaldo Manchester United 2021-22Getty Images

    クリスティアーノ・ロナウドからの脱却

    スールシャールはドレッシングルームでの権威を失いかけている。だからこそ、改革は「誰がボスなのか」を示す必要があり、それはC・ロナウドを外すことを意味する。

    C・ロナウドがチームのバランスを崩しているのは間違いない。プレスに穴が生じ、それがスールシャールを追い込んでいる。彼という強烈な存在が、グリーンウッド、ラッシュフォード、サンチョ、エディンソン・カバーニを窮地に追い込んでいるのだ。チームのためを考えれば、彼を下げなければならない。

    カバーニはボール非保持時やビルドアップにも貢献できる。しかし、C・ロナウドのゴールは他の戦術面での混乱を補っていないのは明らかだ。昨季のユヴェントスを見ていれば、こうなることは誰にでもわかったはず。

    その他、ドレッシングルームが監督に疑問を持ち始めたときには、よりピッチ上で戦ってくれる選手が必要となる。そのため、彼は和解する必要があるだろう。特に。ドニー・ファン・デ・ベークとジェシー・リンガード。この2人はもっと試合に出るべきだ。後者は出場すれば活躍するし、前者は今のユナイテッドの中盤がどれだけ貧弱かを考えれば、出場する価値はある。

    現状を考えると、スールシャールではプレミアリーグタイトルに挑戦はできず、遅かれ早かれ指揮官交代が行われる可能性は高い。

    だが、スールシャールに希望があるとすれば、それは大幅なリブランディングであり、スタメンや戦術・戦略の基本を変更だ。

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