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三笘薫、世界最高レベルのDF相手にどう挑む?ブライトンが王者マン・C戦で勝利するために必要なこと

21日に行われるプレミアリーグ第9節、エティハド・スタジアムではマンチェスター・シティとブライトンが激突する。共に現在のプレミアリーグの話題をさらう強豪同士のビッグマッチだ。

  • Pep Guardiola Manchester City 2023-24Getty Images

    マンチェスター・シティ(3位 勝点18 | 6勝0分2敗 | 17得点6失点)

    昨季の三冠王者は開幕6連勝スタートとその力を見せつけていたが、ウォルバーハンプトン(1-2)、アーセナル(0-1)相手に連敗。リーグ戦ではおよそ5年ぶりの連敗となった。この連敗でノースロンドンの二強に2ポイント差をつけられて3位に転落、調子を落とした中でインターナショナルウィークに突入していた。まだまだシーズン序盤戦とはいえ、この流れは早急に止めたいはずだ。

    現地メディアでも大きな話題となっていたが、この連敗はロドリの不在が最も影響していることは間違いない。ウォルバーハンプトン戦、アーセナル戦共に「攻→守」、「守→攻」の鋭さを昨季よりも欠き、また守備時に中盤脇のスペースを攻略されるシーンも目立っていた。ジョゼップ・グアルディオラ監督は様々な手を尽くしていたが、圧倒的な状況判断力とバランス感覚、フィジカルを兼ね備えた上で強烈なミドルなどハイレベルな攻撃性能を併せ持つ現代最高のアンカーを欠いてしまえば、クオリティが下がるのは致し方ないだろう。

    しかしこのブライトン戦では、ようやく3試合の出場停止処分が明けてロドリが復帰する。“チームの心臓”の復帰はこれ以上ないニュースだ。人を中央に集めるビルドアップを採用するブライトンに対し、彼が中央に構えることでその局面でボールを奪える確率はぐっと上がるはず。また同じくチームの根幹を担うジョン・ストーンズの復帰も予想されており、攻守においてピッチ中央は理想的なバランスが取れそうだ。このエリアを支配することで、試合全体をコントロールしていきたい。

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  • Rodri Man City 2023-24Getty

    注目選手:ロドリ

    ノッティンガム・フォレスト戦(2-0)の愚行で国内3試合の出場停止を受けたロドリ。指揮官も「感情をコントロールしないとね」と怒りを見せていたが、自身の不在がチームへどう影響したか改めて目の辺りにしたこともあり、復帰戦へのモチベーションは高いだろう(『Opta』の統計では、2019年以降のリーグ戦でロドリ出場時の勝率が「74.3%」に対し、不在時の勝率は「56.3%」まで下がる)。

    ピッチ中央にCB2人とMF2人、さらに前線のアタッカーが頻繁に降りてくるブライトンに対し、周りをうまく使いながらスペースを管理することが最大のタスクとなりそうだ。さらにここ数年で精度が格段に上がったミドルシュートも、チームにはない強力な武器になる。嫌な流れを止めるためにも、期待以上のパフォーマンスを発揮したい。

  • manc-20231021(C)Goal

    予想スタメン(4-2-3-1)

    ▽GK

    エデルソン

    ▽DF

    カイル・ウォーカー

    ジョン・ストーンズ

    ルヴェン・ディアス

    ヨシュコ・グヴァルディオル

    ▽MF

    ロドリ

    マテオ・コヴァチッチ

    フィル・フォーデン

    フリアン・アルバレス

    ジャック・グリーリッシュ

    ▽FW

    アーリング・ハーランド

  • De Zerbi Brighton 2022-23Getty

    ブライトン(6位 勝点16 | 5勝1分2敗 | 21得点16失点)

    躍進は昨季だけにとどまらず、今季も見事な戦いでプレミアリーグを沸かせるブライトン。しかしシーズン前から懸念されていた通り、ヨーロッパリーグ出場に伴う過密日程に苦しんでいることは否めない。特に日程がタイトになった9月中旬からの失速は顕著であり、直近6試合ではわずか1勝(2分け3敗)のみだ。ロベルト・デ・ゼルビ監督もローテーションに悩んでいることを認めており、早い内に解決策を見つけたいだろう。

    そして日程の影響により、チーム全体のパフォーマンスが低下していることも明らかだ。前節リヴァプール戦(2-2)は映像からも疲労困憊であることが伝わってきており、ポゼッション時にもミスが連発。リスクばかりが強調される展開になっていた。また、負傷者が続出していることも痛手となっている。ようやくジェームズ・ミルナーは出場できるようだが、依然としてペルヴィス・エストゥピニャンとフリオ・エンシソは離脱中。チームの主軸2人を欠いて戦う状況は、王者との一戦でも続きそうだ。

    10月のインターナショナルウィークに招集された選手はさらに疲労が溜まったかもしれないが、試合が空いたことでメンタル面の切り替えができたとポジティブに考えたいところ。また、三笘薫の契約延長もチームにとって明るい材料になるはずだ。敵地でのマンチェスター・C戦でもデ・ゼルビ監督はスタイルを変えることなく、正面からぶつかっていくことが予想される。もちろんボール保持で相手のプレスをどうかわすかも重要だが、よりプレッシングに重きを置き、普段よりもさらに空いたスペースを素早く攻略することが求められる。

  • Kaoru-Mitoma(C)GettyImages

    注目選手:三笘薫

    様々な憶測が浮上した中で、先日ブライトンと新たに4年間の契約延長。去就に関する噂に終止符を打った三笘薫。クラブ公式で公開されたデ・ゼルビ監督の反応からも、ブライトンにとっては待望だったことが見て取れる。10月の日本代表活動は辞退したが、トレーニングには問題なく合流できている模様。この2週間で心身ともにリフレッシュできたかもしれない。そうして迎えるマンチェスター・C戦だが、マッチアップする相手はカイル・ウォーカーになりそうだ。

    本人も前回対戦時について「チャレンジさせてもらえなかった」と振り返った難敵に挑むことになる。もちろんドリブルで抜き切れるのがベストだが、世界最高レベルの対人守備を誇る相手に無策で突っ込んでいくのはあまりに危険であり、さらに言えば重要なのはチームの勝利につながること。三笘自身も圧倒的なドリブル技術がありながら、豊富な選択肢を持っていることが最大の強みだ。周りの状況を見極めながら、今やプレミアリーグを代表するウインガーの1人となった日本代表MFがどう仕掛けていくのか、大きな注目が集まっている。

  • brighton-20231021(C)Goal

    予想スタメン(4-2-3-1)

    ▽GK

    ジェイソン・スティール

    ▽DF

    ジョエル・フェルトマン

    ルイス・ダンク

    アダム・ウェブスター

    ジェームズ・ミルナー

    ▽MF

    カルロス・バレバ

    パスカル・グロース

    シモン・アディングラ

    ジョアン・ペドロ

    三笘薫

    ▽FW

    エヴァン・ファーガソン